
Image by: FASHIONSNAP

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コスメ、フード、ツール、香りモノ… その人の美しさをブーストしている愛用品を聞く「美のSTOCK LIST」。第7回は、ファッションショーや展示会で見かけるたび、しなやかな芯を感じさせる、凛とした佇まいが印象的な「チカ キサダ」のデザイナー、幾左田千佳のストックリストをチェック。
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幾左田千佳:幼少期よりクラシックバレエに触れて育ち、14年「チカ キサダ」を立ち上げる。TOKYO FASHION AWARD 2017受賞。23年「ミラ ショーン バイ チカ キサダ」のディレクターに就任。25年は新国立劇場バレエ団のプログラム「Young NBJ GALA 2025」の舞台衣装にも挑戦。現役ダンサーの身体と呼吸を熟知した独自のデザインで、バレエ界にも新風を吹き込んでいる。
目次
⎯⎯ 元バレエサンダーと聞いて納得のスタイルを維持していますね。どんなことに気をつけていますか?
気をつけているのは、食事です。外見は、食べるものですごく変わるというのをダンサー時代にもすごく感じていたので。
⎯⎯ 食材とか、リズムとか?
食材は旬のものを、なるべく加工せずにありのままで食べます。自宅では、蒸したり焼いたりが多いです。基本的には、好きなものを好きなだけ食べます。
⎯⎯ 制限はなし?
気にしすぎてストレスになる方が良くないので、ダイエットはしないです。もう何年も体重計にものっていません。執着しないことと、気をつけながら楽しむ、ということだと思います。
⎯⎯ 運動はしていますか? バレエの稽古は今も続けていると聞きました。
平日は仕事で忙しいので、週に1回ほどのペースですが、続けています。バレエ以外もいろいろ試してみたのですが、運動が得意でないので続かなくて… バレエは昔からやっていて、身体が覚えているし、私の場合はバレエしかできないという感じです。あと、気をつけているのは睡眠。なるべく8時間寝るように心がけています。

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忙しい毎日に、わずかな余白のためのお茶
⎯⎯ では、幾左田さんのストックリストを拝見。たくさんあるパック袋の中身は、お茶ですね。
今一番気に入っているタイプのお茶を持ってきました。ほうじ茶、ばん茶、ミント茶、バジル茶。朝はコーヒーでスイッチを入れるのですが、それ以降はお茶を選ぶようにしています。慌ただしい日々の中で、心にわずかな余白をとるために、お茶を淹れるようにしています。
⎯⎯ いろんなお茶屋さんの茶葉がありますね。
お茶は元々好きで、海外に訪れると必ずその土地のお茶を買って帰ります。今日持ってきたのはすべて「清水茶寮」というお店さんから取り寄せたものです。私の両親のルーツがある土地にお茶畑があって、そのお茶を扱うお店を探していた時に見つけました。「バイオダイナミック」という無肥料・無農薬の栽培方法にこだわったお茶を取り揃えています。一つひとつのお茶にストーリーがあって、農家さんの想いを知ることで自然と応援したくなりますし、お茶選びの時間から楽しませてくれるお茶屋さんです。
⎯⎯ 1日でこの4種類くらいは飲んじゃう?
そうですね。特に、ミント茶とバジル茶は香りがすごく豊かです。味わいはもちろん、その香りを楽しむ意味でも、日常的に飲んでいます。
⎯⎯ お茶は体にいいといいますが、効能面はどうですか?
脂肪の燃焼を助けると言われているみたいで、ダンサーの方々でもお茶を習慣にされている方は多いですね。私自身もバレエのレッスンの30分ほど前から飲むようにしています。ミント茶を取り寄せた時は、添えられていた手書きの手紙に「今は風邪が流行っているからミントを少し入れてみてください」と書いてありました。

清水茶寮から取り寄せているお茶。(左から時計回りに)「阿蘇の農園 焙じ茶」「秋ばん茶」「ミント茶」「ホーリーバジル茶」。1袋1,000円前後で通販可能
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リップクリームとして使っている軟膏
⎯⎯ スキンケアで大事にしていることはありますか?
スキンケアは本当に疎くて… 乾燥しやすいですし、トラブルも重なりがちなので、改善したいなと思ってはいるのですが、情報の多さに何を選べばいいのかわからず。色々なものを試しては変えて、という感じで、試行錯誤している状態です。朝晩の保湿パックとか、基本的なケアは欠かさないようにしています。

ボワロン(BOIRON)の軟膏「オメオプラスミン」。赤ちゃんから大人まで使えるオールマイティな軟膏で、フランスの家庭ではおなじみの名品
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⎯⎯ このチューブは、何用ですか?
これは「ボワロン(BOIRON)」の軟膏「オメオプラスミン」ですが、主にリップクリームとして使っています。あと指先の乾燥ケアなどにも。仕事柄、紙に触れる機会が多く指先の水分を吸い取られてしまうので、少量でしっかり保湿できるところが気に入って、10年以上使い続けています。フランスの薬局では定番品のようで、パリを訪れるたびに5本くらいまとめ買いしています。お土産にしてもとても喜ばれます。
⎯⎯ ワセリンみたいな感じ?
用途としては、そうですね。元々、友人のメイクさんに教えていただいたんですけど、ツヤ出しや下地など、いろいろな使い方ができるみたいです。
フィロソフィーに敬意を払う「エルメス」のリップ
⎯⎯ リップもたくさんお持ちいただきました。すべて「エルメス(HERMÈS)」ですね。
素敵なリップってたくさんありますけど、やっぱり何を選んだら良いのかわからなくなってしまうんです。私は、エルメスというメゾンが大切にしているフィロソフィーや姿勢をすごくリスペクトしていて。そういった敬意も込めて、最近はリップはエルメスで揃えるようにしています。

