「マラミュート」2020年春夏コレクションのランウェイショーフィナーレより
Image by: FASHIONSNAP.COM

Fashion 注目コレクション

雨の中で「マラミュート」のショー、不安定で繊細な"感情の波"がモチーフに

「マラミュート」2020年春夏コレクションのランウェイショーフィナーレより
Image by: FASHIONSNAP.COM

 小高真理の「マラミュート(malamute)」が、2020年春夏コレクションのランウェイショーを開催した。会場に選んだのは、京都造形芸術大学 外苑キャンパス。生活の中で感じた爽快感や高揚感と、緊張感や不穏といった感情が波のように揺れ動く様を昇華したコレクションを、小高は「The Restless Waves」と題した。

 ランウェイとして設定されたのは、キャンパス内の講義棟に囲まれた屋外。中央には空間デザイナーの吉添裕人が制作したという巨大でいびつな黒いオブジェクトが設置され、ロックバンド「モノ ノ アワレ(MONO NO AWARE)」のヴォーカル玉置周啓と、ギター加藤成順のアコースティックユニットMIZ、ミュージシャン おおくぼひでたかによる生演奏が流れていた。

 小雨が降りしきる中でショーが開幕。音楽はミュージシャンの吉田仁がリミックスしたもので、虫の鳴き声やアコースティックな音色、シンガーソングライター阿部芙蓉美の幻想的な声に時折ノイズが混じり、空模様と相まって不安定なムードを作り出す。

 そこに登場したファーストルックは清涼感のある白。レース編みのセットアップが優しさを添える。続くルックも会場演出とは対照的にリアリティがあり、マラミュートらしい繊細でエレガントなスタイルが際立っていた。

 キーカラーは自然界に着想したグリーン。イタリアの画家、ジョルジュ・デ・キリコ(Giorgio de Chirico)の最も有名な作品の一つである「愛の歌」を鑑賞した際の違和感と調和に影響を受け、セルリアンブルーやホワイトといった爽快なカラーに、曇天や雨空の土臭さを想像させるベージュやブラウンを織り交ぜたという。アイコニックな花柄や大胆な編みによるボーダーといったドラマチックなモチーフが高揚感を誘った。

 ニットを得意とする小高は今シーズン、カットロスを出さない無縫製のニットに挑戦。スポーツ素材を使ったシアーな生地から、タイトフィットのカーディガンキャミソールやエコバッグを製作した。このほか、高度なホールガーメント技術によってハイゲージでありながら透け感があるニットを生み出している。

  一方、繊細なクロシェ編みのニットはハンドメイドで製作。また数シーズン継続している「ソムニウム(somnium)」とのコラボレーションでは、パーツをスライドして形状が変更できるアクセサリーを発表した。素材や制作方法から会場演出まで、仮想とフィジカル、ハイテクとローテクといった異なるものがが入り混じり、波のように揺らぎながらも調和していくようなコレクションとなった。

■マラミュート:2020年春夏コレクション全ルック
■ファッションウィークの最新情報:特設サイト

最新の関連記事

Realtime

現在の人気記事

    次の記事を探す

    Ranking Top 10

    アクセスランキング