写真左から)atmos 小島奉文、mita sneakers 国井栄之
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Image by: FASHIONSNAP.COM

Fashion スニーカートップセラーに聞く

【スニーカートップセラーに聞く-後編】atmos 小島奉文とmita sneakers 国井栄之が語る2020年のスニーカー市場

写真左から)atmos 小島奉文、mita sneakers 国井栄之
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 日本を代表するスニーカーショップのキーマンが1年間を振り返る「スニーカートップセラーに聞く」。後編では、アトモス(atmos)のクリエイティブディレクター小島奉文とミタスニーカーズ(mita sneakers)のクリエイティブディレクター国井栄之の2人が、2019年のスニーカー市場を振り返り、2020年のトレンドを予測する。

■【スニーカートップセラーに聞く-2019- 】
前編:atmos 小島奉文とmita sneakers 国井栄之が選ぶ今年のベストスニーカー5選
後編:atmos 小島奉文とmita sneakers 国井栄之が語る2020年のスニーカー市場

■【スニーカートップセラーに聞く-2018- 】今年のベスト&最多着用は?これからのシューズ事情も

mita sneakers 国井栄之
atmos 小島奉文
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■小島奉文
1981年生まれ。文化服装学院を卒業後、スニーカー業界へ。atmosクリエイティブディレクターを担当し、数々の別注企画を手掛ける。スニーカーのモノ・コト・ヒトに精通する自他ともに認めるキックスフリーク。

■国井栄之
「mita sneakers」のクリエイティブディレクター。数多くのブランドとのコラボレートモデルや別注モデルのデザインを手掛けるだけでは無く、世界プロジェクトから国内インラインのディレクションまで多岐に渡りスニーカープロジェクトに携わる。

 

FASHIONSNAP.COM(以下、F):まずは今年のスニーカー市場の振り返りから。率直にどんな1年でしたか?

ミタスニーカーズ 国井:チャンキーなシルエットのトレンドが終わると思っていたんですけど、想像していたよりも長く続いていますね。ソールの開発が進んで行く中で、クッション性が良いスニーカーを求める人が多く、「チャンキーなシルエットのシューズは履き心地が良い」と支持されたんだと思います。ただチャンキーなシルエットのことをダッドスニーカーと呼ぶようなファッションコンシャスな人たちは違うシルエットに移行していて、それはセブンティーズランニングみたいな細身でシュッとしたロープロファイルなシルエットだったり、コート系、アウトドア、他にもスニーカー以外のカジュアルシューズ、先日藤原ヒロシさんがコラボレーションしていた「レッド ウィング(RED WING)」みたいなブーツだったりと様々で。2018年は皆同じ方向を向いていた感じがありましたが、2019年は少し細分化したように思います。

アトモス 小島:ダッドという言葉は聞かなくなるかもしれないですが、カテゴリーとしては残っていくでしょうね。「ホカ オネオネ(HOKA ONE ONE®)」は今年も変わらず調子が良く、今年の売れたブランドの上位に入ると思います。去年は日本人がよく買っていましたが、今年はアジアの他の国の人から人気でしたね。他にも昨年すごく伸びた「フィラ(FILA)」は、今年少し落ち着きましたがウィメンズではコンスタントに売れていて定番シューズの一つになったのではないかと思います。ただ、ホカオネオネもフィラも人気の型が偏っているので次の一手をどうするのかが非常に興味深いです。他の傾向で言うと、昨年から引き続きですが白ベースのスニーカーが人気でした。マンスリーの売れ筋ランキングを出しているんですが、殆どが白をベースにしたカラーリングで。展示会に行っても白ベースが多いですからね。

F:小島さんは昨年のインタビューで、シースルー素材と多色使いのカラフルなスニーカーが人気になると予想していました。

アトモス 小島:アトモスの企画でも積極的に採用して作っていたというのもありましたが、多色は今年人気でしたよ。シースルーは春夏シーズンに沢山発売されましたし、レザー、スエード、メッシュ、ニットなどと同様に定番の素材として今後も残っていくと思います。

F:来店客の年齢層に変化はありましたか?

ミタスニーカーズ 国井:若いお客さんが増えましたね。特に6月から「デジタルドレスコード制度」を導入したんですが、SNSを織り交ぜた施策なので、SNSに慣れ親しむ10代にリーチできたんだと思います。ただ、その若い人たちが求めているものは、ハイプなものに偏りがちなので、別のスニーカーにも目を向けてもらうにはどうするべきかと、試行錯誤しています。

アトモス 小島:うちはメインのターゲット層が18歳から24歳と設定しており、元々若い人は多いんですが、ある日大学生のお客さんと話していたら、クラスでレアスニーカーを買えた買えなかったみたいな会話をしているらしく、やはり限定スニーカーが注目されているようです。SNSの普及もあってリセールが増えていて、それこそ日本のリセールサイトが立ち上がったりと若者の興味は益々、ハイプなシューズに人気が集中する環境化ではあると思います。それが良いか悪いかはさておき、スニーカーに興味を持つきっかりにはなっているので、国井さんがおっしゃるとおり、そこからどう深堀りしてもらったり他のインラインモデルに波及させるかがキーになるかと思います。

F:アトモスは抽選に関して取り組んでいる施策はありますか?

