
Image by: FASHIONSNAP

Image by: FASHIONSNAP
歴史的な背景を持つ、ヴィンテージ古着。製造された年代が古いものや希少性が高いものが一般的に珍重されていますが、ヴィンテージの楽しみ方はそれだけではありません。この連載では、さまざまな視点でヴィンテージ古着の楽しみ方が味わえるアイテムを、国内最大規模のヴィンテージの祭典を主催するVCM代表 十倍直昭が「令和のマストバイヴィンテージ」として毎週金曜日に紹介。第87回はジャングルファティーグジャケット編。
ADVERTISING
2008年よりヴィンテージショップを運営。その後2021年には、ヴィンテージ総合プラットフォーム VCM(@vcm_vintagecollectionmall)を立ち上げ、来場者を1万人以上を動員する、日本最大級のヴィンテージの祭典「VCM VINTAGE MARKET」を主催している。
また渋谷パルコにて、マーケット型ショップの「VCM MARKET BOOTH」、エルメスジュエリーを専門に取り扱う予約制ショップ「VCM COLLECTION STORE」、イベントスペース「VCM GALLERY」を運営。
2023年10月には初の書籍「Vintage Collectables by VCM」を刊行するなど、ヴィンテージを軸とした様々な分野で活動し、全国のヴィンテージショップとファンを繋げる場の提供や情報発信を行っている。
マニア心をくすぐる仕様の変遷
ジャングルファティーグは、いわゆる「軍モノ」。1955年に開戦し泥沼状態となり、1975年に終戦を迎えたベトナム戦争のために、アメリカ軍が開発したミリタリーウェアです。ジャングルファティーグは通称で、正式名称は「コンバットトロピカル」。ジャケットに加え、パンツも存在します。「リーバイス(Levi’s®)」のデニムジャケットと同じように製造された時期によって通称が付けられおり、古い方から「ファースト」「セカンド」「サード」「フォース」「フィフス」と呼ばれています。今回ピックアップしたのは、僕が特に気に入っている「サード」です。

それぞれのモデルは生地やディテールなどが微妙に異なっているので、わかりやすく表にまとめてみました。この他にも、ボタンの素材などもっと細かい違いもあったりします。興味がない人からしたら全部同じに見えるかもしれませんが、愛好家はこういうちょっとした差異にテンションが上がってしまうものなんです(笑)。とはいえ、仕様変更の過渡期のモデルなど、製造年と仕様が一致しない個体があるのはヴィンテージの世界では日常茶飯事のことなので、この表はあくまでも目安として捉えておいてくださいね。
| モデル | 製造年 | 生地の種類 | 主な特徴 |
| ファースト | 1963年 〜 1964年頃 | コットンポプリン | 露出したボタン、エポレット、ウエストタブ |
| セカンド | 1964年 〜 1966年頃 | コットンポプリン | 隠しボタン、エポレット、ウエストタブ |
| サード | 1967年 〜 1968年頃 | コットンポプリン | エポレット・ウエストタブ・ガスフラップの廃止、肩ヨーク切り替え、ドレインホール(ポケットの排水穴)廃止 |
| フォース | 1968年 〜 1970年頃 | リップストップ | ドレインホール復活、ペン差し |
| フィフス | 1970年頃 | リップストップ | 袖口V字ガゼットの廃止 |
僕が「サード」好きな理由は、パッカリングなどの経年変化がより楽しめるから。また、エポレットがなくてシンプルな印象なので、幅広いアイテムと合わせられる点もいいですね。


サードには樹脂製のボタンが用いられている
サイズバリエーションが豊かで年中使える万能アイテム
ジャングルファティーグは、「高温多湿なジャングルでいかに快適に、かつ機能的に着られるか」ということを目的に開発されたので、一般的なミリタリージャケットよりも軽くて薄い生地が用いられています。ですので、春夏秋はちょっと肌寒いときの羽織として、冬場はインナーアイテムとしてなど、幅広い用途で活躍してくれる、一枚あると非常に重宝するアイテムです。
また、フロントに配された4つの大きなポケットもポイントですね。立体的なつくりで大容量なので、手ぶらで歩けることも大きなメリットです。

アメリカ軍のミリタリーウェアには、サイズと丈のバリエーションがたくさんあるものが多いのですが、このジャングルファティーグジャケットも同様。サイズはスモールからエクストララージまでの5サイズ、丈はショート、レギュラー、ロングの3種類があり、「ラージショート」「ミディアムロング」という具合に組み合わされています。

タグに「ラージショート」と記載されている
ジャングルファティーグジャケットは、カジュアルブランドやデザイナーズブランドなど、無数のブランドがサンプリングをしているミリタリージャケットの代表格。最近はファッショントレンドの影響もあってショート丈の人気が高くなっています。ショート丈は元々数が少ないこともあり、価格も上昇傾向。モデルや状態によって相場は大きく異なりますが、基本的に古ければ古いほど価格は高く、ファーストならば10万円以上、サードは5万円〜が目安。とはいえ、フォースやフィフスならば数万円で手に入れることも可能ですし、状態を問わなければもっとお手頃な価格のものもたくさんあります。是非あなただけの一着を見つけてください。

