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now&then -ヘアスタイリストの現在地-#21 和田流星(MINX aoyama) 「10年後もクリエイションをしていたい」

now&then -ヘアスタイリストの現在地-#21 和田流星(MINX aoyama) 「10年後もクリエイションをしていたい」

 インスタントカメラの写真とともに、人気美容師の“今とこれから”を聞く連載第21回。今回は、MINX aoyamaから和田流星さんが登場。念願の社内フォトコン優勝、そして昨年春に副店長就任と勢いに乗る若手のひとりである和田さんに、今、一番力を入れているという作品撮りのこと、ファッションのこと、自身のサロンワークスタイルなどについてたっぷり伺います。

#21 和田流星 わだりゅうせい
インスタグラム
1996年5月10日生まれ。北海道出身。北海道理容美容専門学校卒業後、MINX入社。入社から青山店に勤務し、昨年MINX aoyamaの副店長に就任。昨年の社内カットコンテスト優勝、2024年度社内フォトコン優勝の実力派。ひと癖あるボブやショートを得意とし、一眼レフで自ら撮影も行う。客層は10代~60代と幅広く、カジュアルで今っぽいヘアスタイルがポストされるInstagramも人気。

【店舗プロフィール】
MINX aoyama
日本を代表するトレンドヘアアサロン。青山店は3フロアに分かれており、トップレベルのヘアスタイリストが多く所属している。雑誌撮影やヘアショーなどメディア露出も多数。流行をとらえるデザイン力だけではなく、確かなカットメソッドによる再現性の高いヘアスタイルも自慢。

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⎯今年社内のフォトコンで優勝されたとのこと。おめでとうございます!

 ありがとうございます。昨年も一昨年も2位だったので、今年優勝できてほっとしています。じつは昨年、社内カットコンテストでも1位をいただくことができて、「2冠」をやっと取れて本当に良かったなと思っているところです。

 ただ、まだ社外のコンテストでは思うような結果を残せていないので、今後どんどん挑戦していきたいと思っています。これからたくさんエントリーしていくつもりです。

和田さん自身も写真を撮られますか?

 一眼レフを持っていて、自分で撮影をすることも多いです。世界観がつくりやすいという点では自分で撮影する良さもありますが、でも最終的にはやっぱりカメラマンさんの方が良いなと思っていて。「こっちのほうが良いよ」「毛先の向きこれはどう?」などという撮影中の掛け合いで作り上げていく感じが好きなんです。

お世話になっているカメラマンの樗木新さん(左)と。「優勝したフォトコンの写真も撮影していただきました。いつもカメラの話ばかりしています」(和田)

和田さんの一眼レフカメラ。「自分で撮るクリエイションも、カメラマンさんと作るクリエイションも両方続けていきたいと思っています」(和田)

作品をつくるうえで、どのような取り組みをしていますか?

 社内に代表の岡村(享央さん/MINX代表取締役社長)が主宰するクリエイティブスタイル撮影レッスン「ネクストクリエイティブ」があり、そこに所属しています。外部のコンテスト対策のプロジェクトで、モデルとイメージを決めてデザインを突き詰めていきます。

ある日のレッスン中の風景。イメージを固め、ウィッグに落とし込んでいく

代表の岡村さんは、和田さんにとってどういった存在ですか?

 お話させていただくたびに、昔考えていたことや今感じていることなどに近いものを感じるなと思っています。恐れ多いのですが、もしも僕と同世代だったら、きっと同じようなことを考えているんだろうなって。

代表の岡村さん(右)と「ネクストクリエイティブ」の現場での1枚

具体的には?

 例えば、何か優勝したとしても、自分が納得していない状態での優勝では意味がない。デザインにちゃんと向き合って、ファッションもメイクも全部突き詰めて作ったものだけが本質なんじゃないか、納得いくもので成功することこそが本物だ⎯ そういった話を岡村とよくするのですが、毎回ものすごく共感しています。僕もそういう美容師であり続けたいと思います。

和田さんの作品。ダークトーンの洗練されたミニボブ。古臭く見えないように顔まわりを削り、ポイントを入れたそう

クリエイションのアイデアはどこから得ますか?

