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【令和のマストバイヴィンテージ】今買っておくべき名品は? vol.74 リーバイス デニムウエスタンシャツ編

リーバイス デニムウエスタンシャツ

Image by: FASHIONSNAP

リーバイス デニムウエスタンシャツ

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【令和のマストバイヴィンテージ】今買っておくべき名品は? vol.74 リーバイス デニムウエスタンシャツ編

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 歴史的な背景を持つ、ヴィンテージ古着。製造された年代が古いものや希少性が高いものが一般的に珍重されていますが、ヴィンテージの楽しみ方はそれだけではありません。この連載では、さまざまな視点でヴィンテージ古着の楽しみ方が味わえるアイテムを、国内最大規模のヴィンテージの祭典を主催するVCM代表 十倍直昭が「令和のマストバイヴィンテージ」として毎週金曜日に紹介。第74回は「リーバイス (Levi’s®)」デニムウエスタンシャツ編。

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VCM inc.代表取締役

十倍直昭

2008年よりヴィンテージショップを運営。その後2021年には、ヴィンテージ総合プラットフォーム VCM(@vcm_vintagecollectionmall)を立ち上げ、来場者を1万人以上を動員する、日本最大級のヴィンテージの祭典「VCM VINTAGE MARKET」を主催している。
また渋谷パルコにて、マーケット型ショップの「VCM MARKET BOOTH」、エルメスジュエリーを専門に取り扱う予約制ショップ「VCM COLLECTION STORE」、イベントスペース「VCM GALLERY」を運営。
2023年10月には初の書籍「Vintage Collectables by VCM」を刊行するなど、ヴィンテージを軸とした様々な分野で活動し、全国のヴィンテージショップとファンを繋げる場の提供や情報発信を行っている。

アメリカのヒーロー、カウボーイが愛したウエスタンシャツ

 1840年代のゴールドラッシュを契機に生まれたジーンズは、その機能性の高さから農夫や鉄道工夫など、あらゆるワーカーが着用するようになりましたが、その後のジーンズのイメージを決定づけた職業が、カウボーイです。カウボーイはアメリカの西部を中心に牛の放牧や管理などの業務に従事していましたが、19世紀後半から徐々にロデオなどが競技化、興行化されたことで、大衆の注目を集めるようになりました。20世紀に入ったアメリカでは、映画が娯楽の王様として君臨するようになり、1903年に公開された「大列車強盗」をはじめとする西部劇の名作が数多く生まれます。その後もゲイリー・クーパー(Gary Cooper)やジョン・ウェイン(John Wayne)などのハリウッドの名優たちが映画で演じたカウボーイが人気を博し、アメリカにおけるヒーローの地位を確立したのです。そして、銀幕に登場するカウボーイたちがジーンズとともに着用していたのが、ウエスタンシャツでした。

リーバイス デニムウエスタンシャツ

 今回ピックアップしたのはどちらも1950年代のリーバイスのウエスタンシャツですが、実はラインが違います。生地の色が濃い方が「デニムファミリー」というライン、色が薄いほうが愛好家の間で「ショートホーン」と呼ばれるウエスタンウェアのラインです。

リーバイス デニムウエスタンシャツ

デニムファミリー

リーバイス デニムウエスタンシャツ

ショートホーン

 デニムファミリーは、その名が示す通りファミリー向けのカジュアルウェアライン。一般の方はあまりご存じないと思いますが、製造期間が短かったこともあり、このラインに愛着を持って蒐集しているマニアも少なくありません。ファミリー向けとはいえ、そのつくりはかなり本格的で、ショートホーンのものよりも厚手のオンスのデニム生地が用いられています。

リーバイス デニムウエスタンシャツ
リーバイス デニムウエスタンシャツ

 これに対し、ショートホーンの生地はやや薄手。デニムファミリーよりも荒々しい色落ちをする個体が多い印象があります。

リーバイス デニムウエスタンシャツ
リーバイス デニムウエスタンシャツ

機能性の追求から生まれた印象的なデザイン

 ウエスタンシャツの特徴のひとつが、胸ポケットのフラップです。リーバイスのウエスタンシャツでは、1950年代初期のアイテムにはダイアゴナルと呼ばれる斜めのフラップが、その後のアイテムにはソートゥースと呼ばれるノコギリ型のフラップが付けられています。馬に乗っているときに中に入っている物を落とさないためのディテールですが、機能性を追求したことでこのように印象的なデザインが生まれたというのは、非常に興味深いですよね。

リーバイス デニムウエスタンシャツ

デニムファミリーに用いられているのは丸形のボタン

リーバイス デニムウエスタンシャツ

ショートホーンに用いられている四角形のボタンはダイヤボタンやスクエアボタンと呼ばれている

 ポケットやカフスにあしらわれている金属製のスナップボタンは、落馬したときにシャツが馬具に引っかかってしまっても簡単に脱げるためのディテールだとされています。つまり、フラップと同様に機能性を追求して生まれたディテールということです。また、一般的なワークシャツよりもカフスが長いのは、ドレスシャツとしての要素を兼ね備えているためだと言われています。

リーバイス デニムウエスタンシャツ
リーバイス デニムウエスタンシャツ
リーバイス デニムウエスタンシャツ
リーバイス デニムウエスタンシャツ

 数多くのデニムブランドがウエスタンシャツを出していますが、そのなかでもリーバイスのものはこれまで無数にサンプリングされてきた名作中の名作。1950年代のヴィンテージの相場は20〜50万円程度で、サイズが小さかったり色が薄かったりする個体は15万円〜というイメージです。多くのウエスタンシャツはタックインをした状態で乗馬しても裾が出ないように着丈が長く設定されていますが、それをカットオフしてボックスシルエットにリメイクされているものも少なくありません。そういった個体なら、かなりお手頃価格で手に入れることが可能です。是非、自分の好みにマッチした一着を探してみてください。

編集:山田耕史 語り:十倍直昭

最終更新日:

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