
Image by: FASHIONSNAP

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歴史的な背景を持つ、ヴィンテージ古着。製造された年代が古いものや希少性が高いものが一般的に珍重されていますが、ヴィンテージの楽しみ方はそれだけではありません。この連載では、さまざまな視点でヴィンテージ古着の楽しみ方が味わえるアイテムを、国内最大規模のヴィンテージの祭典を主催するVCM代表 十倍直昭が「令和のマストバイヴィンテージ」として毎週金曜日に紹介。第90回は「リー(Lee)」91-B編。
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2008年よりヴィンテージショップを運営。その後2021年には、ヴィンテージ総合プラットフォーム VCM(@vcm_vintagecollectionmall)を立ち上げ、来場者を1万人以上を動員する、日本最大級のヴィンテージの祭典「VCM VINTAGE MARKET」を主催している。
また渋谷パルコにて、マーケット型ショップの「VCM MARKET BOOTH」、エルメスジュエリーを専門に取り扱う予約制ショップ「VCM COLLECTION STORE」、イベントスペース「VCM GALLERY」を運営。
2023年10月には初の書籍「Vintage Collectables by VCM」を刊行するなど、ヴィンテージを軸とした様々な分野で活動し、全国のヴィンテージショップとファンを繋げる場の提供や情報発信を行っている。
ジーンズにジッパーを付けたリーの革新性
今回ピックアップしたリーのワークジャケット 91-Bの一番の特徴は、フロントに配されたジッパーでしょう。実は、リーというブランドはジッパーと非常に縁が深く、1926年に世界で初めてジーンズにジッパーを取り付けたのが、リーだったんです。その翌年の1927年には、ジップ仕様のオーバーオールを発売。そのほか、同年には変色しないヘリンボーンの綾織生地を発表するなど、ワークウェアの分野で数々の革新的なアイテムを生み出してきたブランドなんです。

91-Bのもうひとつの特徴が、フロントにアシンメトリーに配置されたポケットです。特に、左胸の斜めにカッティングされた独特なフォルムのポケットは、デザインのアクセントになるだけでなく、作業中に道具の出し入れがしやすいうえ、ジッパー付きで中に入れた物が落ちにくいという実用性の高さを備えています。


少し目立ちにくいですが、裾の脇部分や袖口にあるアジャスターボタンも、リーならではのディテール。多くのデニムジャケットが金属製ボタンを採用しているのに対し、91-Bには「猫目ボタン」と呼ばれるプラスチック製のボタンが用いられています。


長年デザインが変わらないヴィンテージの年代判別法は?
ヴィンテージのリーを語る上で欠かせないのが、年代判別の奥深さです。91-Bは1920年代から70年代まで製造され続けていたロングセラーモデルですが、リーには基本的なデザインを大きく変えることなく長年製造されたものが少なくありません。デザインで年代が判別できないとすると、どのようにして見分けるのでしょうか。答えは、タグとピスネーム(ポケット脇などに縫い付けられた小さなタグ)にあります。


タグに記された「レジスターマーク(®)」や「MRマーク」の有無や書体の違いのほか、ピスネームに記された文字のデザインや素材。これらのわずかな変化を読み解くことで、その一着がどの時代に生まれたのかを特定することができるのです。同じモデルでも、タグ一つで年代が異なり、その価値も変わってくる。まるで暗号を解読するかのようなこの作業は、ヴィンテージ古着の楽しみ方の一つと言えるでしょう。
91-Bは、Gジャンとカバーオールの中間のようなデザインが気に入っています。ジーンズと合わせた直球のアメカジコーディネートも良いですが、個人的にはシャツやスラックス、レザーシューズなどのキレイ目アイテムと合わせるのが好み。人気のあるヴィンテージなので、相場は高めです。状態やコンディション、サイズにもよりますが、今回ピックアップした1960年代のアイテムならば、10万円くらいからというイメージです。実は、2026年はリーを象徴するモデル「101」が登場してから101年目という節目の年。今後、リーの注目度がさらに高まる可能性もあるので、是非チェックしてみてください。
編集:山田耕史 語り:十倍直昭
最終更新日:
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