西田 里季氏
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ファッションブランドを中心に、PRをメインとしたマーケティング、コンサルティングを請け負う「ジョワイユ(JOYEUX)」。ショールームビジネスに留まらず、PR視点でのブランディング向上を目指し、多角的なアプローチでブランドをサポートしている。
2019年に創業した同社は、2022年秋冬シーズンから大手スポーツメーカー「ミズノ(MIZUNO)」と、2023年春夏シーズンから「ターク(TAAKK)」と国内契約を締結。クライアントはアパレルブランドからコスメ、食品ブランドまで25以上にのぼる。PR業務を外部委託するのは珍しいというミズノや、3年ぶりに日本のPRを復活させたタークは、なぜジュワイユを選んだのか。ジョワイユ代表の西田里季氏が考えるブランディングのあり方を聞く。
ジョワイユの取り扱いブランド
「アメーノ(ameno)」
「アーネイ(ANEI)」
「クラウドロビー(CLOUD LOBBY)」
「コンフィアンス(CONFIANCE)」
「ゴートゥバイミズノ(52 go to by mizuno)」
「オーハル(Ohal)」
「ソル(SOL)」
「ステルスステラ(STEALTH STELL' A)」
「ターク(TAAKK)」
「タイオン(TAION)」
「タイオンエクストラ(TAION EXTRA)」
「ヨソオウ(YOSOOU)」
「オルタム(ALTERUM)」
「ミズノ スポーツスタイル(Mizuno Sports Style)」
「アルカナム(ARKANUM)」
「オイル(Oyire_)」
「デミウ(DEMIU)」
「ル クヴォン メゾン ド パルファム(LE COUVENT MAISON DE PARFUM)」
「メゾン バース(MAISON Birth)」
「ユニクタス(UNIQTOUS)」
「ビブソックス(VIBSOX)」
「インイヤー(Yin Year)」
「ミズノゴルフ(Mizuno Golf)」
「ミズノゴルフエムジーエム(MIZUNO GoIf MGF)」
「三共食品」
「フードベース(FOODBASE)」
トータルサポートでブランドを成長させる
ADVERTISING
ジュワイユのメンバーは、西田氏を含め社員2人と業務委託2人の計4人。PRや営業、企画、生産管理など様々な経験を積んだ西田氏をはじめ、メンバーそれぞれが幅広い経験を持つ。ジュワイユではPR業務以外にも、セールスからクリエイティブの制作、コラボ企画の立案から実施までを請け負う。その背景には、旧来のPR施策だけでは、現在のブランドビジネスは成功しないという考えがあるからだ。ブランドからの「何か良いアイデアはないか」といった漠然な相談に乗ることも多く、そこで提案したアイデアが結実し、商品化につながることもあるという。
ブランディングとは価値の明示
ジョワイユの契約プランは松竹梅の3つ。ショールームでのリースをはじめPRやセールス、ルック撮影、コラボ案件の企画、ブランドプロデュース、SNS運用などブランドの困りごとを一手に引き受ける「コンサルティングプラン」(30万円〜/月)と、セールス業務は請け負わず、ショールームでのリース対応に加えてブランドプロデュースに重点を置いた「ブランディングプラン」(15万円〜/月)、リース業務を中心とした「PRプラン」(10万/月)だ。ただ実際のところ契約に至っているのは松竹の2プランのみ。SNSが台頭して、メディア露出だけでは難しくなった昨今のブランドビジネスにおいて、ブランド側も旧来のプレス業務だけではない、より密な関係を構築できるパートナーを求めているのだろう。
「ブランディングショールーム」と標榜する同社が考えるブランディングとは、個性や強みをいかに伝え、エンドユーザーに感じ取ってもらうことができるか、だという。「物を選ぶのには全て理由があって、快適になったり、愉快になったり、楽しくなったりと感情を動かされないと購入には至らない」と西田氏。例えば、「美しい服を作るブランド」が評価されている理由はその「清潔感」によって「周囲から好印象を受ける」という変化である。低価格帯のダウンブランドは、暖かさや価格だけでなく、日常に取り入れやすいデザインや軽さによる利便性を打ち出すことで、「冬服の重さに対する苦痛」というユーザーの不満を解消し「外出の機会の増加」という前向きな変化を生み出している。こうして着用者の生活に変化をもたらすことこそがブランドの強みで、その変化が大きいほど支持される、というのが同氏の考えだ。「売れているブランドはエンドユーザーへ提示する付加価値が明確で、売れている理由をしっかり言語化できる」とし、クライアントに提案する際も、イメージの言語化を意識してプレゼンテーションしているという。
ブランドの価値を“真の意味で”上げる
ジョワイユが積極的に提案しているコラボも、「価値」がなければ意味がない。サプライズや意外性はもちろん、言うならばリセールでも高く評価されるようなコラボを目指しているという。ブランドのネームバリューに頼るだけのコラボではなく、既存のファンも喜ぶ内容になることを重要視する。「再販しない、セールしない、先行販売しない、予約販売しない」が、同社が掲げるブランド運営の原則。できる限りミステリアスな部分を多く作り、契約ブランドのアイテムが消耗品になってしまわないよう、真の意味でブランドの価値を上げていくためにブランドと二人三脚で考えていく。
また、決してブランドのクリエイションには口を出さないという。縁の下の力持ちとしてブランドの魅力をいかに引き出すか、それだけに注力する理由は、ブランドの価値は売り手が押し付けるものではなく、エンドユーザー自身が発見するものという考えからだ。そのため、ポップアップやSNSなど様々なチャネルでブランドの顧客の意見を聞くことを大切にしているという。
自社のセールスポイントについては「PRという言葉の意味を誤解している人も多いが、PR(パブリックリレーションズ)とは、社会とブランドとの良好な関係を築く、ということ。その中でも僕たちは、より社会的信用を得ることを重要視しています。雑誌やテレビで取り上げられることに加えて、有名セレクトショップでの取り扱いがあることも社会的信頼が上がる要因の一つですし、百貨店で接客され提案を受けること、展示会のインフルエンサーの集客をはじめとするSNSの拡散もそうです。信用の得方にも大小があり、それぞれを個別で実施しても全く意味がありません。複数の階層からの発信をトップダウンで伝えていくことをとても意識します」と話す。「伝え方の道筋が見えていて、一般の消費者がどういう価値を評価して購入するか、という真の意味でのブランドの強みを見出すことに特化していて、それを一緒に作っていく作業に関して、我々はプロフェッショナルです」とし、BtoBだけではなく、BtoCの取り組みをジョワイユの独自性と強調する。その独自性からか、現在も様々なブランドとの契約が進んでおり、今後は、人員の増加と新たなショールームの開設を目標に、さらなるサービスの充実を目指していくとしている。
◾️ジョワイユ:公式サイト
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