アトモス 小島:今はアプリに力を入れて、メンバーシップ制度のプッシュ通知の販売をしたりしていますが、何が正しいのかは模索中で。使いこなせていない部分があるので、徐々に改善していければという感じです。

F:ミタスニーカーズのデジタルドレスコード施策、フィードバックではどういった意見がありましたか?

ミタスニーカーズ 国井:興味深かったのは、スニーカーの箱に入れてのダンボール梱包がいいか、箱なしの簡易包装がいいかというアンケートを取ったんですが、簡易包装で良いっていう意見が多くて。スニーカーファンの人たちは箱も商品の一部みたいな考えの人が多いと思っていたんですけど、実際は違ったみたいです。

アトモス 小島:それは意外ですね。

ミタスニーカーズ 国井:もちろん全員じゃないんですけど、圧倒的に多かったのが簡易包装でした。聞かないと知り得ないことだったなと。

アトモス 小島:確かに良い意見ですね。スニーカーじゃないですけど、たまに通販で物を買うと、小さいものなのに過剰な梱包でかなり大きなダンボールで届くようなこともあったりしますけど、そういう感覚に近いんですかね。

ミタスニーカーズ 国井:24時間ゴミが捨てられる家じゃなかったらダンボールが邪魔になるからね。全員が同じ意見ではないですが、若い人の考え方や感性がフィードバックとして届くことで、色々再確認できることが多いです。

F:今のスニーカー市場は正直ピークを過ぎた印象があるんですが。

ミタスニーカーズ 国井:確かに何でもかんでも売れるという状況は落ち着いたと思いますが、正常に戻ったという訳でもないという感じですかね。

アトモス 小島:昔は全く売れない時期がありましたもんね。

ミタスニーカーズ 国井:今までが異常だったんですよ。

アトモス 小島:確かに。ピークが異常だったというのが正しい表現ですね。

ミタスニーカーズ 国井:僕らもずっと右肩上がりでいくとは思っていなかったですが、ピーク時は1年間に3足あれば充分というような人たちが10足も20足も買っていたので、その異常な時期と比べるとたしかに選んで購入するようになったと思います。でも1年間に1足も買わない人たちがまだまだたくさんいて、そういった人たちにスニーカーの本来の魅力を伝えられれば伸び代はまだまだあるはずで。

F:アトモスは、女性限定のスニーカーコンペディション「アトモス ピンク パーティー」の初開催や、神宮前交差点の「ウィゴー(WEGO)」跡地に「アトモス ピンク(atmos pink)」初の旗艦店をオープンするなど今年ウィメンズに注力してきましたね。

アトモス 小島:ウィメンズは、まだスニーカーをたくさん持っていないという人が多いと思うので、可能性を感じています。世界的に見てもウィメンズのスニーカーショップでうまくいっている店がまだないので、チャレンジ要素が強いんですが。

ミタスニーカーズ 国井:僕らみたいな小さな規模での小さなチャレンジではなくて、今のアトモスのような大きな規模での大きなチャレンジは変える可能性が大いにあると思う。ただ求められるものも多いだろうからすごく大変だろうけれど。

アトモス 小島:カップルがペアで履くスタイルがアジアでは増えてきていたりと、新しい楽しみ方が出てきているんですよね。今は種を植えて水を撒いている途中というか、女性だけで「スニーカー買いに行こうよ」となるような購買行動の流れをどれだけ自然に作ることができるかというのが一つのミッションです。

F:2019年のトレンドスニーカーは何でしょうか?

ミタスニーカーズ 国井:昨年のこの企画で答えた通りランニングからコートに移行したのは間違いないと思います。

アトモス 小島:そうですね。問い合わせの数を見ていてもそういう傾向ですね。

F:コート系の中では今年は特に「エア ジョーダン 1」が目立っていました。

アトモス 小島:怖いくらい売れています。最近ではエア ジョーダン 1 レトロ ハイ OG(AIR JORDAN 1 RETRO HIGH OG)以外も売れてきていて、「ジョーダン 1 MID」だったり「ロー」だったりにも人気が派生しています。

ミタスニーカーズ 国井:今日がすごくいい例で、小島君はナイキ SBのローカットを履いていて、僕はミッドカットを履いている。昔は、エア ジョーダン 1のハイカットのOGカラーのオリジナルのディテールじゃないとダメみたいな感じだったのが、そうではなくなってきているんですよね。

アトモス 小島:3年くらい前までは、JUMPMANロゴのミッドとかありえないっていう人もいましたもんね。

ミタスニーカーズ 国井:OGに対しての固定観念があまりない世代の人たちが増えているからなのかなと。

アトモス 小島:確かに。若い世代の人はOG以外もありな人が多い気がしますよね。

F:エア ジョーダン 1のオリジナルだったりヴィンテージスニーカーにも注目が集まっているように感じるんですが?

ミタスニーカーズ 国井:インスタグラムで投稿している人も増えた気がしますね。マーク・パーカー(Mark Parker)も集めているらしいですし、ちょっとアート収集の感覚に似ているのかもしれません。当時のオリジナルを持っている人って実際にそれを街で履いていなくて、復刻を履いて家にオリジナルを飾っておきたいっていう考えの人が多いと思うので。

(写真左から)ジョーダン ブランド×ファセッタズム エア ジョーダン 1 ミッド SE フィアレス、ナイキ SB エア ジョーダン 1 ロー

 

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