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【連載】今決めたい、最新・最鋭アイテム -Harikae 2021SS

Harikae 2021年春夏コレクション

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【連載】今決めたい、最新・最鋭アイテム -Harikae 2021SS

Harikae 2021年春夏コレクション

 国内で活躍するブランドの最新・最鋭アイテムを紹介する連載。第10弾は橋本千子が手掛ける「ハリカエ(Harikae)」。2021年春夏コレクションは「Space Nature」をテーマに、アトリエの窓から日常的に見える風景をフューチャリスティックなグラフィックに落とし込みました。今回は、1着でさまざまな着こなしが楽しめる3アイテムを中心に、ブランドのこだわりを紐解きつつ、シーズンを先取りして"今決めたい"最新で最鋭のアイテムを、デザイナー自身のおすすめのアレンジと共に紹介します。

Harikae
「サカイ(sacai)」でパタンナーとして活躍した橋本千子が、2016年に立ち上げたウィメンズブランド。2019年春夏から建築家の張替那麻がブランドに参加し、クリエイティブユニットとして、アートやグラフィック、建築など、さまざまな要素を取り入れた“ジャンルミックス”なコレクションを提案している。スタート当時と比べて「素材やデザインなどに、より総合的に力を入れるようになった」という洋服は、高いデザイン性と袖を通すと分かる着やすさのバランスが支持されている。

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Harikae 2021年春夏コレクション

Image by: Harikae

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FASHIONSNAP(以下、F):橋本さんはデビュー当時「民芸などの生活に根付いた要素をミックスして、今の空気感を(服で)表現したい」と語っていたのが印象的でした。その思いは今も変わっていませんか?

橋本:スタート当初は、より身近な人に向けて、自分が学んできたこと、やってきたことを踏まえて服作りをしていました。でも、2019年春夏から建築家の張替那麻とユニットを組むようになって、これまでと環境が変わり、より新しいと感じるものを提案したいという想いに変化しました。

:張替那麻さんと組むことで、服はどう変化しましたか。

橋本:建築の光や空間・立体感を服に反映するなど、素材もデザインも含めて、以前より総合的に物事を考えるようになりました。私はテキスタイルと服作りをずっとやってきましたが、彼は建築だけでなくインテリアやグラフィックなども手掛けています。そういった新しい視点が入ると、今まで"当たり前"だと思ってやっていた服の考え方が、他の人からすると“当たり前”じゃないことがある。ということに気付きました。

:逆にブランド立ち上げから変わらないことは?

橋本:ひとつの形や着方に捕らわれず、アレンジ次第でさまざまなスタイリングが楽しめる服が多いのは今も同じ。きちんとデザインされていても、着にくくならないような落とし込みを心掛けています。着づらいものは結局、着なくなってしまいますから。

F:2021年春夏のテーマは「Space Nature」。特に未来的な2つのグラフィックが印象的です。

橋本:今回は、「これまで見えていたけれど、目に留まっていなかったもの」からコレクションが広がったシーズンです。外出したり、外でごはんを食べたり、日常生活が著しく制限された期間。アイコニックな2つのグラフィックは、アトリエの窓から見える自然の景色を撮影し、アレンジしたものです。1つは月面のような岩肌がイエローゴールドに輝き、もう1つは黒い空間の中にグリーンが舞っている。どちらも春の金木犀がベースになっていますが、実際には存在しない風景に仕上がっています。

F:ナチュラルかつフューチャリスティック。相反する要素が一つのモチーフに内包されている訳ですね。ハリカエは、服作りのプロセスがまるでアート作品のよう。ブランドの女性像やファンは、どんな人なのでしょうか。

橋本:少し抽象的ですが、こういう時代だからこそ“新しい自由”を柔軟に考えられる人に着てもらいたいです。お客さまの層は幅広く一概に言えませんが「リピーターが多い」と言ってくれるストアさんもいます。デザイン性が先に目に付くかもしれませんが「実はきちんと着やすいよ」ということを伝えていきたい。一人でも多くの方にハリカエの服を着てほしいですね。

#1: Green printed top (scarf、skirt)

Green printed top (scarf, skirt) ¥30,800(税込)

F:ここからは、2021年春夏から選んだ3アイテムについて。このシャツは個性的な柄ですが、色味がシックなので合わせやすそうです。

橋本:シャツは、四角いスカーフを縦に2枚つなげて、前後でボディをサンドするようなパターンになっています。両脇は開いており紐をつけることで、自由に開け閉めして着られるようになっています。

F:スカーフにもスカートにもなるとか。

橋本:広げると長方形の1枚布になるので、スカーフとしても使えます。脇についている片側2本の紐をウエストに巻き付けて、巻きスカートのようにアレンジすることも。薄手の素材なのでスカートとして合わせるときは、手持ちのパンツやスカートとレイヤードするのがおすすめです。

F:シャツなら男性でも楽しめそうです。

橋本:そうですね。男性も着れるサイズです。シャツとして着るなら、袖がバサっとしていてボリューム感があるので、下はスッキリとしたパンツを合わせるのが良いかな、と思います。

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>>Green printed top (scarf、skirt)の予約はこちらのサイトから

#2:Denim-based printed wrap skirt

Denim-based printed wrap skirt ¥68,200(税込)

F:今季デニムアイテムがいくつか登場していますが、意外にもデニムを使用するのは初だそうですね。きっかけは?

橋本:新しい素材を使ってみたいと思い採用しました。デニム自体は珍しくありませんが、私には接点のなかった素材。特に夏を感じられる爽やかなものにしたかったので、淡い色味を選びました。

F:デニムはカジュアルなイメージが強いですが、プリーツスカートとドッキングすることでエレガントに。ちょっとしたオン需要にも活用できそうです。

橋本:そうかもしれません。この黄色いプリントは、プリーツ加工を施すことで、よりキラキラと光沢のある質感に見えます。実はプリントの色味にも少しブルーが入っていて、デニムとの相性が良さそうだったことも、この2つを合わせた理由になっています。

F:このスカートも色々な着方ができそうです。

橋本:プリーツを外せばデニムスカートとして着られたり、逆にプリーツだけを手持ちのボトムスと合わせたりすることも出来ます。おおよそ160cmくらいの女性が履くことで、ルックのような丈感になるように調整しました。

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#3:Kitted jacket

Kitted jacket ¥68,200(税込)

F:このブラウスと一体型のニットジャケットは、袖と襟のアレンジが可能ですね。

橋本:通常はジャケットの中にブラウスを入れますが、ボタンの留め方次第でブラウスを表に出すこともできます。袖口は、スリットを入れてリボンを付けているので、スリットを開けたままの状態でまくってもらうと、まるでカフスのような。着こなしのアクセントとなるディテールを楽しんでもらえます。

F:ここ数年、夏でも肌寒かったり、秋でも暑かったり……。急な気温の変化に対応できる、すぐに羽織れてバッグにしまえるアウターは、何かと重宝します。

橋本:ダレ感が少ないのが特徴。光沢の多い裏面をあえて表にしているので、ニットだけど“いかにもニット”ではない質感にしました。

F:ここで紹介した3アイテムは、どれも3Way以上で着られるのがユニークです。改めて1着で様々な着こなしができることにこだわるのは、なぜですか?

橋本:始めの設定はあるにせよ、服を作って修正する過程で、こう着てもいいし、この角度から見ても可愛い、と感じることが多いです。そうなると、そもそも着方をひとつに絞る必要もないし、着る人が良いと思うのが一番。そんな想いから、結果的に2~3Wayで着られる服が増えています。

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