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東京マラソン直前! 4つの潮流で読み解く、国内ランニング市場の今

ランニング写真のコラージュ

Image by: 080TOKYO/Takaaki Chikamatsu(左)、UNIQLO(右上)、FASHIONSNAP(右下)

ランニング写真のコラージュ

Image by: 080TOKYO/Takaaki Chikamatsu(左)、UNIQLO(右上)、FASHIONSNAP(右下)

ランニング写真のコラージュ

Image by: 080TOKYO/Takaaki Chikamatsu(左)、UNIQLO(右上)、FASHIONSNAP(右下)

 コロナ禍を経て健康意識が高まり、近年ますます注目を集めるランニング。国内最大級の大会エントリーサイト「ランネット」を運営するアールビーズの調査では、2024年度(2024年4月〜2025年3月)の国内の対象大会数は92(コロナ禍前の2018年度は80)と過去最多を記録した。国内ランナー人口はコロナ禍中の2020年をピークに漸減が続いているというが、都市部の若年層の間ではグループランを楽しむ新しいランニングカルチャーが広がっている。3月1日に東京マラソンを控える中、FASHIONSNAPでは国内ランニング市場の今を取材。4つの潮流から“ランニング新時代”を紐解く。

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初心者にも参加しやすいハーフマラソンが人気

 調査会社IMARCグループによると、2025年の日本のランニング市場規模は27億5050万アメリカドル(約4200億円)に達したという。同社によれば、2034年までに42億5190万ドル(約6600億円)まで拡大し、年平均成長率は4.96%となる見込み。フィットネス意識の高まりに加えて、人とのつながりを重視する側面から、ファンランナーとシリアスランナー両方の拡大を後押ししていると分析する。

2025年度ランナー世論調査のグラフ

アールビーズの発表資料をもとにFASHIONSNAP編集部で作成

 アールビーズが6500人超の市民ランナーの回答をまとめた「2025年度ランナー世論調査」では、実際に参加した種目でハーフマラソンは参加率62%となり、2024年度比3ポイント増加。また、5~10kmの中距離レースの参加率は同2ポイント増、駅伝やリレーマラソンは同1ポイント増となった。初心者ランナーにとってハードルの低い中距離レースや、仲間と一緒に楽しめる大会が支持を集めている傾向がうかがえる。

ユニクロも参戦! グループランで加速するプロモーション

 ランニング市場の今を語る上で欠かせないのが、グローバル規模で盛り上がりを見せる「グループラン」だ。ランニングというと、これまではタイムを求めてストイックに走るというイメージがあったが、仲間とともに会話を楽しみながらゆっくりとしたペースでジョグを楽しむグループランは、コロナ禍のステイホーム期間を経て、人との直接的なつながりをより重視するようになった世の中の価値観に合致した。欧米や韓国などではグループランが“出会いの場”としても親しまれているといい、日本でもランニングコミュニティが続々誕生している。

 ファッション業界関係者の間でもランニング人気は高まっており、そこからさまざまな新しい芽も生まれている。例えば、ファッション専門学校の文化服装学院のランニング部は、代々木公園を拠点に活動する人気ランニングクルー「080TOKYO」とコラボレーションして「ランニングとファッションを分断しないロングT」を発売。かつては中高年の趣味というイメージが強かったランニングだが、このように次世代の動きも活発だ。

 ランニング人気を背景に、スポーツメーカー各社がプロモーションを兼ねて行うランニングイベントの数も増えている。各社がメディア関係者やインフルエンサーを招いたグループランを実施し、ランニングを通したコミュニティーやカルチャーなどのブランド価値を発信。ランニングシューズを扱うある小売店の担当者は、「あらゆるスポーツメーカーがグループランイベントを実施したがるようになっている」と話す。もちろん、これまでもランニングイベントを行うスポーツメーカーはあったが、ランニング業界関係者に向けて新作シューズの着用感などをアピールする内容が中心だった。商品そのものではなく、コミュニティー価値を打ち出すイベントが目立つようになっている点が新しい。

ユニクロのランニングイベントの様子
ユニクロのランニングイベントの様子

ユニクロが行ったランニングイベントの様子

Image by: UNIQLO

 こうした流れを象徴するのが「ユニクロ(UNIQLO)」の動きだ。ユニクロは、店頭で無料配布している「LifeWear magazine」の2026年春夏号のオリジナルグッズとして、「ランクラブ」をテーマにしたカプセルコレクションを発売。それに合わせ、2月9日にインフルエンサーや一般公募で集まった消費者ら計50人を対象にしたモーニングランと朝食会を実施した。ユニクロはこれまでもランニングなど軽いスポーツシーンに適したアイテムを販売してきたが、ランニングにフォーカスしてこれほど大きなイベントを行ったのは今回が初めて。スポーツ専業メーカーではない大手カジュアルSPAが、「ランニングがプロモーションになる」と判断している。