 昔は、絵画などを見て直感的にインスピレーションを受けるタイプだったのですが、最近はモデルの骨格からスタートすることが多いです。「この子良いな」と思ったら、どう似合わせていくか理論から考えます。その後、似合うファッションを当てはめながら僕が好きなファッションも組み合わせて、徐々に世界観をミックスさせていきます。

撮影中の和田さん。「衣装は古着を着てもらうことが多いのですが、全身古着だとカジュアルすぎてしまうので、いい塩梅にミックスさせています」(和田)

和田さんが好きなファッションのテイストは?

 9割くらいは古着です。青山にいる美容師にしてはカジュアルすぎるかもしれないです(笑)。最近は、少しスポーティーなテイストが好きで、古着でもぼろつかないくらいの感じが気分です。

よく行くお気に入りの古着屋。三軒茶屋・BANK

感覚的な作品のつくり方から理論的なつくり方に変化したのは理由があるのでしょうか。

 自分の好きなテイストだけを作っていても、多くの人には刺さりづらいんだなと気づいたのが大きかったかもしれません。理論的にアプローチすることによって、外しにくいというか、間違いないものができる。

 理論的に組み立てていったとしても、結果的には自分の好きな古着の要素などもミックスされていくので、納得いかないことはないです。

その気づきはどこから?

 僕ひとりで作品撮りをしていた時は客観視ができていなかったのですが、「ネクストトレンド」という池戸(裕二さん/MINXディレクター・取締役)が主宰する社内の作品撮影レッスンを受けるようになって、「世の中に刺さるデザインかどうか」という部分を詰めてもらえたような気がします。

池戸裕二さん(右)とネクストトレンドのレッスン中に撮った1枚。「ネクストトレンドで学んだ後、特に新規売り上げがグッと伸び、効果を実感しました」(和田)

「世の中に刺さるデザイン」とは?

 今っぽさに加えて、半歩先のテイストを組み合わせたデザインのことだと考えています。ネクストトレンドのレッスンでは、ヘアスタイルに対する骨格、ジャンル、そのバランスとファッションとの兼ね合いをしっかり勉強してから撮影に臨みます。あらかじめメイクイメージを出したり、狙う女性像を決めていく過程で、僕がつくるヘアスタイルは微妙に「世の中に刺さるデザイン」にフィットしていなかったんだなと気づくことができました。

和田さんは、ご自身をどういう美容師だと感じていますか?

 MINX内では「作品撮りをよくしている人」というイメージがついていると思います。インスタでも作品のポストを頻繁にしているので。

 あとは、「サロンワークが全部好きな美容師」ですね。ポリシーみたいな感じなんですが、サロンワーク中は、シャンプーやヘッドスパに入れる時は全部入るようにしているんです。カットやカラーだけではなく、全部が上手い美容師でありたいと思う気持ちが強いです。

MINX aoyamaでサロンワーク中の和田さん

規模が大きく客数も多い大手美容室の中で、「できるだけシャンプーに入るサロンワークスタイル」は珍しい気もします。

 マンツーマンのサロンワークが良いかと言われればそうではありません。規模を小さくして100%マンツーマンでやり続けたらきっと単価が上がっていくと思うのですが、それが通いにくさにつながってお客さまが離れていくのは嫌なんですよね。だから、持続可能な範囲でお客さまに関われる今のスタイルが自分にも合っている。

 それに、僕がシャンプーに入るとお客さまが本当に喜んでくださるんです。僕が体現していけば、下の世代も続いていくと思っているので、今後も続けていくつもりです。

普段使っているシザーズは4丁。スライドカット用のシザーズで、顔まわりの質感づくりを行なっている

いわゆるアシスタントをたくさんつけ、どんどんお客さまの数をこなすサロンワークスタイルもあると思うのですが。

 それもやり方の1つなのでダメではないのですが、「シャンプーはアシスタント」という慣例に昔から少し違和感があって。手が空いていたら、お店のヘアスタイリストはカラーも塗るし、ブローにも入るのに、なぜかシャンプーだけはアシスタント。せっかくお客さまと関われる機会なのだから、僕はできるだけシャンプーやヘッドスパにも携わりたいなって。

それが、和田さんにとってのなりたい美容師像だったのでしょうか?

