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長引く酷暑、“重ね着命”のロリータはこの夏をどう乗り越えている?

りぼん型のファン付きウェアを着た女性

ロリータの要素をかけ合わせたファン付きウェア

Image by: aonoshikai

りぼん型のファン付きウェアを着た女性

ロリータの要素をかけ合わせたファン付きウェア

Image by: aonoshikai

長引く酷暑、“重ね着命”のロリータはこの夏をどう乗り越えている?

りぼん型のファン付きウェアを着た女性

ロリータの要素をかけ合わせたファン付きウェア

Image by: aonoshikai

 記録的な猛暑が常態化した日本の夏。日本人の我々にとって、ハンディファンや日傘、ネッククーラーといった暑さ対策がもはや当たり前となりつつあります。そんな中、街中でロリータを見かけ、一つの疑問が浮かびました。布面積の多いブラウスに、何枚にも重ねたパニエ。“重ね着が命”とも言えるロリータスタイルを楽しむ彼女たちは、いかにしてこの酷暑を乗り越えているのでしょうか。そこで、ロリータファッションを発信するYouTuber「Wonder Tea Party」の愛さん、ぽちさん、みなみさん、はむかさんの4人に取材を敢行。日本の夏におけるロリータのリアルに迫ります。

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Wonder Tea Party

原宿KAWAIIファッションをこよなく愛するYouTuber。メンバーは愛、ぽち、みなみ、はむかの4人。「かわいいって本当に楽しい!」をテーマに、YouTubeコンテンツを発信している。

まずは知りたい、ロリータの基本スタイル

ロリータファッションを着た女性

基本的なロリータスタイルがこちら。モデルはWonder Tea Partyのみなみさん。

Image by: FASHIONSNAP

 暑さ対策について触れる前に、まず知りたいのが、ロリータの基本スタイル。Wonder Tea Partyの4人によると、ロリータスタイルは、ブラウスとジャンパースカートを重ねるのが一般的。「ロリータブランドが展開するジャンパースカートは、背中が大きく開いている設計のものが多く、インナーとしてブラウスを着る仕様になっています」(みなみさん)。

 また、ロリータの象徴とも言えるふんわりとしたスカートを作るには、スカートの中にパニエを重ねるのが必須。バレリーナが穿くチュチュのようなチュールやオーガンジーを何層にも重ね、ボリュームを出しますが、このパニエが、ロリータの夏を過酷なものにしているのだそう。「パニエは、スカートを立ち上がらせることが目的のアイテムなので、通気性のある素材では作られていないんです。風通しが悪いのでスカートの中に熱がこもりやすく、パニエを重ねた日は、汗がものすごいことになります」(ぽちさん)。

ロリータスタイルのスカート

パニエを重ねたスカート

Image by: FASHIONSNAP

 パニエによってスカートが大きく広がることから、ロリータスタイルでは、さらに「ドロワーズ」と呼ばれるインナーの着用がマスト。下半身はドロワーズ、パニエ、スカートの3層が基本の重ね着スタイルで、パニエを増やしたり、タイツを履くことでさらに層が増えるのが特徴です。それに加えて、靴下やタイツ、シューズ、ロリータ界隈では「頭物(あたまもの)」と呼称されるヘッドドレスやカチューシャなどのアクセサリーをつけることで、ロリータの装いが出来上がります。

自作のギアアイテムも、4人が実践するリアルな暑さ対策

 ロリータの基本形を押さえたところで、ここからは本題の「基本形をいかに保ちつつ、暑さ対策をしているのか」を深掘り。取材を通して、4人それぞれが実践している方法に加えて、全員に共通する対策も見えてきました。まず、全員が共通で実践していたのが、ワイヤーパニエを取り入れること。暑さの元凶となるパニエの重ね穿きと同様の膨らみを作れる上、スカートの内側に風の通り道となる空間ができることから、夏のロリータにとってのマストギアなのだそう。実際にワイヤーパニエと通常のパニエ、それぞれを穿いた時のスカートの膨らみを見比べてみても、大きな違いは見られません。

