
Image by: FASHIONSNAP

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「眼鏡市場」を展開するメガネトップが、スマートグラスおよびオーディオグラス市場への参入を発表した。2月6日から、動画や写真、音楽を楽しめる次世代アイウェア「リンゼ(Linse)」(5万5000円)と、スピーカーマイク内蔵オーディオグラス「リンゼライト(Linse Lite)」(1万9800円)を、北海道から鹿児島まで国内の眼鏡市場130店舗で取り扱う。
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国内に1000店舗以上を構え、アイウェア業界国内売上高1位を誇る同社の参入は、日本のスマートグラス市場拡大をけん引し得るのか。開発背景や課題について、同社の商品開発部 吉田和弘部長、商品開発グループの早田直純グループ長が開発背景について説明した。
目次
日本でスマートグラスが普及していない理由
海外の大手メーカーが相次いで発表し、名前自体はよく聞くものの、なかなか実際に触れる機会のない「スマートグラス」。
💡スマートグラスとは
マイクやカメラを内蔵し、スマートフォンと連携することで写真や動画の撮影が可能、次世代のウェアラブルデバイスとして世界的な注目を集めている。S&S Insiderの調査によると、AI(人工知能)スマートグラス市場は拡大していくと予測され、2024年に約13億ドルだった市場は、2032年に2倍以上の約30億1000万ドルに達すると見込むとされている。
※参考:S&S Insider AI Smart Glasses Market
世界的には市場拡大が予想されている一方で、海外製のスマートグラスは日本の「電波法」基準を満たしていないものが多い。撮影の容易さにより盗撮のハードルが下がることで、盗撮被害増加を懸念する声も上がっている。バッテリー搭載による重量増加で「長時間装着すると疲れやすい」といった意見もあり、国内では販売・使用のハードルが高く、実用化への課題は多いとされてきた。
眼鏡市場のスマートグラス「リンゼ」とは?
先進的なガジェットというイメージが強かった「スマートグラス」だが、スマートグラスは「特別なもの」から業務や趣味を助けるための「日常の選択肢」への転換期にあると吉田部長は話す。同社による新商品は、そうした「ガジェット」としてではなく、1日中かけていても痛みの出にくいかけ心地の「メガネ」として開発された。
「リンゼ」の特徴&商品スペック
商品名の由来は、Luminous(明瞭で)、Interactive(双方向な)、Next-Gen(次世代の)、Smart(スマート)、Eyewear(アイウェア)の頭文字から。

リンゼ
<特徴>
- カメラ:目線の高さにある1200万画素のカメラによって、普段見ている景色を記録。右側のツルの上部にあるシャッターボタンで手軽に写真撮影を行うことができる。
- 音楽:耳を塞がない内蔵スピーカーで(ツルの下部、耳元の位置に配置)、周囲の音も聞き取りながら、音楽や通話、音声ガイドなどを快適に聴くことができる。音量調整や再生・停止もスマートグラス本体の操作で手軽に行える。
- 電話:複数のマイクを搭載し、周囲の音の状況を正確に把握。周囲の騒音が気になる環境でも、ノイズキャンセリング機能を活用して快適な通話が可能。




ブリッジ下部の電極がケース内の電極に触れることで充電する
<スペック>
- 連続再生時間:約4時間
- 充電時間:約1時間
- 充電方法:バッテリー内蔵専用ケースに収納することで充電可能。専用ケースの充電はtype-C
- 撮影可能内容:写真(JPEG、3000*4000px)、動画(MP4、1920*1440px、30FPS)
- 連続映像撮影可能時間:約1分間
- 本体重量:45g(リンゼ ケース重量は約130g)
- オンライン販売:なし
- レンズ変更:プラス料金で店頭で変更可能

リンゼライト※オーディオグラス「リンゼライト」は、リンゼからカメラ、ノイズキャンセリング、録音機能を除いたもの。連続再生時間は約5時間30分で、本体重量は40g。
リスク対策について
◾️電波法
リンゼは、認定の検査機関の検査を通過し、総務省の承認を得ることで電波法による制限をクリア。「国内流通品で比較すると海外製の他社製品と機能の差や劣る部分はないと考える」と早田グループ長は説明する。現在の使用範囲は日本国内に限られ、海外での使用はできないが、今後は海外でも使用できるスペックの開発を検討しているという。
◾️プライバシー
本体左側にカメラが、右側に撮影中であることを知らせるLEDライトを内蔵。撮影時にはLEDが点灯し、写真撮影時にはシャッター音でも撮影を知らせる。このほか、LEDが遮蔽されると撮影ができないことで「気づかれずに撮れない」設計になっている。
撮影時のLEDライト点滅の様子
2026年は日本の「スマートグラス元年」になるか
眼鏡市場は、メガネをはじめ、コンタクトレンズや補聴器、その他関連商品の販売を日本全国および台湾で行っている。福井県鯖江市にフレームの直営工場を構えるほか、国内外にさまざまな協力企業を持ち、2011年度に業界国内売上高1位に躍り出て以降トップを維持。2024年度には国内売上高1000億円を達成するなど、国内のアイウェア市場に大きな影響力を持つ。
リンゼおよびリンゼライトの初回生産本数は6000本で、同社のプライベートブランドとしては小規模な展開にとどまる。とはいえ、今後5年、10年で拡大が見込まれる国内スマートグラス市場において、安全性と利便性を強みとするブランドポジションの確立を目指し、中長期的な視点で成長を図る。
ハンズフリーでの撮影や通話が可能なスマートグラスは、両手を使った作業を記録するための趣味の動画撮影や、作業方法を伝達するための社内マニュアル動画作成など、日常の利便性を高める用途でニーズがあると同社は考える。「スマートフォンによる写真や動画撮影は、若年層からシニアまで、幅広い世代の方が日常的に活用している。スマートグラスも、さまざまな利用シーンで幅広い世代の方に使っていただけると考えている」と早田グループ長は説明する。既存顧客のニーズにも合致した利便性の高い製品であるという前提のもと、先進的な商品を求める新規層の獲得に寄与することも期待する。
使用イメージ



国内アイウェア企業の参入がなかなか実現していない中、メガネトップがリンゼを開発できた理由として、吉田部長は海外の協力企業との20年以上にわたる良好な関係性があると語る。リンゼは、中国の関係企業のシステムを活用し、フレームは眼鏡市場の鯖江の自社工場で開発した。開発期間は4年間で、「長期にわたる関連企業同士のタッグによって、なんとか実現することができた」と同氏は振り返る。
国内1位のメガネトップのスマートグラス市場参入は、国内のスマートグラス市場を大きく変化させるだろう。吉田部長は「メガネが日常における視力矯正のために必要なものであるように、スマートグラスも日常を助ける選択肢の一つになるのではないかと考える。ファッショナブルなものとしてだけでなく、機能的な、生活を助けるためのものとして、利便性や安全性を高めた新製品の開発を今後も加速させていきたい」とコメント。1000店舗を構える同社にとって130店舗は一部ではあるが、テストマーケティングには十分な数。店舗数の有利を活用し、今後も店頭で顧客ニーズを吸い上げ、スマートグラス開発にも活かしていく予定だ。眼鏡市場は、2026年を「日本のスマートグラス元年」にさせるゲームチェンジャーになりうるのか。動向に注目したい。
最終更新日:
◾️リンゼ:公式サイト
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