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Fashion インタビュー・対談

ラグジュアリーからファストファッションまで、キム・ジョーンズに聞く"コラボ成功の方程式"

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 ファッション界に驚きを与えた異色のコラボ「KIM JONES GU PRODUCTION」。キム・ジョーンズのアーカイブデザインとGUならではの低価格帯、トップブランドを集積する「ドーバー ストリート マーケット ギンザ」で特別に販売されるなど、注目を集めている。これまで多くのバズを生み出してきたコラボの名手 キム・ジョーンズ(Kim Jones)が、今回の協業について、またラグジュアリーからファストファッションまで網羅するデザイナーであること、そして"最も成功した"と自負するコラボについて振り返った。

 

デザイナーとしての引き出しを多く持つこと

ーコラボレーションの発表はサプライズでした。なぜGUをパートナーに選んだのですか?

 オファーはGUから。ちょうど「キム・ジョーンズ」のレーベルが終了して10年の節目ということで「過去のアーカイブを復刻しよう」と、トントン拍子で話が決まっていったんだ。サプライズを仕掛けるのが大好きだから、まだどのデザイナーとも組んでいないGUと仕事すると知ったらみんな面白がるだろうと思ったんだよね。

 過去に発表した作品にもう一度焦点を当てるとともに、「高い服が買えない若い子達にも手に届く服を作る」という、ずっとやってみたかったことに挑戦するいい機会でもあったしね。価格とクオリティーのバランスの取れたコレクションに仕上がったと思うよ。

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ールイ・ヴィトンのようなラグジュリーからGUのようなファストファッションまで振り幅が広いですね。

 今の時代、デザイナーは広い視点で仕事をすることを求められている。デザイナーとしての引き出しを多く持つことは大事だと思うよ。一緒に仕事をするブランドによって求められることも違ってくるから、そこに柔軟に対応する能力も必要だね。

 そして僕自身、例えば「ナイキ」ではテクニカルスポーツウエア、「ルイ・ヴィトン」ではラグジュアリー、「GU」ではアクセシブルというように色々な分野のファッションに挑戦することを楽しんでいるんだ。


ーアイテムの至るところに登場するキャラクターの正体が気になります。

 彼はミスター・ガーキン(Mr. Gherkin)だよ。2003年頃に、僕が好きだったレコードレーベルから「一緒にキャラクターを考えて欲しい」と言われて、楽しくてちょっとヘンテコなきゅうりのキャラクターを作ったんだ。今回のテーマにもぴったりだと思って。

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ー他にも色々なアニマルがプリントモチーフになっていますね。

 僕が保全活動にも参加している絶滅危惧種のサルや、自分の飼っている犬、子猫と全てお気に入りの動物たちだよ。それぞれが僕にとってとても身近な存在なんだ。

ー今回GUの商品が初めてドーバー ストリート マーケットに並びますが、これはなぜ実現したのでしょう?

 エイドリアン(ドーバー ストリート マーケット社長のエイドリアン・ジョフィ)は昔から僕をサポートしてくれていて、今回のアイテムを並べるのにぴったりな場所だと思って実現した。価格が注目されがちだけど、このストアにふさわしいコレクションに仕上げたつもりだよ。

ードーバー1階のスペシャルストアの設営はセットデザイナーのゲイリー・カード(Gary Card)が手掛けていますね。

 彼とは10年くらいの付き合いなんだ。信頼しているから、素材を渡して任せっきりにしたんだけど、彼らしいカラフルでポップな空間に仕上げてくれて嬉しいよ。

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今回のポップアップショプのセットを手掛けたゲイリー・カードと

関連>>アーティスト ゲイリー・カードの素顔を知る21の質問

一番成功したコラボ「ルイ・ヴィトン×シュプリーム」

ーこれまで多くのコラボレーションを手掛けてきました。"成功するコラボレーション"とはどういうものなのでしょう。方程式はありますか?

 それぞれの本質をブレることなく理解して、双方を組み合わせた時に道理にかなっていることかな。それが不十分だったり、噛み合ってないとクールじゃ無くなってしまう。あとは出す場所とタイミングを見極めることが大事だね。

ーこれまで手掛けたコラボレーションで自身で一番成功したと思うものは?

 「ルイ・ヴィトン」と「シュプリーム」のコラボレーションだね。みんなに驚きを与えたという点で、業界の仕組みを変えることできたと自負している。好きという人もいれば嫌いという人もいて、ライブ感を肌で感じられたし、まさにその場で広がっていった。そういう感覚は稀で特別なものだったよ。シュプリームの創業者、ジェームスとはずっと友人で実現できたことを誇りに思う。

 ヒロシ(フラグメントを手掛ける藤原ヒロシ)とのコラボレーションも印象に残っているよ。店の前に行列ができると「響くものを作れたな」と良い気分になるね。

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ー「シュプリーム」や「フラグメント」とのコラボが、なぜそこまで熱狂したのだと思いますか?


 最近のカスタマーはとても賢いと思う。事前にリサーチを重ねて良いと思うもの、価値があるものを欲しがる。驚くことに今でも毎日、インスタグラムの受信ボックスに「シュプリームコラボはどこで買えるの?」といったメッセージが届くんだ。もう売れちゃっていて無いし、第一僕はもうルイ・ヴィトンで働いていないからどうしようもないんだけどね(笑)。でも人が欲しがるモノを作れたということは、デザイナーにとって喜ばしいことだと思う。

メゾンを離れて

ールイ・ヴィトンを離れて少し経ちますが、今はどんな生活を送ってますか?

 ソファでずっとくつろげたらいいんだけど、そうもいかないのが人生だよね(笑)。今回のコラボや、ナイキとのプロジェクトもあったりして相変わらず忙しくしているよ。でも少しは時間ができたから、ロンドンで友達に会ったりしてる。

ー一番落ち着くのはどんな時ですか?

 飼っている犬たちとベッドでテレビを見ている時かな。自分の家の寝室が大好きなんだ。

ー日本には何度も来日してますが、今回の滞在で印象に残っていることは?

 初めて富士急ハイランドに行ったんだんだけど、恐ろしい経験だったよ。友達にせがまれてほとんどの絶叫系のアトラクションに乗った。スピード感のあるジェットコースターは好きなんだけど、地上から直角に急降下するのはさすがに堪えたね。死ぬかと思ったよ(笑)。高所恐怖症なのに200メートルの高さからぶら下がって目も開けれなかった。すぐビジネスパートナーから「何かあっても保険ではカバーされないよ!」っていうメッセージがきたよ(笑)

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ーこれからの活動について。

 
多くは言えない。ただ、今は一度メゾンを離れて次のチャプターに向かっている移行期間ということだね。

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(聞き手:今井 祐衣)

■KIM JONES GU PRODUCTION 特設サイト

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