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パリ発「マークアントワーヌ・バロワ」から新フレグランス アートインスタレーションと共に発表

Courtesy of Marc-Antoine Barrois

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パリ発「マークアントワーヌ・バロワ」から新フレグランス アートインスタレーションと共に発表

Courtesy of Marc-Antoine Barrois

 パリ発フレグランスブランド「マークアントワーヌ・バロワ(Marc-Antoine Barrois)」が、デザインウイークたけなわのミラノで新しいオードパルファン「アルデバラン(ALDEBARAN)」を発表した。

 同ブランドは、元来コンフィデンシャルなクチュール・メゾン。10年近く前にデザイナーのマークアントワーヌ・バロワが、調香師のカンタン・ビッシュ(Quentin Bisch)と出会って意気投合したことから、香りのコレクションもスタートした。程なく、同世代(現在40代前半)のデュオが繰り広げる新しいタイプの香水やキャンドルで、マークアントワーヌ・バロワはニッチなフレグランス・ブランドとしてはトップクラスに数えられるようになった。特に2019年に発表された「ガニメド(GANYMEDE)」は、フレグランス業界でそのオリジナリティが高く評価されて数々の賞を獲得し、根強いファンも多く数える。

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◾️Marc-Antoine Barrois
フランス北部の生まれ。ドミニク・シロやエルメスでのジャンポール・ゴルチエに師事した後、2009年にオーダーメイドを主とした自身のメゾンを立ち上げ、パリにアトリエとサロン、ブティックを構える。2016年からカンタン・ビッシュと共に「B683」でフレグランスのコレクションをスタート。その後「ガニメド」、「オンスラード」、「ティリア」と言った香水、そして各種キャンドルも発表し、“ニッチ・フレグランスのプチ・プランス”と呼ばれるまでになった。モードのメゾンとしても発展を続け、最近は白のコットンポプリンに限ったプレタポルテのシャツのコレクションもスタート。
Courtesy of Marc-Antoine Barrois

◾️Quentin Bisch
フランス東部の生まれ。アートを学び、劇団のディレクションの仕事を経てジヴォダンのフレグランス・スクールへ。フリーの調香師となってからは数々の名作を生み出し、代表作にジャンポール・ゴルチエの「ラ ベル エ ル ボー」、クロエの「ノマド」などがある。特にマークアントワーヌ・バロワとのコラボレーションを始めてからはコンテンポラリー・フレグランスを牽引する存在と見なされ、2019年にはパフュマー・オブ・ザ・イヤー賞を獲得した。
Courtesy of Marc-Antoine Barrois

 今回発表されたアルデバランは、レザー系の香りをシグネチャーとする同ブランドとしては例外的に、昨年の、“エンドレス・サマー”をイメージした爽やかな「ティリア(TILIA)」に続く、2つ目のフローラル・セント。バロワ氏は言う。「ある時いくつかのフローラル・セントを試し、嗅いだことのなかった香りにとても惹かれました。光輝く香り、言うなれば太陽。でも昼ではなく、夜。これは一体なんだろう?と」。

 するとビッシュ氏が言葉を添えた。「マークアントワーヌからこの話をきいた時、バカンス先での至福の時を思い出したんです。ベッドのすぐ後ろにチュベローズが生けてあって、一晩中芳香に包み込まれていたことを。チュベローズの香りには、実にさまざまな面があります。それで、複雑なコンビネーションではなくソリフルール(シングルフラワー)と言うアイディアで、この花の芳香自体の複雑さを引き出すことにフォーカスしました」。

Image by: Minako Norimatsu

 チュベローズは“白い花の中のディーヴァ”なる異名を持つほど、濃厚で妖艶な香りで他の花とは一線を画している。ただしビッシュ氏はむせるような甘いフローラルに徹するのではなく、パプリカのアコードとマテ、トンカビーンの配合によるシャープでメタリックなアクセントで、既存のジャンルに属さない香りを創りあげた。“オプティミストで光輝く香気”として、フレグランス界の新しいアイコンとなること請け合いだ。

 ネーミングのアルデバランは、牡牛座の星座群の中でも最も明るい恒星(太陽に比べて大きさはその45倍、明るさは500倍以上)に由来する。前述のガニメド(小惑星の名前)に見られるように、マークアントワーヌ氏とビッシュ氏が星と香りを関連づけるのは初めてではない。今回彼らはミステリアスな宇宙の世界への関心を突き詰め、フレグランスの完成にあたって天体物理学者にも意見を仰いで、アルデバランが発するバイブレーションや温度も着想源としたとか。

 またこれまでマークアントワーヌ・バロワのブティックの内装にも関わっているアーティスト、アントワーヌ・ブイヨ(Antoine Bouillot)とのコラボレーションにより、フォーリサローネ(FUORISALONE。ミラノ・デザインウイークの核を成すミラノ サローネのオフ・イベントの一連として、複数の会場で開催)の一環として、一般のビジターにもイマーシブな体験を提案。サローネ・デイ・テスーティ(Salone Dei Tessuti)に設置されたインスタレーション、名付けてミッション・アルデバラン(MISSION ALDEBARAN)は、ティザー動画でも提示された香りのストーリーテリングにちなんで、暗い森をさまよった後に突如現れる光の泉を体現している。

 ビジターはまず黒のフリンジから成るカーテンを押し退け、真っ暗なスペースの中を光を目指してそぞろ歩きすると、白が眩しいスペースに到達。そこにはアルデバランが香る白のチュベーローズが咲き乱れ(実は繊細な紙細工)、上方には光の球体が煌々と輝いている。聞こえてくるのは、トマ・ルセル(Thomas Roussel)によるオリジナルの環境音楽。こうしてチームワークで完成したこのアート作品は、ミラノ・デザインウイークの最終日に、フォーリサローネでのベスト・インスタレーションの名誉に輝いた。

Courtesy of Marc-Antoine Barrois

 またバロワ氏はブイヨ氏とのコラボレーションをさらに広げて、この機にはじめてのファニチャー・コレクションを発表。チュベーローズ畑然としたインスタレーションを取り巻いたのは、海辺で見つけた小石を再解釈・拡大し、彼らが共に構想した石のベンチやスツールだ。また、着想源からインスタレーションとファニチャーの制作背景、そしてドローイングまでが、作品と同名の一冊の本「ミッション・アルデバラン」にまとめられた。今回のアートとデザイン界への進出は、彼の香水ブランドに新たな価値観を加えることになるだろう。

最終更新日:

◾️Marc-Antoine Barrois
住所:
14, rue du Faubourg Saint-Honoré 75008 Paris
13, Galerie Véro-Dodat 75001 Paris
4, Piccadilly Arcade (St James)  SW1Y 6NH, London
日本からは公式サイトで購入可能

ファッションジャーナリスト

乗松美奈子

上智大学心理学科卒業後、ギャップ ジャパン、そしてスタジオヴォイスの編集部を経てパリへ移住。以降ファッションを中心にビューティ、ライフスタイルからアート、デザインまで幅広い分野をカバーするフリーランス・ジャーナリスト、コンテンツ・クリエイター、翻訳家兼コンサルタント。主な執筆先は日本のシュプールやエルジャパン、そしてイギリスのWallpaper*誌など。

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