
Image by: FASHIONSNAP
日々、移り変わるファッショントレンド。とりわけ、ストリートファッションと密接な関係にあるスニーカー市場においては、各ブランドが新作を次々と投入し、覇権を争っている。そんな昨今、注目を集めているのが、フットボールスパイクを取り入れたファッションスタイルだ。
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サッカースパイクは“ブーツ”とも呼ばれるが、その呼称をもとにしたハッシュタグ「#bootsonlysummer(夏限定のブーツスタイル)」が今年5月、TikTokを中心に急浮上。サッカースパイクを組み合わせたファッションスタイルが多数投稿されている。


「#bootsonlysummer」のハッシュタグは、インスタグラムでは1000件、TikTokでは5000件以上投稿されている。
近年、「ナイキ(NIKE)」や「アディダス(adidas)」といったスポーツメーカーからは、アーカイヴスパイクをベースにしたスニーカーが続々リリース。街には本物のスパイクを履く若者の姿も見られるなど、ストリートで火が付きはじめている。このムーブメントの背景を探るべく、長年、スニーカー市場を独自の目線で追い続けているアトモスのクリエイティブディレクター 小島奉文氏に話を聞いた。
起点は“ブロークコア”
フットボールスパイクのトレンドについて語る上で外せないのが、この数年、注目を集めるスタイル「ブロークコア」だ。イギリス英語で「一般男性」を意味する「ブローク(Bloke)」と「ノームコア(Normcore)」をかけ合わせて命名されたこのスタイルは、イギリスのサッカーサポーターが日常的に着用するサッカーユニフォームやスニーカーを取り入れたファッションスタイルを指す。
トレンドの高まりを受け、フットボールをルーツに持つスポーツブランドとファッションブランドのコラボレーションも次々と登場。「アンブロ(UMBRO)」は、「アリーズ(Aries)」や「キディル(KIDILL)」、「ホワイトマウンテニアリング(White Mountaineering)」と協業し、「プーマ(PUMA)」は「コペルニ(COPERNI)」や「キッドスーパー(KidSuper)」などとコラボ。日本サッカー協会(JFA)もライフスタイル向けのアパレルラインを立ち上げるなど、その勢いは広がりを見せている。
「#bootsonlysummer」へと波及した理由
ハッシュタグ誕生のきっかけは、イギリスのTikToker MP(@.madmaxx1)の投稿だ。同氏が今年4月、ナイキのフットボールスパイク「ナイキ ハイパーヴェノム フィニッシュ HG-E」を着用したスタイルをハッシュタグとともに投稿したところ、コメント欄は賛否両論で埋め尽くされ、瞬く間に拡散。イギリスの若者を中心に追随するユーザーが多く現れ、欧米を中心に世界中に広がった。このムーブメントについて、小島氏は「『暑い夏にあえてブーツを履く』だけでなく、『サッカー用スパイクを街で履く』という意外性。その“違和感”を楽しむ姿勢が、ムーブメントを生んだ」と分析する。
同ハッシュタグは、フットボールをテーマにした米カルチャーメディア「Fashion Meets Football」も“この夏取り入れたいスタイル”として紹介するなど、見逃せないトレンドとなっている。
アーカイヴスパイク由来のスニーカーが各社から登場
この流れに呼応し、各社はアーカイヴスパイクの意匠を取り入れた新作スニーカーを発表。「ナイキ(NIKE)」は昨年7月、フットボールスパイク「ティエンポ(TIEMPO)」と「エア マックス プラス(AIR MAX PLUS)」のディテールを融合した「ナイキ エア マックス プラス ティエンポ(NIKE AIR MAX PLUS TNPO)」を発売。今年3月には、2000年に発売し人気を博した「トータル 90(total 90)」を復刻し話題を呼んだ。
「プーマ(PUMA)」は、2000年代のブランドを象徴するフットボールスパイク「V1シリーズ」をもとにした「V-S1」シリーズを、「ミズノ(MIZUNO)」は、ブランドを代表するスパイク「モレリア(MORELIA)」の誕生40周年を記念した「ミズノ ウエーブ プロフェシー モレリアネオ(以下、モレリアネオ)」を発表。モレリアネオはオンラインで即完売し、注目度の高さを示した。
W杯イヤーを控え、国内にも追い風
国内では“スパイクをモチーフにしたスニーカー”は浸透しつつあるものの、“本物のスパイク”をそのまま街で履くスタイルは未だ黎明期だ。アトモスはすでに自社キャンペーンで「#bootsonlysummer」を発信しているが、日本でもトレンド化する兆しは十分あると小島氏は見る。「ブランド主導ではなく、ストリートから自然発生したワードが世界に波及している点が興味深い。かつて雑誌が担っていた“トレンドの名付け親”を、いまやSNSが代替しているとも言える」と分析している。
来年には、4年に一度のFIFAワールドカップの開催を控えるフットボール業界。同大会は、史上初となるアメリカ、カナダ、メキシコの3ヶ国共催で行われ、出場枠も史上最多の48ヶ国に拡大されることから、世界的な盛り上がりが見込まれる。
「アジアにも普段着としてユニフォームを着る文化が少しずつ定着してきています。次回のW杯をきっかけに、トレンドから定番のスタイルへと変わっていくでしょう」と小島氏。オフコートでユニフォームを着るのが一般化したように、近い将来、街でスパイクを見かけるのが当たり前になるのかもしれない。
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