Fashion インタビュー・対談

【インタビュー】ファッション+音楽イベント「VERSUS TOKYO」見所は?オーガナイザー吉井雄一に聞く

スペシャルイベントオーガナイザー吉井雄一
スペシャルイベントオーガナイザー吉井雄一
Image by: Fashionsnap.com

 東京で行われるファッションウィーク最終日の3月23日に、国内では2回目の一般参加型ファッションイベント「VERSUS TOKYO(ヴァーサス トーキョー)」が開催される。六本木「東京ミッドタウン」で1日限りのイベントとして開催された初回に続く今回は、ファッションと音楽を融合するオールナイトイベントにパワーアップ。今、東京で最も旬なデザイナーやアーティストが、渋谷ヒカリエ「ヒカリエホール」で14時間半に渡って個性豊かな才能とクリエーションをぶつけ合うという。「五感を直球で刺激するイベントに」と話すスペシャルイベントオーガナイザーの吉井雄一氏に、開催の目的や見所を聞いた。

 

―2011年10月に開催された「VERSUS TOKYO」、初回の反響は?

 1日に同じ場所でたくさんのブランドがショーをやる音楽フェスのようなイベントは初めてでしたが、1万人以上の一般のお客さんが来てくれて、思った以上の反響がありました。ブランド側からは、国内やアジアで新規取引先が増えたという話も聞いています。


―その後にイタリアのメンズ見本市「Pitti Immagine Uomo(ピッティ・イマージネ・ウオモ)」に出展。そして再び国内で2回目のイベント開催となった今回の目的はを教えてください。

 目的はまず第一に、ファッションが盛り上がること。初回から一般開放のイベントにしているのは、今これだけ誰でも情報が発信できる時代、その中で業界と一般の境界線が曖昧になっていることを感じたからです。実は消費者である一般のお客さんのほうが鋭い視点を持っていて影響力があったり、そんな時代ですよね。ジャーナリストやバイヤーはもちろんですが、見てもらうべき人は業界の人だけではないと思っています。

 もう1つは、ファッション業界を目指す人が減っているという現状です。若い人たちに、ファッションで夢を持ってもらいたい。自分が若い頃に影響を受けたものがあったように、「VERSUS TOKYO」を体験して志を新たにしたという人が1人でも増えて欲しいですね。

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前回のトリを飾った「mastermind JAPAN(マスターマインド・ジャパン)」


―今回はファッションだけではなく音楽も融合。そのコンセプトは?

 構想の段階から、東京のエッジ感を表現したい、東京というシーンの中でイケてるものを見せたい、と思っていました。今回のコンセプトは「感覚に訴えていきたい」ということです。誰にでも言葉に出来ない瞬間ってありますよね。目で見て耳で聞いて、五感を駆使しながら毛穴が開くような思いをしてもらいたい、言葉にならない興奮を感じてもらいたい、と思ってファッションを中心にしながら東京のシーンでは欠かせない音楽も混ぜることにしました。DJとして参加してくれるVERBAL(バーバル)さんや、「KITSUNÉ(キツネ)」のGILDASとMASAYAの2人はファッションにも関わりが深いし、面白いことになると思いますよ。


―参加ブランドの特徴や見所は?

【C.E(シーイー)デザイナー:Sk8ightTing】
 まず楽しみなのは、今回のヴィジュアルに使っているグラフィックも担当してもらったSk8ightTing(=スケシン)さんの「C.E」。今の東京らしいカルチャーについて説明する時に欠かせない人ですね。彼のコレクションを発表するということは、2013年の東京ファッションウィークを象徴する出来事になるんじゃないか。未来の方へ向いたコレクションを見せてくれると思っています。


【FACETASM(ファセッタズム)デザイナー:落合宏理】
facetasm-2013ss-top-facetasm_01_.jpg  いま1番勢いに乗っているジェネレーションの筆頭。目覚ましい成長は、多くの人に夢を与えていると思います。そんな彼らが次に何をやるか、皆が注目しているはず。先シーズンはファッションウィークのオープニングショーを飾って、今回は勝負の時かもしれない。ブランドのキャリアにおいても重要なコレクションになりそうです。


【GANRYU(ガンリュウ)デザイナー:丸龍文人】
ganryu-2013ss_20120731_002-2.jpg  彼はコム・デ・ギャルソン社のホープで、新しい表現をしている1人。千人クラスのパブリックな場で発表する初めてのコレクションになります。そういう意味ではデビューの瞬間になるんじゃないかと思って、今からドキドキしています。


【NAISSANCE(ネサーンス)デザイナー:熊谷隆志】
 この業界で長く第一線で活躍している熊谷さんは、東京のシーンを語る上で欠かせないキーパーソンの1人。多彩に活動されている中で、「NAISSANCE」はシーズンごとに進化していて驚きます。きっと熊谷さんにしか出来ないことをやってくれるでしょう。


【MR.GENTLEMAN(ミスター・ジェントルマン)デザイナー:オオスミタケシ & 吉井雄一】
mrg_p13ss_01-2.jpg  "新しいベーシックを追求したい"という思いから立ち上げたブランドです。作る側になって初めてわかる大変さは山のようにあって、自分の身の丈を毎シーズン表現しているような感じ。常に半年先を考えるビジネスで、いかに向上させていくかで戦っています。でもそれってすごく面白くてスリリングなんですよね。今回のラインナップを選ぶ中で、単純にフレッシュで面白いブランドという観点で加えました。(自分のブランドを選びやがって、と言わせないものを見せるつもり!)本当の意味でのスタートラインになると思っています。


―運営会社の事情によって不参加になったブランド「PHENOMENON(フェノメノン)」について。
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PHENOMENON 2013年春夏コレクションより

 参加できなくなってしまったのは、正直とても残念でした。東京の素晴らしいクリエイションを見せる時、デザイナーのオオスミさんは欠かせない存在なので。でもブランド自体は続いていて、春夏の新作の発売の時にはヘッドショップでもある「THE CONTEMPORARY FIX」にたくさんのお客さんが来ましたよ。発表は遅れるかもしれないけれど、次のシーズンのデザインも進んでいるはず。自分の役割としては「PHENOMENON」に限らず素晴らしい才能を絶やさないようにサポートをしていきたいし、その使命を改めて感じています。


―パワーアップして開催する「VERSUS TOKYO」の課題はありますか?

