製本や印刷を通じて新たなアート体験ができる場として、神楽坂にオープンした気鋭のギャラリー「写場」。YouTubeチャンネル「THE FIRST TAKE」の撮影を手掛ける写真家と同プロジェクトの監督と協業した豪華な布陣に加え、製本所が運営しクリエイターと直接やりとりして展示を作るという今までにない座組から、昨今注目を集めている施設の一つに数えられる。精悍かつストイックに整えられた空間の中で、著名な作家の展示が見られる上質なギャラリーである写場が、空間を作り上げるピースとしてプリアチェアを取り入れたわけとは?オーナーを務める望月製本所の江本昭司さんに聞いてみた。
目次
ADVERTISING
クリエイターと直接繋がる場所として機能するギャラリー
写場は、2023年7月に神楽坂にオープンした気鋭のギャラリー。製本会社の代表を務める江本さんを発起人として、YouTubeチャンネル「THE FIRST TAKE」の撮影を手掛けていることでも知られる写真家の長山一樹さんをディレクター、同プロジェクトの監督を務める清水恵介さんをクリエイティブディレクターとして迎え、製本・印刷を通じて新たなアート体験ができる場所として誕生した。
「製本の仕事を待つだけではなく、自らが企画して仕事を生み出すような事業をしていきたいと考えた時に、望月製本所が倉庫として使用していたこの場所を活用して、何か新しいことができないかと感じたのがきっかけです。色々な情報に晒される毎日の中で、何か一つのことに向き合う時間が作れる場所を提供したいと考え、印刷会社の知人に相談したところ、清水さんと長山さんを紹介してもらい、一緒にギャラリーを作っていくことになりました。二人も同じようにクリエイターの内面を表現できる場を作りたいと考えていたようで、意気投合したのが最初です」と江本さんは語る。
製本所の業務を通じて、クリエイターや作り手と直接つながることはないという。クリエイターは印刷会社に行き、印刷会社から製本所へと持ち込まれ、作品が完成する。よって製本所は、どのクリエイターの作品を制作したのか知っているが、クリエイター自身はどこで製本されているのかを知らないまま、作品が世に出されている。直接的なやり取りができないことによって、クリエイターは少ない選択肢の中からでしか表現方法を選択することができず、また製本所としても、製本の技術やスキルに注目されないことから、お互いにとって不遇の状況だったという。この状況を打破したいと江本さんは考え、写場を立ち上げた。
展示期間中には、クリエイターと共に作品集を作り、それに関わる写真や作品を展示する。展示の内容はもちろんのこと、作品集の完成度の高さも見応えの一つだ。「クリエイターの"作りたい"という気持ちには出来るだけ応えるように尽力しています。今まで作ってきた作品集についても、難しいデザインや特殊な製本の仕方を採用するなど、直接製本所が関わっているという利点を活かした、完成度の高い作品だと。紙で作られたものは作品や物質として手元に残るものであり、所有する喜びや自分の触感を使って作品を感じることの良さを再認識してもらうことも、ギャラリーを立ち上げた目的の一つです」
ギャラリーがオープンしてから今までに2回ほど展示を行なった。どちらの展示も業界内外からの反響もあり、盛況だったという。「1回目はキュレーターを務める長山さんと、2回目は雑誌や広告を中心に活躍している写真家の花盛友里さんと共に展示会を行い、有り難いことにどちらもたくさんの方にご来場いただき、好評のうちに幕を閉じました。今は3回目の展示に向けて、フォトグラファーの高木康行さんと一緒に写真集を作っている最中です。展示は写真集の中に収められたビルの作品が大きなパネルに貼られ、写真の世界観を体験できるような展示を検討しています。現状取り組みがあるのは写真家が中心ですが、出会いがあれば他の領域の方とも作品作りをしていきたいです」と江本さんは話す。
ギャラリー内は、真っ白に塗られた壁と退廃的な雰囲気の床とのコントラストが特徴的なミニマルな空間が広がる。あくまでも作品ファーストな空間であることを感じさせるストイックな仕上がりが特徴だ。ホワイトボックスの空間には、アンティークのデスクとスツール、展示を行った作家の作品など、こだわりと意図を持ってセレクトされたアイテムが並ぶ。一切の無駄がなく統率された空間は、自然と背筋が伸びるような、少しの緊張感が感じられる空間だ。美しく洗練されたものが並べられている空間で、クリエイターの本質を映し出す場所として写場は機能する。
