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【連載:美を伝える人】「THREE」RIE OMOTO氏(下) 生きるためのヒントも見つかる、そんなブランドでありたい

【連載:美を伝える人】「THREE」RIE OMOTO氏(下) 生きるためのヒントも見つかる、そんなブランドでありたい

(中)から続く。

日本でのサロンワーク後、単身ロンドンへ渡英し、サロンの顧客から預かった荷物を持ってファッションデザイナー ミチコ コシノを訪ね、そのままブティックを手伝うことに。多くの刺激を受けながら日本に帰国後、すぐに世界的なメイクアップアーティスト リンダ・カンテロのアシスタントとしてパリに渡る。下積みを経て、独立。NYへ。NYでは大失敗を含めさまざまな経験をして大きく成長、大きな仕事を次々とこなしていく。そしてTHREEと出合う。現在、THREEは60億円を超える(2022年12月期売上高)ブランドに。【連載:美を伝える人】「THREE」RIE OMOTO氏(下)

ーそこからTHREEと出合うわけですね。

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 そうなんです。「新しいブランドの話に興味ありますか」って、日本からエージェントに連絡をいただいて。「もちろん!」と即答したものの、NYでの仕事が忙しすぎてしばらく寝かせてしまいました。ひどいですよね(笑)。再度、「日本に来られませんか」とご連絡をいただき、スケジュールをなんとか調整して帰国して、当時の会社の方々とお話しをして…という流れですね。

ーRIEさんは自分のスタイルをきちんと持ったこだわりの強い方だと思うので、中途半端なコンセプトでは納得しないのでは、と想像しますが、THREEというブランドのどんなところに興味を持たれたのでしょうか。

 当時のお話をしてくれた方の感性の素晴らしさに心動かされたことと、オーガニックなど自然由来のコスメであること、スキンケアとメイクアップが一緒にあるブランドであること、そして何より自由に作っていいと言ってくださったこと、ですね。それで私も何ができるか考えさせてくださいとお返事をして、最初のお声がけから少し経ってプロジェクトが動き出しました。

ーブランド名も印象的でした。これはRIEさんが考案されたのですか?

 はい。ヌメロロジー(数秘術)から、バランス、クリエイティブ、ポジティブという意味を持つ「3」をブランド名に選びました。当時、オーガニックといえば何となく「ほっこり・丸い・優しい」みたいなイメージがありましたが、それでは私らしくないし、オーガニックとモード、そこにファッションを足して新しい価値を作ろうと思ったんです。1+1を2にするのではなく、価値をつけて3にしよう、そんな思いもこめて「THREE」と名付けました。

ーコンセプトがとにかく斬新だったのを覚えています。ブランドを1から作るのは初めてだったのですか?

 一時、コスメの色を開発するというのは経験がありましたが、ブランドの立ち上げから関わるのはまったく初めて。科学とか得意ではなかったけれど、原料や光の三原則、補色の関係とか、本当に勉強になることばかりで、研究員の方々からいろんなお話を伺っているうちにだんだん興味が湧いて楽しくなってきました。

ー感度の高いファッション系の方が火付け役になって一気にブレイクしたイメージがあります。中身の良さはもちろんですが、パッケージの洗練された雰囲気も大きかったように思いますが、そのあたりいかがですか?

 もちろん、パッケージのデザインにもとことんこだわりました。当時は「可愛い・光る・丸い」というイメージのデザインが多くて、それはそれで素敵だけど、どれも私自身が手に取ってしっくりくるイメージが湧かなかったんです。誰の手にも誰の家にもフィットするものを…と考えた時、それは絶対にニュートラルな色であり、さらにモード感を出すなら角があるデザインがいいはずだとピンときて、あの独特な色と形に行きつきました。クールだけど触れても冷たさを感じないマットな質感にしたり、角がありつつも触れても痛くない手のひらに沿うフォルムにしたりと、1mm単位でデザインを調整して完成しました。

2009年、THREEデビュー

2019年のTHREE発表会で

ーTHREEの転機や、思い出深い出来事は?

 「THREE AOYAMA」のオープンですね。生体リズムを整えるスパやナチュラルバランスフードを中心としたダイニング・カフェを併設するなど、トータルライフスタイルでホリスティックにケアをしていくという、ブランドの世界観をはっきり打ち出せたという意味で、やはり思い出深かったです。メイクやスキンケアって、きれいになりたいからするもの。でも、外からだけでは限界があり、本当に美を追求するなら内側からも整えていかないといけないという思いはずっとありました。THREE AOYAMAの誕生は、自分の夢がひとつ叶った瞬間でもあり、THREEの飛躍の象徴でもあったのかなと思います。

「THREE AOYAMA」は朝活の先駆けとして、8時台からオープンするダイニング・カフェや、スパなどを併設し、ファッション関係者などトレンドセッターが多く来店し話題になった。2021年末に惜しまれつつ次のステージに向けて閉店

ーTHREEは来年で15周年を迎えますが、今のお気持ちを聞かせてください。

 THREEとともに、さまざまなコレクションを作りながらブランドを築いてきたことが本当に嬉しいです。それまでは毎日違う撮影の現場に行っていて、同じ人と仕事をすることがありませんでした。このTHREEでの経験は、私にとって大きな経験であり、何にも変え難い宝物です。

ー特に思い出深い製品はありますか?

 ブランドが広く知られるようになったきっかけになった「シマリング リップジャム」(現在は販売終了)や、「桜コレクション」ですね。「桜コレクション」は春の風物詩のようになっていて、楽しみに待っていて下さる方も多く嬉しいです。今年も3月3日に2023年版を発売しました。今回のパッケージに描かれている絵は、昔アシスタントをしてくれていたNAOによるもの。力強さと儚さというテーマにマッチした素敵な仕上がりなので、ぜひ多くの方に手に取っていただきたいです。

大人気になったシマリング リップジャム(現在は販売終了)

2016年の初めての「桜コレクション」は、桜の開花に合わせて南から発売していくという画期的な施策で大人気に。売り切れ続出で、わざわざまだ発売されていない北の地域に購入に行く人も

ー最後に、これからのTHREEをどんなブランドとして育てていきたいですか?

 時代とともに、いろんなものが出てきたり廃れたりしていくのは仕方のないことで、そこに執着するものと、流れていくもの、どちらも必要だと思っています。だからこれからは、食やヨガなど、化粧品以外で美にアプローチする製品も、時代のニーズに合わせて増えていくのかもしれません。そのためにも、これまで以上に柔軟でホリスティックなブランドであり続けることが目下の目標です。ここに来れば生きるためのヒントがもらえる、人間としての美しさを磨いていける、そんな存在になっていけたら最高ですね。(おわり)

(文 ライターSAKAI NAOMI、聞き手・企画編集 福崎明子)

美容ライター

サカイナオミ

美容室勤務、美容ジャーナリスト齋藤薫氏のアシスタントを経て、美容ライターとして独立。25ans、VOGUEGIRLなどファッション誌のビューティ記事のライティングのほか、WWD JAPAN.comにて猫と美容を絡めたコラムも執筆中。

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