ロリータのスカート

ワイヤーパニエのみで膨らませたスカート

Image by: FASHIONSNAP

ロリータのスカート

通常のパニエ(ハードチュール1枚、オーガンジーが2枚重なったタイプ)で膨らませたスカート

Image by: FASHIONSNAP

 ワイヤーパニエは、多くのロリータが取り入れているアイテムですが、ここからは、Wonder Tea Partyの4人それぞれが実践する独自の対策にフォーカス。同じロリータでも、それぞれの独自のこだわりが光ります。

◆みなみさんの場合:水着素材のドロワーズをインナーに

ロリータファッションの女性
ヘッドドレスをつけた女性
ヘッドドレス
ヘッドドレスに入った保冷剤
黒いドロワーズ

みなみさんの夏スタイル。一枚で着られるワンピースに加えて、キーとなるのがヘッドドレスです。

Image by: FASHIONSNAP

 まず、みなみさんが実践するのが、保冷剤を内蔵したヘッドドレスの着用。自作のヘッドドレス内部に備えた収納袋に保冷剤を入れて頭を冷やすことで、体感温度を下げるテクニックなのだそう。「そのほかには、極力重ね着をしないように、1枚で着られるワンピースを選ぶことが多いです。また最近、インナーのドロワーズを水着素材のものに変えたら、汗蒸れがかなり軽減されることに気づきました。真夏のスカートの中は、これが正解です」(みなみさん)。

◆愛さんの場合:厚底サンダルで足元を快適に

ロリータファッションの女性
サンダルを履いた足元

愛さんの夏スタイル。「ワイヤーパニエで通気を確保して、髪はツインテールで首を出すようにしています。暑さが本当に厳しい日は、できるだけ一枚で着られるワンピースに切り替えるなど、シーンに合わせて判断しています」(愛さん)。

Image by: FASHIONSNAP

 愛さんは、厚底サンダルを履くことで、地面との距離を物理的に離し、足元の快適性を向上。靴下も、タイツやオーバーニーソックスなどは避け、面積の少ないクルー丈を履くようにしているのだそう。

◆ぽちさんの場合:装飾の多いゴスロリをカジュアルダウン

ロリータファッションの女性
シースルー素材のニーソックスを履いた足元
ベルトファン
ベルトファン

ぽちさんの夏スタイル。上下セパレートのアイテムを選び、布面積を少なくするのがポイントなのだそう。

Image by: FASHIONSNAP

 ゴスロリスタイルのぽちさんは、熱を吸収しやすい黒を好んで着ることから「夏こそ、いかに工夫するのかが試される」と言います。「最近は、ゴシック系のブランドも半袖のトップスを多く展開してくれるようになったので、半袖を着たり、スカートの丈を短くしたりと、カジュアルダウンを意識しています。足元も、タイツではなくシースルーの薄手ソックスを履いたりと、全体の布量をコントロールして対策しています」(ぽちさん)。また、小型のファンとベルトを組み合わせた自作の「ベルトファン」も活用。ワイヤーパニエに取り付けることで、さらに通気性を高めているのだそうです。

◆はむかさんの場合:即効性のある“ひんやり小物”に頼る

ロリータファッションの女性
ロリータファッションの女性
ピンクのネッククーラー
ピンクのネッククーラー
スプレータイプのクールドライシャンプー

はむかさんの夏スタイル。一見、布が多く見えますが、首元にはネッククーラーが。

Image by: FASHIONSNAP

 はむかさんの夏に欠かせないのが、ネッククーラー。約3時間はひんやり感が持続し、外出先でも、氷と水が調達できれば、中身を入れ替えてさらに効果を持続させることができる優れモノ。Wonder Tea Partyの皆さんは、はむかさんをきっかけに全員がメンバーカラーでお揃い買いしたのだそう。