 開催の意味として、最終的にはビジネスに近付けていかなくてはいけないと感じています。ただ、そこがお客さんに見え過ぎてしまうと冷めちゃいますよね。なのでまずはシンプルに、ファッションをどう見せるか、見た人にどう感じてもらえるか、という基本から取り組んでいます。それと、世界と日本の差が縮まってインターナショナルな評価対象になるように、海外の人に少しでも多く日本のファッションウィークに目を向けてもらいたい。ジャーナリストやバイヤー、一般のお客さんも含めて「見逃せない」と思わせるイベントを目指します。


ーファションと音楽を融合した初のオールナイトイベント。どんな内容になるか。

 単純に「カッコイイものを見せる」という直球勝負。それを理屈抜きで、全身で体感できるイベントにしたいと思っています。ヒカリエホールをフルに使ってショーやコンテンツを交互に開催して、最後にはクラブイベントに突入するという流れ。23日の昼12時30分から深夜3時まで、ずっといても楽しめる1日になりますよ。参加メンバーはそれぞれきっと感度の高いものを発信してくれるので、かなり濃い内容になりそう。入場無料なので、たくさんの人に体感してもらいたい。僕自身、楽しみで今からワクワクしています。


■VERSUS TOKYO 開催概要と参加方法
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 日程:2013年3月23日(土) 12:30PM 〜 24(日) 3:00AM
 場所:Shibuya Hikarie 9F Hall A、Hall B、他
    (東京都渋谷区渋谷 2-21-1)
 入場:ファッションショー、音楽イベントともに入場無料・一般参加可能(混雑状況によっては入場制限をかける場合あり)
 メインスポンサー:magaseek(マガシーク)http://www.magaseek.com

<参加ラインナップ>
 ファッションブランド:C.E、FACETASM、GANRYU、MR.GENTLEMAN、NAISSANCE
 アーティスト:DEXPISTOLS、DSKE、GILDAS & MASAYA (KITSUNÉ)、KENJI TAKIMI (Crue-L / Being Borings)、OFF THE ROCKER (Shinichi Osawa + Masatoshi Uemura)、REVOLVER FLAVOUR (KIRI)、(PRINCE WILLIAM / SUBTRANÇA / TOTAL FREEDOM / 1-DRINK)、TETSUYA SUZUKI (honeyee.com / .fatale)、VERBAL (m-flo)、WILL BANKHEAD (The Trilogy Tapes)

<各ショーの一般参加 & DJイベント参加方法>
  下記2つのうち、どちらかを提示 ※22:30以降の音楽イベント入場者はそれ以外にIDチェックあり

 ①「VERSUS TOKYO」のオフィシャルFacebookページに「いいね!」をし、そのページを提示
  VERSUS TOKYO facebook : www.facebook.com/VersusTokyo

 ②VERSUS TOKYOのオフィシャルサイトTOPページを提示
  VERSUS TOKYOオフィシャルサイト : http://mseek.jp/VERSUSTOKYO

■吉井雄一(Yuichi Yoshii)
 THE CONTEMPORARY FIX / PARIYA オーナー
 MR.GENTLEMANデザイナー

 1996年よりカフェ&デリ「PARIYA」をスタート。ルイ・ヴィトンの会員制セレクトショップ「CELUX」のバイヤー、青山のセレクトショップ「LOVELESS」のクリエイティブ・ディレクターを経て、2008年、フランスの老舗ラゲッジメーカー「GOYARD」の日本におけるブランディング・ディレクターに就任。同年、北青山にTOKYOブランドを中心にハイエンドなアイテムを揃えるコンセプトショップ「THE CONTEMPORARY FIX」をオープン。2010年、リニューアルにより1Fにカフェ&デリ「PARIYA」、2Fに東京を代表するブランド「PHENOMENON」のヘッドショップを含めたショップを構え、それまで手掛けてきた飲食とファッションを融合させる。2011年、カフェ&デリ「PARIYA」よりレシピ本「PARIYAの野菜たっぷりデリごはん」の発売。同年10月、「Mercedes-Benz Fashion Week TOKYO」最終日にこれまで一部の業界関係者にのみ披露されていたブランドのランウェイをチケット販売する事で一般のお客様に開放したイベント「VERSUS TOKYO」をオーガナイズする。2012年元旦、「PHENOMENON」デザイナー・オオスミタケシとともにデザイナーを務めるブランド「MR.GENTLEMAM (ミスター・ジェントルマン)」のプレ・ファーストコレクションを発表。1月には経済産業省クリエイティブ産業課のクール・ジャパン戦略推進事業(海外展開支援プロジェクト)の一環として、メンズの世界最大規模の展示会「PITTI UOMO」で最新のTOKYOファションの展示会「VERSUS TOKYO」を開催。4月に「MR.GENTLEMAN」の2012AWに向けたフル・ファーストコレクションを発表し本格始動。AWより国内外のセレクトショップで展開をスタート。

(聞き手・小湊千恵美)

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