「コトハヨコザワ」2019-20年秋冬コレクション
Image by: FASHIONSNAP.COM

Fashion 注目コレクション

今の時代の"アグリーセーター"は?高い編集能力を発揮した「コトハヨコザワ」19年秋冬

 「自分が半袖のTシャツにミニスカートみたいな格好が好き。そういうテンションで着られる服を秋冬でも作りたいと思った」ーー デザイナー 横澤琴葉が手掛ける「コトハヨコザワ(kotohayokozawa)」が3月19日に発表した新作は、秋冬コレクションでありながら、どこか春夏のような陽気なムードが漂っている。日用品からイメージや記憶、感情まで、日常の中で見過ごしてしまうような些細なモノゴトに面白さを見出し、コレクションを生み出すデザイナーの高い編集能力は今シーズンも顕在だ。

 昨年10月に東京ファッションウィークで初のショーを開催した横澤。「前回この会場に立った日から今日までの半年間で自分が感じてきたことを、できるだけ素直に表現しようと努めた」と話す横澤が最近よく考えていることとして明かしたのが、後から振り返った時に実感する楽しさについてだった。「『ああ、コレ楽しかったな』と思うようなことでも、その最中にいた時は必ずしもそう感じていたわけではないなと。例えば一晩中クラブで遊んでいたとして、3時くらいに帰りたいなと思うかもしれない。でも始発で電車に乗って帰っている時に『あーなんか悪くないなぁ』って思えたり。そういう日常の中の楽しさに気がつくのは、いつも終わってからだったりする」。

 そうした思いはショー演出で具現化された。渋谷ヒカリエで行われたショーの会場は銀テープが床に散乱し、楽しいパーティーから一夜明けた後のような雰囲気。ローラ・マヴーラの「Like The Morning Dew」をBGMに後方から登場したモデルたちは腕を組み、仲良さそうにランウェイの入り口へと逆行していく。一晩中遊んだ次の日の朝に、楽しい思い出を巻き戻し再生するかのような演出でショーは始まった。

 「個人的に秋冬の服をたくさん着込んだりするのが苦手。肌を見せたり、春夏のような着こなしが好き」だと話す横澤に今シーズン影響を与えたのは、常夏の国・タイへの年末旅行。年末でも暖かいタイで、春夏のようなテンションで着られる秋冬着のアイデアが生まれた。

 ランウェイに登場したのは、夏っぽい柄のセーターや、生足がペイントされたトロンプルイユのデニム、サンダルと合わせたニットソックスなど陽気なムードを感じさせる秋冬アイテム。より直接的なレファレンスとしてタイ語がプリントされたプリーツやパーカも登場した。コンピュータのクリックやマウスのアイコンを巨大化したピアスやブローチ、ブラジャー型バッグといった小物にも随所にユーモアを散りばめた。

 ファーストルックを飾ったニットは、鏡の前でボディラインを強調するポーズでセルフィーを撮っている女の子が編み込まれた"未来のアグリーセーター(ダサセーター)"だという。「アグリーセーターは、ゴルフやビリヤードなどそれぞれの時代に流行したものをモチーフにしているデザインが多い。今作るとして、何年か経ってから『ダサ!』って言われるものってなんだろう?と考えた」といい、SNSのフィードに溢れるセルフィー写真をリサーチし、ユーモラスなニットウェアに落とし込んだ。

 前シーズン発表したアップサイクルライン「サムバディコトハヨコザワ(somebody kotohayokozawa)」の新作も登場。ランウェイに登場したプリーツアウターは、製作過程で生まれた仮縫いがワンピースとして生まれ変わった。前シーズンのショーで背景の可動式パネルに使われた写真はトートバッグのプリントとして再利用された。

■コトハヨコザワ:2019年秋冬コレクション 全ルック/バックステージ/オフショット
■ファッションウィークの最新情報:特設サイト

最新の関連記事

Realtime

現在の人気記事

    次の記事を探す

    Ranking Top 10

    アクセスランキング