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作り手の視点から紐解くデザインの裏側、「ザ・リラクス」が手掛けるトリプルコラボ【ベルテッドパンツ】

「足し引きの美学」が宿る理想のボトムス

リラクスのベルテッドパンツ

リラクスのベルテッドパンツ
リラクスのベルテッドパンツ

 「ザ・リラクス(THE RERACS)」とセレクトショップ「ワンエルディーケー(1LDK)」、「F/STORE」によるコラボシリーズの第6弾が10月24日に発売されます。コラボコレクションのリリースに際し、「ザ・リラクス」ディレクターの倉橋直行さんとデザイナーである倉橋直実さんに、それぞれのアイテムの魅力を解説してもらいました。今回は、ブランドの定番として知られるベルテッドパンツに着目し、「ザ・リラクス」が目指す理想のボトムスや使用している生地、別注のポイントまで細部にわたりお届けします。

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「ザ・リラクス」が目指す、理想のボトムス

ザ・リラクスのベルテッドパンツ

 美しいボトムスを穿くだけで、余計なデザイン性のあるトップスを着なくてもスタイリングが完成する——それほどまでに、ボトムスは重要なアイテムだと思っています。

 「プラスマイナス0」とは、私たちがよく使う言葉です。デザインを足したら、何かを引いてフラットにする。逆に何かを引いたら、その分を足す。「ザ・リラクス」の服を作るうえでは、この工程を大切にしています。例えばシルエットが強調されていてデザインが少ない服は、余計なものがないからこそ、着たときにシルエットをより強く感じることができる。逆にシルエットが主張しない服には、さりげないディテールが個性を放つ。一見すると“普通”に見える「ザ・リラクス」の服は、足し引きの工程を経ることで完成したものなのです。アイテムとしてはベーシックに見えるけど、穿いたときにはシルエットが主張する。これが「ザ・リラクス」が目指すボトムスのあり方です。

ザ・リラクスのベルテッドパンツ

 ボトムスを製作するうえで意識しているのは、股上の深さやわたり、もも周り、そして裾に向けてのライン取りなどの細部における設計。綺麗に仕上げていくとどうしても“真面目で綺麗”な印象になってしまいますが、私たちが大切にしているのはそこに必ず“不良性”を宿らせることです。ここで言う不良性とは、暴力性や反社会的な意味ではありません。ラグジュアリーなものを雑に扱うような色気だったり、逆に意味のないものをものすごく価値あるものとして使う感覚のこと。それはつまり、物事の価値観の中にある対極性が一つのアイテムの中に共存しているときに生まれる雰囲気のことを指しています。相反する要素を持ち合わせているものには、言葉を必要としない美しさがある。人間はそういうものに惹かれると考えています。

美しさが強く主張するシルエット

ザ・リラクスのルック

Image by: THE RERACS

ザ・リラクスのルック

Image by: THE RERACS

 このベルテッドパンツを設計する上で大切にしているのは、スタイリング全体の印象を引き締め、腰元に美しいメリハリを生み出す共布のベルトのディテール。今回の別注においては、インラインよりも短めの長さに再設計しています。ハイウエストでギュッと絞り、そのまま無造作に垂らした際にもトップスに干渉せず、それでいて本革バックルなどのパーツがさりげなく主張する。細部まで計算し尽くされたバランスに仕上げているのが特徴です。

 私たちが最もこだわるシルエットにおいては、深めに設計した股上とゆとりのあるもも周りによって、ジャストウエストで穿いたときにも、どこか高貴なルーズさと隙を感じさせる佇まいを目指しています。深めのタックが描く立体感と太ももの広さに対し、裾に向けてコントラストを効かせることで、自然で美しいテーパードラインを構築。ストリートが持つ現代的な抜け感と、ドレスウェアの凛とした品格という相反する要素を、この一本の中に共存させています。

ザ・リラクスのベルテッドパンツ


ザ・リラクスのベルテッドパンツ


 さらに、ベースとなったデニムパンツ由来の5ポケットという武骨でカジュアルな構造を残しながらも、上質なテキスタイルとブラックに近いネイビーでまとめることで、ドレッシーなスラックスへと昇華させているのも特徴です。シャツやジャケットを合わせた綺麗な装いはもちろん、Tシャツやスウェットなどのカジュアルなアイテムとも相性が良く、合わせるアイテムを問わず重宝するはずです。私たちが大切にしている「足し引きの美学」を通じて、一見すると端正なベーシックでありながら、穿いた瞬間にシルエットの美しさが強く主張するボトムスへと仕上げました。

カレッジフランネルという「王道中の王道」

ザ・リラクスのベルテッドパンツ

 基本的なデザインはそのままに、今回の別注に際し、生地をカレッジフランネルと呼ばれるものに変更しました。カレッジフランネルとは、制服などに用いられるウール100%のフランネル生地のことであり、特定の番手設計と加工工程を経て作り上げられたものを指します。長い歴史の中で愛されてきた、王道中の王道です。

 私たちがこの素材に惹かれる理由は、その“調理の仕方”にあります。大切なのは、素材に対して手間と時間をかけ、丁寧に調理されているかということ。どれだけ高級な原料を用いていても、適切な処理や加工がなされていなければ、様々な工程を経るにつれて熱や蒸気の影響により、本来狙っていた素材感が損なわれることがある。一方カレッジフランネルは、番手の設計や加工方法に対して丁寧に処理が行われているため、原料の質の良さに左右されず、服が完成したあとでも、生地が出来上がった当初の美しさを保つことができるのです。緻密に計算された工程を経て完成した生地は力強さがあり、服に仕立てた際にも存在感を放ちます。

 さらにこの生地は、光沢がありながらハリがあるという、本来は対極にある要素を同時に実現しています。光沢を出そうとすると一般的にはドレープ性が高まり、ハリが失われてしまう。しかしカレッジフランネルは、嫌みのないさりげない光沢とシルエットを生む確かなハリを両立している。男らしくありながら、かつエレガントである——そのちょうど良いバランスを体現した、他にはない生地だと思っています。

ザ・リラクスのベルテッドパンツ

 「ザ・リラクス」とセレクトショップ「1LDK」、「F/STORE」が手がけるコラボシリーズから登場したベルテッドパンツ。「ザ・リラクス」らしいミニマルなデザインと足元にかけて緩やかにテーパードする美しいシルエットはそのままに、別注に際し、インラインのデニム地から上品な光沢感のあるカレッジフランネルへと変更。嫌味のない艶がさりげなく品の良さを演出し、合わせるアイテムを選ばないオーセンティックな佇まいでスタイリングの主役から脇役まで担ってくれる。

最終更新日:

宮﨑涼司

Ryoji Miyazaki

FASHIONSNAP 編集記者

神奈川県出身。立教大学経済学部卒業後、アパレルメーカーに入社し、国内のファクトリーブランドのバイイングやEC運営を経験したのち、2023年にレコオーランドに入社。現在はF/STOREの販促コンテンツをメインに担当している。

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