【令和のマストバイヴィンテージ】今買っておくべき名品は? vol.85 ユーロリーバイス ファーストタイプ ブラックデニムジャケット編

Image by: FASHIONSNAP

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歴史的な背景を持つ、ヴィンテージ古着。製造された年代が古いものや希少性が高いものが一般的に珍重されていますが、ヴィンテージの楽しみ方はそれだけではありません。この連載では、さまざまな視点でヴィンテージ古着の楽しみ方が味わえるアイテムを、国内最大規模のヴィンテージの祭典を主催するVCM代表 十倍直昭が「令和のマストバイヴィンテージ」として毎週金曜日に紹介。第85回はユーロリーバイス ファーストタイプ ブラックデニムジャケット編
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2008年よりヴィンテージショップを運営。その後2021年には、ヴィンテージ総合プラットフォーム VCM(@vcm_vintagecollectionmall)を立ち上げ、来場者を1万人以上を動員する、日本最大級のヴィンテージの祭典「VCM VINTAGE MARKET」を主催している。
また渋谷パルコにて、マーケット型ショップの「VCM MARKET BOOTH」、エルメスジュエリーを専門に取り扱う予約制ショップ「VCM COLLECTION STORE」、イベントスペース「VCM GALLERY」を運営。
2023年10月には初の書籍「Vintage Collectables by VCM」を刊行するなど、ヴィンテージを軸とした様々な分野で活動し、全国のヴィンテージショップとファンを繋げる場の提供や情報発信を行っている。
ユーロリーバイスに秘められた謎
今回紹介するのは、2025年のベストバイでもピックアップした「ユーロリーバイス」の506XX型先染めブラックデニムジャケットです。ユーロリーバイスとは、1980年代から2000年代初頭まで、「リーバイス(Levi’s®)」のヨーロッパ支社が現地のトレンドや体型に合わせて企画したアイテムの通称で、フランスやイギリス、イタリアなどの西欧諸国にくわえ、チュニジアやトルコなどのユーロ圏と繋がりが強い国々を中心に生産されていました。ちなみに、1970年代後半の日本では、香港にあったリーバイスの子会社が企画・生産したアイテムが販売されていたようです。いわば「アジアリーバイス」ですね。

リーバイスのアイテムのタグには、製造工場や製造時期など様々な情報が記載されているのですが、このデニムジャケットのタグにはユーロ圏の7つの言語(英語、フランス語、オランダ語、ドイツ語、イタリア語、ノルウェー語、スウェーデン語)が記されています。


このアイテムの品番は「70501-01」。タグに記載されている数字から、1988年11月に製造されたものだと推測できます。アイテムの仕様は左胸ポケット、フロントプリーツ、シンチバックを備えた、いわゆる「ファースト」タイプなんですが、面白いのは、「なぜ1980年代にユーロ圏でファーストタイプが発売されたのか?」ということです。この頃のリーバイスのデニムジャケットは、「フォース」と呼ばれる「70505」や、その後継モデルの「70506」が主流だったはず。また、この頃はまだヴィンテージという概念が今ほど明確ではなく、リーバイスが公式で復刻版を作ったことはほとんどなかったと思います。そんな時代に、なぜヨーロッパのリーバイスがファーストタイプを企画したのでしょうか。当時の歴史的事実を参考に、アイテムが生まれた時代背景を探ることも、ヴィンテージの楽しみ方のひとつです。


アメリカ製にはない魅力的なディテールの数々
最近、ユーロリーバイスのデニムジャケットの人気が急上昇しています。その要因のひとつが、ヴィンテージデニムの王道であるアメリカ製のヴィンテージがあまりにも高騰してしまい、なかなか手が出せない価格になってしまっていること。今はヴィンテージだけでなく、アメリカ製の復刻版の人気もかなり高くなっています。そこで、まだそれほど高値になっていないユーロリーバイスが注目されているんです。
もちろん、価格だけがユーロリーバイスの魅力ではありません。アイテム自体にも、アメリカ製のヴィンテージでは見られない様々な特徴があるんです。この個体の生地には、先染めのブラックデニムが用いられています。ファーストタイプの先染めブラックはアメリカ企画には存在しないので、非常に貴重です。




僕が特に気に入っているのが、ステッチとボディのカラーコンビネーションです。当連載第32回で紹介した「後染め」と比較するとわかりやすいのですが、ステッチ糸まで真っ黒に染まってしまう後染めに対し、先染めは生地とステッチにコントラストがあり、それが非常に美しいんです。

「先染め」ユーロリーバイス

「後染め」アメリカ製リーバイス
アルミ素材が用いられているボタンも、独特の光沢感があり良い雰囲気。また、ユーロリーバイスはアイテムによってサイズ感がアメリカ企画と微妙に違っているものがあります。例えばジャケットだと、着丈が少しだけ長いものがあったりするんです。おそらく、現地の需要に合わせていたんでしょうね。


前述の通り、アイテムにもよりますがユーロリーバイスの相場はかなり高くなっています。ブラックデニムのファーストタイプジャケットはスペシャルアイテムなので相場は20万円以上。ですが、まだそこまで注目されていない珍品あるので、そんなユーロリーバイスを探してみるのも一興ですよ。
編集:山田耕史 語り:十倍直昭
最終更新日:
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