Fashion インタビュー・対談

【トップに聞く】経営統合から3年で黒字化 TSIホールディングス三宅正彦

TSIホールディングス 代表取締役会長兼社長 三宅 正彦
TSIホールディングス 代表取締役会長兼社長 三宅 正彦
Image by: Fashionsnap.com

 物づくりという「工」を強みとする東京スタイルと、ブランディングの「商」を強みとするサンエー・インターナショナルの経営統合から3年。TSIホールディングスが、抜本的な構造改革にともなって今期はじめて黒字に転じた。三宅 正彦(みやけ まさひこ)代表取締役会長兼社長は、"洋服離れ"と叫ばれる近年をチャンスと捉え、総合ファッション企業のリーディングカンパニーを目指すと語る。生き残りをかけたグループ再編が3年をかけて完成形となった今、これから突入するという「"攻め"のステージ」とは。

— ADの後に記事が続きます —

■既存のやり方では通用しない

―2011年に東京スタイルとサンエー・インターナショナルが経営統合し、TSIホールディングスが設立してから3年間、「聖域なき構造改革」を掲げてきました。

 サンエー・インターナショナル(以下、サンエー)と東京スタイルの経営統合は、アパレル企業にとって厳しい競争を強いられている時代に、生き残りを懸けて踏み切った改革でした。最初の3年間は、TSIホールディングス(以下、TSI)の直下にサンエーと東京スタイル、その下に子会社がぶら下がっている体制。TSIという新しい組織にしていくために、両社それぞれの構造改革を行ってきました。

―今年3月と9月に実施されたグループ再編で、事業会社を直接統治する2層体制にした目的は?

 9月1日をもって、TSIと東京スタイル、そしてサンエーが合併しました。TSIホールディングスの下に24の会社が並び、これまでの3層構造から2層構造になったということで、これをもって経営統合が完了したと言えますね。本社で戦略を立て、それぞれの事業会社で自立した経営体制を確立していくという体制です。

 生き残れるブランドを持っている会社同士で事業領域に応じて分社化したことで、フラットになった上に小さい会社でも機動力が出てきました。各々が自立した体制ですが、必要なものはTSIに吸い上げ、必要なところに重点的に投資する。ここからは、持続的な成長を目指すステージに突入していきます。

―旧東京スタイルについては1300店舗から650店舗に圧縮。またフリーズショップといった不採算ブランドを廃止するなど、大胆なコスト構造の改善を図ってきました。

 コスト構造改革は、統合による命題のひとつでした。既存のやり方では通用しませんので、収益を改善できなかった事業については、撤退はやむを得ません。今の時代、誰がどこでどういう買い方をするかに応じて、求められるブランドも変わっていくでしょう。スリム化することで、新しいビジネスに積極的に挑戦したり改革していくことができます。そういう意味では、若い人がどれだけ携わっていくかという人材の育成も重要になってきますね。

―特に伸びている事業は?

 売上げトップはナノ・ユニバース事業で、全体の13%近くを占めています。その他に、ローズバッドやマーガレット・ハウエル、パーリーゲイツといった主力ブランドが順調に伸びてますね。ブランドプロデュース力や感性を持ったサンエーは、工場を持っていなかった。一方で東京スタイルは工場を国内外に持っていました。グループ化によってそれぞれの特性が融合したことは大きく、事業インフラの共通化によって経営力を強化していますので、伸びている業態はウエイトを増やしていっています。

―業績では、統合から3年目にして当期純利益が黒字に転換しましたね。

 3年の構造改革で黒字化に目途がつき、2014年3~8月連結業績で統合後はじめての営業黒字に転じましたから、ようやく新しい戦略として攻めの方にシフトできるという段階です。しかしまだ変革の最中ですから、満足はしてませんね。サンエー時代の良い時には経常利益率が8%まで達して、これはアパレル企業としてひとつの目標値でしたから、その水準に持っていきたいと考えています。

 次のページは>>積極的な「衣食住+遊」の業態開発とオムニ化の背景

最新の関連記事

Realtime

現在の人気記事

    次の記事を探す

    Ranking Top 10

    アクセスランキング