Culture 世界の本屋さん

【連載:世界の本屋さん】Vol.3 パリ「0fr.」

 クリック一つで世界中の書籍を取り寄せられる便利な時代。データがはじき出す「オススメの本」もいいけれど、創造性が掻き立てられる空間で感性に響く一冊を選びたい。そんな方に向けて「旅先でふらっと立ち寄りたいアートな本屋」をテーマにお送りする不定期連載『世界の本屋さん』。ローカルに愛され旅行客も楽しめる、わざわざ足を運んででも行きたいおしゃれな本屋を紹介します。第3回はフランス・パリの3区にあるブックストア「0fr.」。

 ファッションウィークが終わり落ち着きを取り戻しつつあるパリの街を散策していると、レピュブリック広場の近くに賑やかなお店を発見。広場からタンプル通りを進み、デュプティ=トゥアール通りを曲がったすぐの場所にあるのが、人気のアートブックストア「0fr.」です。

 山積みになった本と独特の本の香りに包まれた店内では、書籍や雑誌といった新書だけではなく、ヴィンテージの古本も。扱う分野は、アート、ファッション、植物、ヘルス、デザイン、トラベル、小説など多岐に渡ります。壁にかかったポスターやアートピースも購入できるとのこと。なんだか掘り出し物に出会えそうな予感。

 オープンは1996年。オーナーのアレックスさんが姉と共に兄弟で立ち上げたそうです。現在はパリ1店舗のみの展開ですが、かつてはロンドンやベルリン、そして東京・中目黒にもお店を構えていました(現在は閉店)。

 豊富なラインナップに加え、作り手としても多くの本を出版していて、これまでに手掛けたのは200冊以上。
また奥のギャラリースペースでは、定期的に若手アーティストのアート作品や写真などの企画展が行われています。
 
 

 本やマガジンの出版記念イベントも多く、ファッションウィーク期間中の週末には「AnOther」マガジンの新刊を記念したサイン会が開催されたそう。Dazedマガジンの創設者としても知られるジェファーソン・ハックと、女優で最新号の表紙を飾ったティルダ・スウィントンもつい先日来店したそうで、ファッション好きにはたまりませんね。ヴァージル・アブローといった多くの著名人も「0fr.」をフォローしているようです。

 店内では、お土産に喜ばれそうなオリジナルグッズも。Tシャツやフーディーなどのアパレルやコットンバッグ、キャップなどが並んでいます。

 特に気になったのは「お店の香りがする」というキャンドル。古本の少しダスティーで独特な香りが表現されていて、0fr.らしいユニークな一品です。

 「本を買うのにアマゾンを使う人もいるけど、パリのアパルトマンで荷物を受け取るのは一苦労」というお国事情からも、まだまだ本屋は市民にとって身近な存在なのだとか。日曜日が休業のお店が多い中、「0fr.」は週7日10時から21時まで営業しているのも嬉しい点。

 平日は6〜700人、休日だと1,000人ほどのお客さんが訪れるらしく「マラソンを走っているようだよ」とオーナーのアレックスさん。営業中でしたが「ちょっと一服」と、隣のカフェでコーヒーをご馳走してくれながら話してくれました。

 パリの中心部よりリラックスした雰囲気のこのエリアは、近くに公園や学校も多く、ローカルと観光客の数が半分ずつ混ざっているのもちょうど良いそう。数ブロック先は、話題のセレクトショップ「Broken Arm」やカフェなどが点在する北マレ地区で、付近をゆったり歩いて散策するのも楽しそうです。

■0fr.
住所: 20, rue Dupetit-Thouars, Paris
公式インスタグラム

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Vol.1 ストックホルム「konst-ig」
Vol.2 ヘルシンキ「Nide」

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