「"色がなく、何色にも染まらない"や"デザインが施されていないデザイン"は、ギャラリーのデザインを担当していただいたsimoneの稲垣直秀さんと共有していたコンセプトです。照明もスポットライトではなく蛍光灯を採用し、陰影がなく均一的な印象を受ける、精悍な空間を目指してギャラリーを作っていきました。何もないと無機質で冷たい印象を受けるかもしれませんが、ここにクリエイターの作品が並ぶと均衡が保たれる感覚があり、ちょうど良いバランスの空間が作れたと思っています。什器についても同様に時間をかけて選定し、展示や空間に馴染むものを選びました。どんなに空間が綺麗に作れたとしても、什器ひとつで全体の印象が大きく左右されてしまうので、ギャラリーとして見せていきたい精悍な世界観や美意識まで反映してくれるアイテムをセレクトし並べています」
Image by: Kazuki Nagayama
プリアチェアの魅力について
主張が少なく、凛とした美しい佇まい
オープンに向けて什器を選ぶうえで、いくつか候補があった中から、稲垣さんと相談しプリアチェアをセレクトしたという。「プリアチェアの魅力は"ちょうど良いところ"だと思います。良い意味で簡素で主張も少ないけれど、どこか違和感を感じさせるデザインで、座り心地も良く、椅子としての役割を十分に担保してくれています。シンプルかつ簡素という視点だけで選べば、他の椅子もあったと思いますが、全体的なバランスの良さで絞り込み、最終的にこの椅子に辿りつきました。一歩引いたようなお淑やかさを感じるデザインですが、この椅子にしかない凛とした美しい佇まいがあり、ミニマルなギャラリーとの相性の良さを感じています」
ヴィンテージとも相性が良い、普遍的なデザイン
余白のあるデザインは、レイアウトする際にも役に立つ。新品だけではなく年季の入ったものとも違和感なく並べられるのも、プリアチェアの魅力だ。「オーソドックスかつ普遍的なデザインなので、ヴィンテージの什器とも並べても喧嘩をすることなく、レイアウトできます。奇を衒っていないデザインなので、飽きが来ず長く使えそうです。トークイベントの時は客席として、展示の際は荷物置きや腰掛けとして使用しています。座面がクリアなので圧迫感がなく、たくさん並べても重たい印象にならず、ギャラリーを広く見せられるのも嬉しいポイントです」
コンパクトかつスマートに収納できる機能性
このほか、機能性についても触れており、「使わない時には折り畳んで収納できるので、狭いバックヤードでも嵩張ることなく収納できます。立ち上げた状態でもスタッキングできるのも便利な仕様で、すぐ使いたい時は重ねて収納するなどの使い分けも。デザイン性はもちろん、機能面も十分に考えられているところにも惹かれます」と話す。
プリアチェアは、空間に馴染む懐の深さとバランスの良さ、それに加え機能性も優れた、まさに三拍子揃った一脚。モノクロのモダンな部屋にも、アンティークやヴィンテージが並ぶ部屋にも馴染んでくれる不朽の名作であり、一脚は持っておきたいマストハブのアイテムです。皆さんも是非迎えてみてはいかがでしょうか。
>>F/STOREではこのほかのカラーラインナップも販売中。
プリアチェアの商品一覧ページはこちら
▪️Yasuyuki TAKAKI 『GRIDSCAPE』PHOTO EXHIBITION
会期:2023年11月2日(木)〜11月25日(土)
住所:東京都新宿区築地町8 ワタナベビル1階
営業時間:13:00〜18:00
定休日:月曜・火曜・日曜
入場料:無料
公式サイト
ADVERTISING
RELATED ARTICLE
関連記事
READ ALSO
あわせて読みたい
RANKING TOP 10
アクセスランキング
sacai Men's 2025 SS & Women's 2025 Spring Collection
【2024年下半期占い】12星座別「日曜日22時占い」特別編
LAD MUSICIAN 2025 Spring Summer