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【店内レポ】足掛け10年、世界初の「座敷スタバ」が京都にできるまで

"座敷スタバ"が楽しめるのは2階。空間を繋ぐ役割を果たす鎖樋(くさりとい)が吊るされていました。階段はもともと逆向きに設置されていましたが、客の導線を考慮して変更したそうです。階段入口部分には押入れがあったとか。今の構造からは想像がつきませんでした。

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 2階には、靴を脱いで畳の上でくつろげる座敷3部屋のほか、ソファ席とテーブル席も用意されています。

 まずは階段近くにある古典的な座敷の部屋から。元々あった間取りをそのまま使用しているそう。

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 座敷の前の下駄箱には「土足は禁止どす」の表示がありました。

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 その後ろにはちょっとした座れるスペースも。柔らかい光が差し込んでいます。

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 座布団のテキスタイルは京都の丹後地方で織られた素材を使用。数々のラグジュアリーブランドに生地を提供している老舗の細尾が手掛けています。

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 窓を開けると心地よい風が通り、すだれ越しに1階の奥庭が見えますね。

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 床の間は、その家の主人が一番大切にしているものを飾るのが流儀。ここではスターバックスらしく、コーヒー豆が置かれていました。掛軸も1階の銅板と同じアートワークで、表装には細尾の生地を採用。奥の座敷に飾られていた「滝」は「Brew(コーヒーを淹れる)」をテーマに、コーヒーをドリップしている時の流れを表現しているそうです。その横にある地袋の襖は京都の職人の技術できれいに修復し、そのまま使っています。

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 2つ目は四畳半の座敷。床の間は現代風に少しアレンジを加え、掛軸「時」は「Wash(コーヒーの加工)」をテーマに焙煎の過程を表現しているとのこと。

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 3つ目の座敷は通路の先にあります。2棟をつなげているため少しゆがんでいますが、これも味ですね。

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 柱の傷は敢えて残しているのだとか。

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 窓も以前からあったものと、新たに備えたものの両方を使用。色や状態から年月の流れを感じさせますね。

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 天井を見上げると、縁起物とも呼ばれる立派なスズメバチの巣が。写真には写っていませんが、貸席だった頃に使われた全身鏡も敢えて残されています。

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 最後の座敷は小上がりの間。元々は床の高さに畳が敷かれていましたが、敢えて小上がりにしたほか、畳に琉球畳を採用し、床の間の作りにも工夫を取り入れるなどスターバックス流のアレンジが加えられています。掛軸「生」は「Grow(コーヒーが成長する)」がテーマ。独特な設えが印象的です。

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 こちらの天井が建物で最も古い部分。「建物の素晴らしさを知ってもらいたい」という思いから隠さず、ありのままの状態を保持したとのこと。

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 3つの座敷部屋はそれぞれ現代から未来に移り変わっていく様を表現。今回の内装デザインのキーワード「つなぐ」が体現されています。

 2階にはソファ席とテーブル席もあります。

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zashiki_staba_20170719_033.jpg 座敷の席も良いですが、実はここが特等席。

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 見晴らしが良い窓から二寧坂の街並みが楽しめます。

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 ソファ席とテーブル席のアートワークは版画。コーヒー農園やシアトルにある1号店がモチーフになっています。

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 せっかくなので、"座敷スタバ"を体験してみました。オーダーは「抹茶 クリーム フラペチーノ」。どの部屋でもフォトジェニックな写真が撮れそうです。

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 空調も備えられていますが、京都の暑い夏はうちわで仰ぎながら自然の風を感じるのも良さそう。

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 今回の京都二寧坂ヤサカ茶屋店の出店には、足掛け10年かかったとのこと。スターバックスの広報担当者は「東山界隈は清水寺や八坂神社など世界遺産が数多く並ぶ京都を代表するエリア。景観を守ることを大切にされているからこそ、ビルではなく伝統建築物に出店したかった」とこだわり続けました。建物のオーナーは、1999年にオープンした京都1号店と同じ「ヤサカタクシー」で知られる彌榮自動車株式会社。明治末年創業の老舗企業で、「伝統的建造物を活用し地域社会に貢献したい」という思いが重なり、今回スターバックスの出店が実現したそうです。その思いの表現として、入り口の行燈には両社の創業時のロゴをあしらっています。広報担当者曰く「これは非常に異例で、ある意味"決意"でもあるかと思っている」と話してくれました。

 「期待されている分、お店もしっかりやっていかないといけない」と覚悟を決めていた同社は出店にあたり、地域の自治体「古都に燃える会」から街のルールを教わり、店づくりにも反映。行列ができる前に入場規制をかけ、「整理券を配ってもお待ちいただく場所がない」という理由から整理券も配布していません。また、テイクアウト時のゴミ始末については懸念の声もあったそうですが、問題にならないようにパートナー(スターバックスのスタッフ)が定期的に周辺の清掃を行うなど、地域に根ざした店舗づくりを徹底。担当者は「京都は伝統と革新の街。新しいことにチャレンジしていくというスピリットはスターバックスと共通しているところ。このお店を地域の皆さんに認めてもらい、地域とのつながりを大切にしながら共存し、長期にわたり信頼を築いていきたい。私達がこのお店を通じてお伝えすることで、日本の良さを再発見してもらえたら、ここに出店する意義があると思う」と、この店舗でスターバックスならではの"つなぐ"を体現していく考えです。

 入店規制に関しては「申し訳ないところではあるのですが、どういうスタイルがお客様にもこの界隈の皆さんにも迷惑かけずに営業できるか模索中」とのこと。今のところ夕方が入店しやすい時間帯だそうです。

 この日も平日の朝にもかかわらず、オープン時から多くの人で賑わっていました。

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 店内は一方通行のため、下りは違う階段を使います。

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 出口も異なり、暖簾とは別の場所から出る仕組みになっています。

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 ゴミ箱の横のオリジナルの札には「ポイ捨ては禁止どすぇ」。3カ国語で街の美化を促します。

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 京都二寧坂ヤサカ茶屋店は、スターバックスが目指す、地域と共存した店づくりがまさに体現された店舗でした。伝統的建造物で「座敷でコーヒーを楽しむ」という体験だけではなく、歴史が紡いできた日本文化を肌で感じることができました。

 ちなみにこの界隈は、「マエダコーヒー」「イノダコーヒー」「アラビカ 京都(%Arabica Kyoto)」といった名店がたくさんあり、コーヒーとも縁が深いエリア。休日や観光の合間にコーヒーショップ巡りするのも良さそうです。

■スターバックス コーヒー 京都二寧坂ヤサカ茶屋店
住所:京都市東山区高台寺南門通下河原東入桝屋町349番地
営業時間:8:00〜20:00
定休日:不定休

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