決して丁寧とは言えないが、アジのあるつくりもミリタリーウェアの魅力
編集:山田耕史 語り:十倍直昭
最終更新日:
vol.1 カーハート × ステューシー編
vol.2 キース・ヘリング Tシャツ編
vol.3 エルメス ヘラクレス編
vol.4 リーバイス ギャラクティックウォッシュデニムジャケット編
vol.5 ポロ ラルフ ローレン オープンカラーシャツ編
vol.6 セックス・ピストルズ ポスター編
vol.7 シュプリーム ゴンズジャケット編
vol.8 ソニック・ユースTシャツ編
vol.9 エルメス アクロバット編
vol.10 ナイキ クライマフィット ジャケット 2ndタイプ編
vol.11 カルバン・クライン「オブセッション」Tシャツ編
vol.12 マルタン・マルジェラ ペンキデニムジャケット編
vol.13 J.クルー ツートーンアノラックパーカ編
vol.14 エル・エル・ビーン ボート・アンド・トート編
vol.15 エルメス クレッシェンド編
vol.16 オンブレチェックシャツ編
vol.17 エルメス アレア編
vol.18 スカジャン編
vol.19 カルチャーポスター編
vol.20 エルメス グレンデシャン編
vol.21 アディダス レザートラックスーツ編
vol.22 コム デ ギャルソン オム シャツ編
vol.23 ハーゲンダッツ編
vol.24 エルメス トルサード編
vol.25 フレンチフレーム編
vol.26 ペンドルトン ボードシャツ編
vol.27 BDUブラック357編
vol.28 アニマル柄シャツ編
vol.29 フェードスウェット編
vol.30 モヘアカーディガン編
vol.31 ウエスタンジャケット編
vol.32 リーバイス「後染め」ブラックデニム編
vol.33 エルメス オスモズ編
vol.34 ラングラー デニムジャケット編
vol.35 ASAT トライバルカモフラージュ編
vol.36 リーバイス アクションスラックス編
vol.37 レインボーレイクジャケット編
vol.38 パタゴニア ドリズラージャケット編
vol.39 ポロ ラルフ ローレン レザースイングトップ編
vol.40 L-2Bフライトジャケット編
vol.41 エルメス ブックルセリエ編
vol.42 アメリカ軍ヘリンボーンツイルジャケット編
vol.43 パタゴニア パフボールベスト編
vol.44 リーバイス コーデュロイジャケット編
vol.45 ステットソン ハット編
vol.46 1930〜50sカバーオール編
vol.47 1940〜60sシャンブレーシャツ編
vol.48 プリントネルシャツ編
vol.49 キャントバステム編
vol.50 ポロ ラルフ ローレン キューバシャツ編
vol.51 リーバイス 70505 ビッグE編
vol.52 M-35 デニムプルオーバー編
vol.53 ヒステリックグラマー スカジャン編
vol.54 リー ウエスターナー編
vol.55 リーバイス「先染め」ブラックデニム編
vol.56 エルメス シェーヌダンクルTPM編
vol.57 オールドステューシー Tシャツ編
vol.58 ラルフ ローレン総柄セットアップ編
vol.59 エンポリオ アルマーニ フォトT編
vol.60 ヴァイパールーム Tシャツ編
vol.61 エルメス ヴァンドーム編
vol.62 オールドステューシー 総柄Tシャツ編
vol.63 エルメス キーリング編
vol.64 レノマ マルチポケットジャケット編
vol.65 リーバイス507XX & 507編
vol.66 リーバイス ピケジャケット編
vol.67 リーバイス 501 66 前期編
vol.68 P-44 ダックハンターカモ編
vol.69 VCMマストバイヴィンテージ座談会 vol.1
vol.70 VCMマストバイヴィンテージ座談会 vol.2
vol.71 VCMマストバイヴィンテージ座談会 vol.3
vol.72 VCM VINTAGE MARKET Vol.7のマストバイ 前編
vol.73 VCM VINTAGE MARKET Vol.7のマストバイ 後編
vol.74 リーバイス デニムウエスタンシャツ編
vol.75 ポロ ラルフ ローレン ファイヤーマンジャケット編
vol.76 パタゴニア グリセード サンダー編
vol.77 ショット ダブルライダース編
vol.78 ノースフェイス ダウンベスト編
vol.79 ラルフ ローレン レザーカーコート編
vol.80 ホロウェイ スタジャン編
vol.81 リー フリスコジーンズ編
vol.82 エル・エル・ビーン MA-1編
vol.83 ヴァンズ 90年代 オールドスクール&スケートハイ編
vol.84 エディー・バウアー レザーダウンジャケット編
vol.85 ユーロリーバイス デニムジャケット編
vol.86 エルメス エロイーズ編
ADVERTISING
PAST ARTICLES
【令和のマストバイヴィンテージ】の過去記事
RELATED ARTICLE
関連記事
RANKING TOP 10
アクセスランキング

COMME des GARÇONS HOMME PLUS 2026 Spring Summer
