ザ・ノース・フェイスのランニングイベントの様子
ザ・ノース・フェイスのランニングイベントの様子

ザ・ノース・フェイスが行ったランニングイベントの様子

Image by: THE NORTH FACE

 また、ゴールドウインの「ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)」は、渋谷のランニングカルチャーショップ「タイクーンランニング(TYCOON running)」と組んでグループランと音楽、クラフトビールなどが楽しめるイベントを2月18日に開催した。ザ・ノース・フェイスといえばパフォーマンスに軸足を置くブランドだが、今回のイベントは「カルチャーミックス」と銘打ち、シリアスランナーから初心者ランナー、まだ走っていない層まで含め、幅広い層に向けてランニングの魅力を発信していたのが印象的だ。

ロードランとトレイルランのカルチャーが融合

 3月1日に開催される東京マラソンに合わせて行われる合同展示会の東京マラソンエキスポ(2月26〜28日)に、2026年は「サロモン(SALOMON)」とザ・ノース・フェイスが出展していることも、今のランニング市場を語る上で欠かせない要素だ。両ブランドとも山を走るトレイルランニングでは実績が大きいが、ロードランニングにおいては後発のメーカー。これまで、近しい領域でありつつもカルチャーが異なったロードランとトレイルランが近づくことで、ランニングカルチャーの多様化や市場拡大がここからさらに進みそうだ。

サロモンの出展ブース
ザ・ノース・フェイスの出展ブース

東京マラソンエキスポ2026 サロモンの出展ブース

Image by: FASHIONSNAP

 サロモンは、東京マラソンエキスポへの出展は今回が初。1月に発売したレーシングシューズ「S/LAB PHANTASM 3」の試着コーナーに加えて、長年、トレイルランニング市場で支持されてきたランニングパックを展示販売する。ザ・ノース・フェイスは、8年ぶりの出展。以前はゴールドウインとしてブランド複合で出展していたため、ザ・ノース・フェイスとしての単独出展は初となり、2月に発売した日本企画のロードランニングシューズ「ヴェクティブ フォワード(VECTIV Forward)」を打ち出す。

 このようなアウトドアメーカーのロードランニングへの参入の動きと共に、中小規模の新興ランニングブランドが増えていることも、近年のランニングカルチャーを面白くしている。フランスの「サティスファイ(SATISFY)」や米国の「トラックスミス(Tracksmith)」などがその代表。また、ファッションや音楽において影響力の強い韓国でいまランニングが盛り上がっていることで、韓国カルチャーを好む日本の若い女性にも、おしゃれなライフスタイルの1つとしてランニングがじわじわ広がりつつあるのも注目の要素だ。

ランニングとワークアウトを組み合わせた新レースに注目

HYROX会場の様子

HYROX大阪大会の様子

Image by: FASHIONSNAP

 ウェルネス意識が高まる中で、ランニングだけでなく、ピラティス、ジムトレーニングなどさまざまな運動やワークアウトが消費者のライフスタイルに組み込まれるようになった。次に人気が出そうなコンテンツとして、FASHIONSNAP編集部は「ハイロックス(HYROX)」に注目。ハイロックスは、1kmのランニングと8種類のワークアウトを交互に行う屋内フィットネスレースで、2017年にドイツで誕生。初心者からエリートまで「Every Body(すべての人)」が挑戦できる「世界的なフィットネスの祭典」として、2026年は世界で年間106回の開催を予定、参加者は90万人超となる見込みだ。「プーマ(PUMA)」がグローバルパートナーとして、ハイロックス向けのシューズやアパレルを企画している。

HYROX会場の様子
HYROX会場の様子

HYROX大阪大会の様子

Image by: FASHIONSNAP

 日本では、2025年8月に横浜で初開催し、2026年1月に大阪で行われた第2回大会には8000人超が参加。韓国の男性アイドルグループSHINeeのミンホやインフルエンサーの参加も目立った。参加者たちの華やかなファッションも、今後さらなる人気を呼び込みそうな要素となっている。

 ランニングはこれまでも国内外で何度かブームがあったが、コロナ禍をきっかけにランニングが仲間とのコミュニケーション手段として若い世代にも認知され、フェス気分で楽しむハイロックスのようなレースも増えている。ストイックにタイムや距離を追求するだけではない、“楽しく”体を動かすムーブメントによって、ランニング市場は新たなステージへと進んでいる。

グループランの様子

Image by: 080TOKYO

最終更新日:

張替美希

Miki Harigae

茨城県出身。得意の英語を生かし外大に進学するも、幼少期から抱いていたファッション雑誌への憧れから、ライターを志す。大学卒業後、2022年に株式会社レコオーランドに入社。主にスポーツとファッションの領域で記事執筆を担当する。趣味はアイドル鑑賞で、エビ中ファミリー(私立恵比寿中学のファンの総称)歴は10年。週末はライブに握手会に大忙し。

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