ワークマン「ウィンドコアアイスペルチェベスト」
Image by: FASHIONSNAP
年々厳しさを増す、日本の夏の暑さ。街ではネッククーラーやハンディ扇風機など、様々な暑さ対策グッズを手にした人を見かけます。そんな中、「冷房服」とも呼ばれるペルチェベストは、猛暑対策の最終兵器になるのでしょうか。その仕組みと効果的な使い方を徹底的にご紹介します。
ADVERTISING
目次
ペルチェベストとは?
ペルチェベストの「ペルチェ」とは、ペルチェ素子のこと。ペルチェ素子に電気を流すことで、冷却や加熱ができる仕組みで、これを用いたウェアは「冷暖房服」とも呼ばれています。
今回は機能性の高さと手頃な価格で人気のワークマンのペルチェベストを例に、その全貌をご紹介します。ワークマンのペルチェベストには「ウィンドコアアイス×ヒーターペルチェベストPRO」(1万9800円)と、「ウィンドコアアイスペルチェベスト」(1万7800円)の2種類があり、前者は冷却と温熱が可能。今回ご紹介する後者は、冷却のみの仕様となっています。
ペルチェベストの仕組みと使い方
「ウィンドコアアイスペルチェベスト」は、3つのパーツから構成されています。
- ペルチェデバイス
- ベスト
- バッテリー
使い方は以下の通り。事前に付属のUSBケーブルで充電しておいたバッテリーと、ペルチェデバイスをベストに装着してから、着用します。
バッテリーは左前にあるポケットに入れる
Image by: FASHIONSNAP
バッテリーの電源を入れたあと、スイッチコントローラーで電源を入れると、すぐに冷却が始まります。
スイッチコントローラーでは、電源のオンオフと、強・弱・ゆらぎの3段階の調節ができます。ゆらぎは、40秒冷却した後に15秒冷却が休止する機能。バッテリー満充電状態での連続稼働時間は強が5時間、弱が8時間、ゆらぎが6時間です。
ペルチェベストの効果
最高気温が35度を超えた8月の東京で、街を歩くときと、自転車に乗るときに「ウィンドコアアイスペルチェベスト」を着用してみました。
体にフィットする構造になっている
Image by: FASHIONSNAP
スイッチを入れてすぐに、ペルチェデバイスが冷たくなります。ペルチェデバイスが触れている背中上部は、明らかに冷たさを感じます。そして、バッテリーが続く限り、その冷たい感覚が続きます。暑い屋外から冷房が効いた部屋に入ったときのように、体全体が涼しさを感じることはありませんが、体の一部でずっと冷たさを感じられるということは、「暑さ」というストレスを低減させるので、想像していたよりも快適でした。
ただ、気を付けておきたいのが、ペルチェベストを着用するだけでは熱中症を予防することはできないということ。熱中症にならないためには、涼しい場所で体を休ませたり、水分や塩分を補給したりと、適切な対応が必須となります。
デメリットは?
バッテリーの重量は約225グラム。ペルチェデバイスは約221グラム。併せて450グラム弱になります。調節ベルトが多数設けられており、ベストが体にフィットするので、ほとんど重さは感じませんでした。ですが、ペットボトル1本ほどの重量なので、小さな子どもが着用するには少し重いかもしれません。
また、ペルチェデバイスには吸気口と排気口が設けられており、スイッチを入れるとファンが回る音が微かながら聞こえてきます。
ペルチェデバイスの排気口
Image by: FASHIONSNAP
街中やアウトドアシーンなどでは他の人に聞こえることはまずないと思いますが、満員電車のような、ある程度静かで人との距離が近い場所だと、音が気になることもあるでしょう。
ペルチェベスト基本の基 ①:バッテリーが必要
バッテリーが充電されていなかったり、使用途中で充電が切れたり、そもそも着用するときにバッテリーを付け忘れてしまっていると、ペルチェベストは全く役に立ちません。ですので、バッテリーの充電の有無は着用前に必ず確認をしておきましょう。
ペルチェベスト基本の基 ②:空調ウェアとの併用がおすすめ
ペルチェベスト単体を着用した場合、冷たさを感じられるのは、どうしてもペルチェデバイスが当たる部分だけになってしまいます。しかし、ワークマンをはじめとした各社が展開している空調ウェア(空調服)を併用すると、その効果は格段に上がります。
今回は「ウィンドコアアイスペルチェベスト」の上から、ワークマンの「ウィンドコアジュニアシェルベスト」(2023年春夏製品)を着用してみました。
「ウィンドコアジュニアシェルベスト」の背面にはファンが2つ設けられている
Image by: FASHIONSNAP
空調ウェアは、ファンを回して衣服内に風の流れを作ります。空調ウェア単体で使用したときに生まれる風は、当然外気温と同じ温度ですが、ペルチェベストを併用した場合は、冷たい風の空気が生まれます。これがまるで冷風機の風を浴びているようで、予想以上に快適でした。ペルチェベスト単体のときよりも、圧倒的に涼しく感じます。
おすすめのインナーは?
当然ですが、ペルチェベストを着用するのは暑くて汗をかく時期になります。洗濯ができないペルチェデバイスがあまり汗で濡れないよう、インナーには吸汗速乾性が高いものを選ぶと良いでしょう。
また、ペルチェデバイスから熱が排出されるため、ウインドブレーカーのような通気性のない服を上から着用すると、熱がこもってしまう可能性があります。
ペルチェベスト基本の基 ③:洗濯が可能
ペルチェベストは、一般的な服とは少し扱い方が違うので、注意が必要です。
洗い方のポイント
夏に着るウェアなので、どうしても汗が気になりますし、汚れなどが付着したまま保管するとニオイや劣化の原因となる可能性もあるので、それぞれのパーツごとに適切な対処をしたうえで保管しましょう。
ベスト部分は一般的な衣料用洗濯洗剤を使えば、手洗いが可能です。ペルチェデバイスは洗濯ができないので、水に浸した布をよくしぼってから汚れを拭き取ってから乾いた布で拭くことが推奨されています。
保存環境の注意点
説明書では、長期間保管する場合はかならずバッテリーを取り外すよう、注意喚起されています。また、長期間使用しなかった場合は、付属のUSBケーブルとAC充電器(別売り)で必ず充電して下さい。充電時間の目安は約5時間。使用環境や使用状態によって差は出ますが、バッテリーは約300回繰り返しての充電が可能です。
まとめ
実際に着用してみて、ペルチェベストと空調ウェアの併用はマストだと感じました。ペルチェベストだけのときよりも重量は増えますし、ファンの駆動音もかなり大きくなりますが、そのデメリットを補ってあまりある涼しさは、一度体感したら忘れられません。
両方揃えるとなると、なかなかの金銭的負担になりますが、 これだけ暑くなった日本の夏が快適に過ごせるとしたら、納得できる投資だと思います。
ADVERTISING
PAST ARTICLES
【フォーカス】の過去記事
RELATED ARTICLE
関連記事
RANKING TOP 10
アクセスランキング
sacai Men's 2025 SS & Women's 2025 Spring Collection