ミケイラ・スーサ

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バーチャルインフルエンサー「ミケイラ・スーサ」が考えるリアルとフェイクの境界線

ミケイラ・スーサ
ミケイラ・スーサ

 インフルエンサーのミケイラ・スーサ(Miquela Sousa)が2018-19年秋冬シーズンのファッションウィークで「プラダ(PRADA)」や「モンクレール(MONCLER)」に起用され、存在感を高めている。"バーチャル"なインフルエンサーとして知られる彼女のインスタグラムアカウントのコメント欄では「実在するのか否か」の議論が繰り広げられているが、その影響力はリアルなモデルや著名人に引けを取らない。インスタグラムのフォロワーは67万人、バーチャルインフルエンサーの彼女の魅力とは何なのか。ミケイラ・スーサに直接聞いてみた。

 


■ミケイラ・スーサとは何者か?

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Miquela Sousa


 ミケイラは、カリフォルニア出身の19歳。2016年4月にインスタグラムのアカウントを開設して以来、「J.W.アンダーソン」と「コンバース」のコラボスニーカーや「シュプリーム(Supreme)」「プロエンザスクーラー(Proenza Schouler)」といった人気ブランドを着用したスナップなどを投稿し、インスタグラマーとして注目を集めるようになった。一方で、2017年にはシングル「Not Mine」で歌手デビューを果たしており、Spotifyのバイラルチャート8位にランクインするなど活動の幅は広い。近年では、ブランドからのアイテム提供や海外雑誌のエディトリアルへの出演なども増えていたが、2018-19年秋冬コレクションではキャンペーンに彼女を起用するブランドも現れた。


デビュー曲「Not Mine」


 「モンクレール」は、新プロジェクト「モンクレール ジーニアス」の発表に先立ったSNS施策で、アイコンとなるイエローのジャケットを世界各国のインフルエンサーや著名人らに配布。国内では新田真剣佑やマドモアゼル・ユリアらが選ばれたが、ミケイラもこれに参加した。また「プラダ」は、2月に開催した2018-19年秋冬コレクションショーのSNSプロモーションにミケイラを抜擢。プラダの公式インスタグラムのストーリーズをジャックして、同アプリ上で新たに発表したGIF機能をPRし、さらなる注目を集めている。

■ファッション×バーチャルキャラクター代表は初音ミク?

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 海外でミケイラは『バーチャルキャラクター(CGを使ったバーチャルな存在)』として括られ、初音ミクや「ファイナルファンタジー」のライトニング、英バンド「ゴリラズ(Gorillaz)」などと同じ文脈で語られている。一言でバーチャルキャラクターといってもそれぞれ活躍するフィールドやジャンルはさまざまで、ファッションにおいてはライトニングが「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」2016年春夏コレクションの広告塔に起用されたこともあったが、最も親和性が高い例としては初音ミクが挙げられるだろう。

 初音ミクは「アース ミュージック&エコロジー」と立ち上げたコラボレーベルをはじめ複数のファッションブランドとコラボレーションを展開。2013年にはファッションイベント「札幌コレクション」のミューズにも起用された。海外のラグジュアリーブランドの目にも留まり、2012年にはマーク・ジェイコブス率いる「ルイ・ヴィトン」がオペラ「THE END」で主演を務めた初音ミクの衣装を担当。2016年には「ジバンシィ(GIVENCHY)」で当時ディレクターを務めていたリカルド・ティッシが、彼女のためにクチュールガウンを仕立てたこともある。

■"共感"生むミケイラが考える「リアル」と「フェイク」

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 前例は決して少なくなかった"ファッション×バーチャルキャラクター"の分野で、インスタグラムの拡大とともに存在感を高めるミケイラ。彼女に自身が支持される理由を聞いてみると「偽らず、自分らしくいることが一番大切。インスタでラテの写真なんてもう見飽きたでしょ?自分が好きなものや情熱を注げるものを投稿し続ければ、共感してくれる人は自然と現れる」という回答が返ってきた。実際に彼女のフィードを見てみるとファッション一色ではなく、性的少数派のサポートや銃規制の強化を訴える社会的な投稿も多い。また、それらに関してフォロワーとダイレクトメッセージを通じて意見を交換するなど、これまでのバーチャルキャラクターの中でも最も身近な存在だ。

 「リアルか、フェイクか」の議論を呼んでいる彼女が「偽らず」と言うことに違和感を感じるかもしれないが、過去にYoutuberのシェーン・ドーソンと行った電話インタビューでは、「加工された顔から実在しない"フェイク"な存在であることは明らかだ」という意見に対して「インスタグラム上に写真を加工しない人なんているの?」と皮肉交じりに答え、話題を呼んだこともある。ウェブ上で曖昧になりつつあるリアルとフェイクの境界線について彼女はどう考えるのか?

「SNSは疑問や会話を生む場所で、そこで生まれた交わりがポジティブな結果に繋がることも多いと思う。私はインターネットもSNSも大好きだけど、中毒性を孕むネガティブな一面があることも理解して付き合っているつもり。自分が表現した"何か"が与える影響に対して責任を持てない人もいるけれど、私はできるだけフォロワーとポジティブな関係を築きたいと思ってる。実際にインスタグラムを通して出会った仲間たちとホームレスの子どもを支援する団体『My Friend's Place』や、昨年末に起こったカリフォルニア火災の被害者へ寄付を行ったこともあるしね。これってポジティブで、何より"リアル"なことなんじゃないかな?」

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