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有隣堂が南貴之とタッグ、書籍・飲食・アパレル・理容・雑貨が並ぶ新業態を出店する狙いとは

(左上)理容店「理容ヒビヤ」、(右上)食堂・居酒屋「一角」、(右下)コーヒースタンドに本や日用品、お土産が並ぶキオスクコーナー、(左下)ヴィンテージアイウエアショップ「コンベックス」 Photo by: FASHIONSNAP

 有隣堂が、新業態「ヒビヤ セントラル マーケット(HIBIYA CENTRAL MARKET)」を東京ミッドタウン日比谷に出店。面積780平方メートル超の店内には本を売るに留まらず、服屋や眼鏡屋、さらには居酒屋や理容店といったバラエティー豊かな店舗が並んでいる。ディレクションを手掛けたのはクリエイティブディレクターの南貴之。1909年の創業以来、有隣堂がこのような大規模な複合業態を展開するのは初めてのことだ。

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 ヒビヤ セントラル マーケットの店内は、有隣堂や「グラフペーパー(Graphpaper)」をはじめ、世界中の洋服や雑貨、ヴィンテージの家具が並ぶ「ライブラリー(Library)」、熊本のスペシャルティコーヒー「アンドコーヒーロースターズ(AND COFFEE ROASTERS)」、架空の運送会社をイメージしたモバイル型コンセプトストア「フレッシュサービス(FreshService)」、札幌のヴィンテージアイウエアショップ眼鏡店「フリークエンス(Fre'quence)」の柳原一樹の審美眼でヴィンテージフレームの商品を取り揃えた「コンベックス(CONVEX)」、ギャラリースペース「Tent gallery」、「メゾン サンカントサンク(MAISON CINQUANTE-CINQ)」などを手掛ける丸山智博氏による食堂・居酒屋「一角」、そして理容店「理容ヒビヤ」で構成されている。

 南が世界中を旅するなかで出会った人々や経験をコンテンツとして凝縮したほか、佐々木一也が主宰するスモールクローン(SMALLCLONE)が手掛けた内装にもイメージを落とし込んだ。寸法にとらわれない設計で、"街中の路地"を体現したという。

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 ターゲットは特に設定せず、老若男女が楽しめるラインナップが特徴。「日本人だけではなく海外の人にも来てもらい、カオスな雰囲気を楽しんで欲しい」という南の思いから、"日本のカルチャーの象徴"として居酒屋と理容室を導入した。

 特に理容室は「最初にやると決めていた」。監修は、理容業界のレジェンドとして知られる「フジイ(FUJII)」の店主 藤井実。待合室には「ゴルゴ13」全巻を揃えるなど、かつてあった古き良き"昭和の床屋"が体現された。

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 有隣堂と南がタッグを組むのは今回が初めて。東京ミッドタウン日比谷を運営する三井不動産が引き合わせ、協業が実現した。同社の松信健太郎専務取締役によると、店作りの過程で有隣堂サイドは口出しせず、すべてを託した。有隣堂としては当初、「書籍は置かなくてもいい」考えだったという。

 しかし南の計らいで、空間を区切る棚に同店に携わった10人が5つのテーマのもと選書した本を並べた。テーマはあえて提示せず、見る側が想像を膨らませながら本棚のラインナップを楽しめるようになっている。

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 近年は書店の閉店が相次ぎ、マーケット全体がシュリンクしている。松信専務取締役も「本だけのビジネスは厳しくなっている」と危機感を示す。「我々は小売という110年やってきた強みがあるので、その強みを活かせる"本とは違う何か"、"本にプラスできるもの"を探していたプロセスで南さんと出会った。ヒビヤ セントラル マーケットはこれまでの歴史にはない業態。経営のゴールではなく、プロセスの一つとして良いお店ができた。新しいビジネスにつながるきっかけにもなると思っている」。

 南は「世界中のさまざまな人々に来てもらって、初めて思い描いた画になる。色々なお店が並んでいるが、"とりあえずヒビセンに行くか"という感覚で来てもらえたら。僕がこの店を"楽しい"と感じたから、皆さんにも楽しんでもらえるはず」と自信を示している。

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(左から)有隣堂 松信健太郎専務取締役、南貴之

 オープン日は東京ミッドタウン日比谷の開業日と同日の3月29日。オープニング企画として、4月28日までの期間はTent galleryでジャン・プルーヴェの希少な家具を展示するイベントを開催する。

■HIBIYA CENTRAL MARKET
住所:東京都千代田区有楽町1-1-2 東京ミッドタウン日比谷3F
営業時間:店舗スペース 11:00〜21:00
     飲食スペース 11:00〜23:00(ラストオーダー 22:30)
公式サイト

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