「ルージュ エルメス」のリップは、色と質感違いの5本を愛用。一番のお気に入りは、赤みベージュの「リップスティック サティネ 86」(写真左奥)。「このまま直塗りします。さらに赤を足したり、少し違う質感を重ねるのも好きです」(幾左田)
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⎯⎯ 5本をどのように使い分けていますか?
その日の気分やコンディションで楽しんでいます。この5色のバリエーションがあれば、どんなファッションにも合わせられるんです。ピエール・アルディが手掛けた佇まいもいいですよね。やっぱり愛用するものだからこそ、シンプルなものに惹かれます。エルメスのリップはきっとこれから先も使い続けていくと思います。
NYのホテルの部屋で香った「ル ラボ」やビュリー
⎯⎯ 好きな香りについても教えてください。
10年以上前に、ニューヨークで泊まったホテルの部屋がすごく好きな香りで満たされていました。フロントで何を使っているのか聞いたら、「ル ラボ(LE LABO)」の「サンタル 33」だと教えてくれたんです。すぐに現地のショップに行って購入したのが最初の出合いで、以来ずっと使っています。1本は自宅で、もう1本はアトリエで。
⎯⎯ ル ラボを世界的に有名にした名香のひとつですね、ウッディでスモーキーな。旅先で出合ったというストーリーが素敵です。
香りは目に見えないですが、記憶に深く残る。そういう余韻のようなものを、私はすごく大事にしています。服づくりにおいても、お茶を淹れる時間も、私にとっては心身を整えるための装置のようなもので、なくてはならない存在です。
⎯⎯ 「オフィシーヌ・ユニヴェルセル・ビュリー(OFFICINE UNIVERSELLE BULY)」の香水もありますね。
パリのお店で出合ったブランドです。その物語性やプロダクトの美しさに惚れ込んで、最初はキャンドルを手に取りました。その後、やはりストーリーに惹かれて香水も試してみたのがきっかけで、今は気持ちを切り替えたい時にこの2つの香りを楽しんでいます。「リケン・デコス」はスコットランドの苔がインスピレーションだそうで、そのストーリーも素敵ですよね。基本的にウッド系の自然に近い香りが落ち着きます。

オフィシーヌ・ユニヴェルセル・ビュリーの「オー・トリプル」は、アルコールやエタノールを含まない水性香水のシリーズ。(左から)「オー・トリプル セードル・デュ・リバン」、「同 リケン・デコス」、ル ラボのサンタル 33(100mL、50mL)
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⎯⎯ 小さい瓶は、部屋用の香り?
これ、教会の香りがしません? 寝室のサイドテーブルに置いていて、就寝時にオイルを垂らして香らせています。

オフィシーヌ・ユニヴェルセル・ビュリー「アラバストル サクル」。陶器に収められたストーンに、フレグランスオイルを垂らして使うフレグランスディフューザー
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⎯⎯ 寝る前の儀式のような?
そうですね。愛猫と暮らしていることもあり、ごく淡く優しく漂うのがいいです。あまりにもこの香りが気に入っていて、マフラーやハンカチに忍ばせて持ち歩くこともあります。
⎯⎯ ものすごく疲れた時は、どうやってリフレッシュしますか?
やっぱりバレエですね。お稽古に行って、体を伸ばして汗をかきます。思考や感覚までもほぐれて、心身が整っていきます。疲れている時こそ、あえてスタジオに行くことが多いです。なんでもいいと思うんですけど、デスクワークは自然と緊張して固まってしまうので、意識的に体をほぐすのが大切ですね。

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⎯⎯ 日常の中で、小さなものを少しずつ、呼吸するように取り入れる姿勢がいいなと思いました。
ありがとうございます。こうした小さな所作の積み重ねで、幾左田はできあがっています(笑)。すべてに共通しているのは、ストレスをいかに軽くするか、ということかもしれません。日常の中でふとした気づきをデザインに取り入れたいので、肩に力が入っていると、大切なものを見逃してしまいそうですから。
⎯⎯ 最後に、幾左田さんにとって、美しさとは?
私にとって美しさとは、決して結果ではないと思っています。心身にどう向き合っていくかという過程そのもの。だからこそ私は自然と完璧すぎないもの、決めつけのないものに惹かれます。服も、着る人によって在り方が変わっていく。そんな不完全さも大切にしています。クセを感じるものって美しい。外見や年齢に縛られるのではなく、その人が過ごしてきた時間に寄り添えたらいいなと思っています。
最終更新日:
Miwa Goroku
コレクション取材記者を経て、フリーランスのエディター&ライターに。雑誌や広告、ウェブメディアなどさまざまな媒体で、執筆やディレクション、コーディネーションを手がける。ファッション、ビューティーを軸に、クリエイティブに関わる人やカルチャーをフォロー。
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