Fashion 注目コレクション

イッセイ ミヤケ「つながり」の尊さをニットで表現する20-21年秋冬コレクション

Image by: ©ISSEY MIYAKE INC.

 空からドレスが舞い降りる、というドラマティックな演出で観客の心を惹きつけた近藤悟史による「イッセイ ミヤケ(ISSEY MIYAKE)」のデビューコレクションから約半年。近藤が手掛けた2シーズン目となる2020−21年秋冬コレクションは「繋がり」を強く感じさせるコレクションとなった。

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 「身近なものから新しいストーリーを築きたい」という思いから、前回のデビューショーでは紙で制作した帽子がファーストルックを飾ったが、今回もランウェイに設置された一枚の白い紙からスタートした。ショーの幕開けは、紙に描かれた服の絵型に沿ってハサミを入れ、人型に切り抜くパフォーマンス。切り抜かれた部分から、平面の絵がそのまま立体化したような3人のモデルが登場した。

 「FRAME A-POC」と名付けられたシリーズは、ブランドの代表的なテクニックである一体成型ニットの「A-POC」をベースに、くっきりとした線で輪郭が強調されて平面に見える視覚効果が特徴。白と黒のコントラストが、ユニークなスタイルを生み出している。

 続いて登場したカラフルなシリーズは、紙に絵の具を置いて挟むことで偶発的に生まれた模様をプリントした「SHADOWING」。花のようにも見える柄は「ごしごし」「じゅわっ」といったオノマトペをイメージしているという。インナーとアウターの重ね着に見えるが一枚で繋がっていて、歩くとふわりと広がり、様々な着方が楽しめる。

 色とりどりの粘土を捏ね合わせたような柄のニットシリーズ「KONE KONE」や、ジップの開閉で自由に組み合わせができるダウンシリーズ「TRANSFORM」、泥をこねたりまるめたりといったイメージを大胆な手描きプリントで表現した「DORO」。折り紙の折り目のような立体的なプリーツを施したスクエアドレスは、モデルの伸びやかで自由な動きに合わせて伸びたり縮んだり。2シーズン目も直感に従い五感を刺激するアプローチで、イッセイミヤケの服作りの哲学である「一枚の布」の様々な表情を引き出していく。

 ショーのハイライトとしてラストに登場したのは、袖と袖、ストールとヘアターバン、胴と胴といった、隣り合う人と服の一部がひと続きになっている「HAND IN HAND」。「服が繋がる」というコンセプトは1999年春夏コレクション「A-POC LE FEU」を思い起こさせるが、今回は様々なデザインとカラーを用いている。多様なモデルの起用も印象的だ。

 フィナーレではモデル同士が手を繋ぎ、最終的には1つの巨大なピースを作り上げた。近藤は「人と人、人と世界、人と未来の繋がり」を表現したという。

Making Speaking, Speaking Making

ー話すことをつくる、つくることを話すー
「とりどり」の土を「こねこね」と混ぜ合わせる。
「ごしごし」紙にこすり付ける。
線を引いて「くっきり」させたり、「すぱっ」と切ったり。

子供の頃、手を動かしてものを作った時に感じた、あの心地良さと楽しさ。
素材の手触り、色彩の鮮やかさ 、動作が生み出すリズム......。
五感を通じて身体の中に響き渡っていくようなその感覚は 、誰もが身に覚えがあるだろう。
そうした感覚を表現する言葉もまた、口に出せば何だか心地よい。
「意味」以前の、身体で感じる言葉。
そんな身体感覚を通じて、私たちは言語や文化を超えて、繋がることができると思う。 ーーイッセイ ミヤケ ショーノートより

 時代や社会の変化と共に、人と人との繋がりが希薄化している現代。また新型コロナウイルスの影響が日に日に広がり、日常的な挨拶を含む身体的な接触や、人の集まる場が減り行く状況で、「繋がり」の意味が尊いものに感じられた。

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