Fashion インタビュー・対談

【インタビュー】デザイナー滝沢直己が語る ユニクロの新しい服とプロセス


―各カテゴリーに表示されている記号のようなアイコンの意味は?

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カシミヤのプロジェクト

 各アイコンはプロジェクト化したアイテムのコミュニケーションの手段で、アプリのようにアップデートしていくということを意味しています。例えばデバイスを手にして、デニムプロジェクトのアイコンをクリックすると画像が出てきて、その説明とスタイリングが表示されて購入まで完了するということもできるでしょう。プロジェクトというコンテンツを使うと、お客様に直接届きます。iPhoneのように全世界の人が使うことができるツールを、服の世界でも実現したいですね。距離感を縮めてくことも目的の1つです。

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―ユニクロ社内のチームでは、意識やシステムの変化はありますか?

 これまでのユニクロは、どちらかというと単品の開発に特化していました。でも「LifeWear」の考え方は、単品の枠を全て取ったときに、どんなハーモニーが生まれるかというもの。いわゆるコレクションを作る考え方ですね。今までやってきたことをさらに延長して深く追求するのと同時に、プロジェクト同士で手を結んで全体のコレクションを作り上げることが大切です。総合力や意識改革は必要で、現在取り組んでいる最中ですがオーケストラを組んでいくような感覚に近いですね。

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―店舗はどう変わっていくのでしょうか?

 店舗でも当然、新しいコミュニケーションになっていくでしょう。これからびっくりさせたいプランの1つなので今は言えませんが、才能ある人たちのアイデアが集まっている所なので、自分でもとても楽しみですね。実際は、新しいコレクションの発売と同時進行でゆるやかに変えていくことにはなると思いますが、その服の価値が説明しなくても伝わって、お客様が選びやすい組み合わせをしやすい。そしてユニクロが提案する新しいムードが伝わるような店舗を目指したいと思っています。

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スウェーデンのテキスタイルデザイナーグループ「10-gruppen(ティオ・グルッペン)」とのコラボレーション

ユニクロと1億人を結びつける 3つの要素

―万人受けするデザインは可能なのでしょうか?

 私は日本だけではなく、パリやニューヨークなど世界各地で仕事をして、捉え方や意見の違いを実感してきました。全ての人に共通ものを提供するのは難しいことですが、ユニクロとしては3つ、結びつけるものがあると思っています。

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30色柄以上をそろえるコットンフランネルのプロジェクト

 まずは「機能」。地球上の様々な天候による暑さや寒さ、あるいは外敵から自分の身を守ろうという意識は共通していますよね。服の役割としての根源の追求です。2つ目は「色」。アメリカとヨーロッパでは好まれる色が違ったり、感覚も違います。それらに対応するために、カシミヤで20色以上、ウルトラライトダウンでは30色以上、チェックでも30柄以上を用意します。そこですでに、ナショナリティとか色彩感覚の違いに対応できる内容を揃えるということです。

 3つ目は、私が今の時代のキーのひとつだと思っている「肉体意識」ですね。80年代のDCブランドブームの後、90年代には徐々にシンプルが主流になってきて、そして2000年代に入ったときには、身体そのものに対する意識が高くなってきたことを感じています。服がシンプルになると、エステやジムで身体をデザインする人が増えて、肉体意識が高くなる。フォルムを自然ときれいに出せるような素材やカッティングなど、身体と服の関係に対する考え方は人間として共通する意識だと思うんです。

―3つ目の「肉体意識」に対して、どんな工夫をしているのでしょうか?

 例えば今シーズンのレギンスパンツは、脇のラインやカッティングを細かく変えています。脚が細く、腰が高く見える工夫をしてるんです。そうやって時代のムードを取り入れつつ3つの要素をそろえることが、ユニクロがこれまでも取り組んできた「MADE FOR ALL」を実現するキーになると考えています。

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レギンスパンツのプロジェクト


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