 そうですね。就活中にMINXの試験を受けたとき、2日間お店の手伝いをやらせていただいたのですが、カラー剤のカップ洗いや床の掃き掃除、すべてがとっても嬉しくて。その感覚をずっと忘れていない、というのがあるのかもしれません。

 花形の仕事ではないとは思うのですが、それらは全部お客さまを迎えるサロンワークにつながっている。それも1つの美容師像なのかなって。

学生時代、MINXは第一志望でしたか?

 そうですね。北海道の美容学校に通っていたのですが、本当に無知で撮影やヘアショーのことをよく理解していなくて(笑)。とにかくカットが上手くなりたかったので、MINXを志望しました。当時は、作品の撮影をしたいというより、セミナー講師になりたかったんです。まあ、入ってガラっと変わったんですけどね(笑)

講師になりたいとなると、技術がしっかり学べるMINXを志望するのはうなずけます。

 誰かに教えることが好きで元々は小中学校の先生になりたかったというのも理由の1つかもしれません。進路で悩んでいた時、美容学校に進めば、美容学校の先生にもなれるなと思って美容師になったんですよね。

今年で8年目。大手美容室にいるからできると実感していることはありますか?

 やりたいことにフォーカスできる環境があることですかね。僕は副店長という立場でありながら、全員を養うための売上への意識に加え、作品づくりだったり、コンテストへの挑戦だったり、やりたいことにフォーカスさせてもらえる環境がある。そういった点は大きな基盤を持つ大手サロンならではなんじゃないかなと。

 MINXには本当にさまざまな美容師がいます。おしゃれなクリエイションをやっている人、技術をとことん突き詰めている人…。もちろん、日々のサロンワークでしっかり結果を出すことが大前提ですが、その上でそれぞれやりたいことができるというのは、MINXの強みだと思います。

同期の秋山拳太郎さん(中央)とMINXの仲間たちと、秋山さんがノミネートされた「PREPPY リアルトレンド大賞」の会場にて。秋山さんとはMINXの2次試験から一緒で、住んでいる場所も同じ旧知の仲なんだそう!

副店長に就任してから1年が経ちます。やってみていかがですか?

 副店長には、副店長業務に加えてメンターという、いつでも相談に乗るお兄ちゃん的な役割もあります。日々スタッフのメンタルケアを行ったり、悩みがあればすぐに相談ができる環境を作ったりしています。

 大変だなと思うことももちろんありますが、自分にとって必要な経験だなと思っていて。そういう立場になりたいとずっと考えていたので、ありがたくやらせていただいています。

ある日の朝礼。3フロアあるMINX aoyamaは各階に幹部がいて、それぞれのフロアをまとめている

これからの目標を教えてください。

 今後は社外コンテストで結果を残したいです。とにかく「美容師に認められたい」という気持ちがあります。あとは、10年後も同じように作品撮りやクリエイションをしている自分でいたいです。10年後は僕も40手前くらいになっていますが、その頃になると家族ができていたり、ライフステージが変わっていたり、クリエーションをやっている美容師って限られてくる気がしていて。だから、年を重ねたとしてもデザインの第一線にいたいなと。そういう美容師で居続けることが目標のひとつです。

(写真:和田流星、編集:藤原野乃華)

編集者、ライター

宮本香菜

出版社2社を経て独立。書籍の企画・編集、ブックライティング、記事等のインタビューなど活動中。ペンギンが好き。今回の「now&then」の聞き手、文を担当する。

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