暑さとともに変わりゆくロリータの形 ファン付きウェアも登場

 Wonder Tea Partyによると、この数年の酷暑に伴い、ロリータブランドのアプローチも多様化しつつあるようです。「ロリータにおいて、第一に大切なのはデザイン性で、それは揺らぎません。ただ、かつては“素肌を出さない”ことが暗黙のルールだったのに対して、最近は大手ブランドからもオフショルダーなどの肩見せのデザインが出るようになりました。数年前までは考えられなかったことです」と愛さん。素材面でも、徐々に変化が起きているらしく、個人ブランドを中心に遮熱生地のパニエなどの導入が加速。「これまで、ロリータ服といえばコットンが中心でしたが、この数年でポリエステルなどの化繊を取り入れるブランドが増えてきていて、選択肢が広がりつつあります」(愛さん)。

 そのほか、アームカバーや日傘といった“暑さ対策の定番”とも言えるアイテムも、ロリータ仕様にアップデート。中でも日傘は、以前までロリータにとって“コーディネート用のアイテム”という側面が強かったのに対し、実用性を重視し、高い遮光率を備えたロリータ向けの日傘を出すブランドが増えているのだそう。「ロリータ御用達の傘ブランド『アプレビュート(Apleberute)』を筆頭に、遮光率99.9%の生地を使った傘が展開されるようになりました。ロリータが好きな“パゴタ”型かつ、装飾と機能性が合わさったハイブリッドな傘が増えた印象です」(はむかさん)。

日傘を刺したロリータ

みなみさんのインスタグラム(@tnkk_m)より引用

 機能性が求められ、スタイルが多様化しつつある中、ロリータ界隈で密かに話題なのが、ロリータブランド「aonoshikai」が展開する、ロマンチックな要素を掛け合わせたファン付きウェア「しゃぼんウェア」。りぼんを模したトップスで、両側面に小型ファン用の穴を設け、結び目部分にファンのバッテリーを収納する仕様となっており、ファンで風を送り込むことで、りぼん型に膨らむ、まさにファン付きウェアの特性を活かしたデザイン。今年5月に開催された「デザインフェスタ」への出展をきっかけに、SNSで話題を集めています。

 aonoshikaiのデザイナー・mowさんは2023年、文化服装学院在学中に女性向けのファン付きウェアの開発に着手。SHIBUYA FASHION WEEK 2023に参加し、「西暦2050年の少女」をテーマにしたウェアを発表しました。mowさんは、開発の経緯を「夏のコンビニで、ファン付きウェアを着た現場作業員の方を見て羨ましく思うと同時に、ファンの風によって膨らんだ“丸み”が、ロリータファッションと相性が良いのではないかと考えたのがきっかけ」と振り返ります。

 mowさんによると、Xでの“バズり”をきっかけに、しゃぼんウェアへの問い合わせが殺到。「発表当初は、人の目に触れるきっかけがなかったこともあり、そこまでの反響を得られなかったというのが正直なところ。ただ、今回のSNSでの反響を受けて手応えを感じましたし、新しいシルエットの開発も視野に入れています」(mowさん)。しゃぼんウェアは、すでに実用新案を取得済み。今後はアウターだけではなく、一枚で着られるワンピース型の開発を視野に、より涼しく快適で可愛い、独自性のある商品展開を見据えます。

リボン型の服を着た女性

aonoshikaiのしゃぼんウェア

Image by: aonoshikai

リボン型の服を着た女性

aonoshikaiのしゃぼんウェア

Image by: aonoshikai

 普遍的な価値を追求しながら、気候変動や機能の革新といった現代の課題と向き合い、しなやかに姿を変えていくロリータファッション。彼女たちの独自のアイデアを通して、常に新しい「可愛い」の形を模索し続けるロリータならではの「好きなものを諦めない」という精神性が見えてきました。この精神をもとに独自に進化を遂げてきたロリータファッションは、これからも続いていきます。

最終更新日:

張替美希

Miki Harigae

茨城県出身。得意の英語を生かし外大に進学するも、幼少期から抱いていたファッション雑誌への憧れから、ライターを志す。大学卒業後、2022年に株式会社レコオーランドに入社。主にスポーツとファッションの領域で記事執筆を担当する。趣味はアイドル鑑賞で、エビ中ファミリー(私立恵比寿中学のファンの総称)歴は10年。週末はライブに握手会に大忙し。

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ロリータの要素をかけ合わせたファン付きウェア

Image by: aonoshikai

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