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ロリータに眼鏡は御法度? ゾフはなぜ「ロリータ」に着目したのか

Image by: FASHIONSNAP

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 アイウェアブランドの「ゾフ(Zoff)」が、“ロリータ × アイウェア”をコンセプトにした新業態「ゾリータ トウキョウ(Zolita TOKYO)」を12月5日に原宿・竹下通りにオープンする。ゾフが業態が異なるストアをオープンするのは初の試みとなる。

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 これまであまり交わることのなかった「ロリータ」と「アイウェア」という2つのカルチャー。なぜ今、ゾフはロリータに着目するのか。ゾフの商品・マーケティング戦略本部 ウィメンズ・キッズ事業部の中寺理彩部長に話を聞いた。

外観

Image by: Zoff

ゾリータ トウキョウとは?

 ゾフの新業態である「ロリータアイウェア専門ショップ」。同店限定のロリータに似合うアイウェアや、アイウェアをカスタムするチャーム、グラスコードを販売する。

内観

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Q.どんな商品を取り扱う?
 ゾフではこれまで展開してこなかった「真円(正円)」レンズの丸眼鏡を同店限定アイテムとして販売「フルリム」「アンダーリム」「ナイロール(ハーフリム)」の3種をそれぞれ大・中・小の3つのレンズサイズ、各6色(ピンク、ゴールド、シルバー、ブラック、ブラウン、ホワイト)で展開し、計54種類をラインナップする。これらは全てUV100%カットのクリアレンズを採用しており、このほかゾフの既存サングラスモデルも一部取り扱う。

手前から:小サイズ、中サイズ、大サイズ

 店内には「カワイイ」「カッコイイ」「ヤバイ」の3つのコンセプトからデザインされた約400種類のチャーム(550円〜)と36種類のグラスコードを展開。自身の好みに合わせて、オリジナルアイウェアをカスタムすることができる。

Q.チャームやグラスコードだけでも購入できる?
 アイウェアを買わなくても、チャームやグラスコード1点から購入OK。
Q.度入りレンズを選ぶことはできる?
 ゾリータ トウキョウで購入したアイウェアをゾフの各店に持ち込むと、好みの度入りレンズやカラーレンズに交換が可能。
Q.オンライン販売はある?
 ロリータの聖地である原宿にある店舗に実際に訪れ、カスタムを楽しんでほしいという考えから、現時点ではオンラインや2号店出店の予定はないという。

自己表現を追求する「ロリータ」の精神をアイウェアにも

 ゾフは、2001年2月に下北沢に1号店をオープン。原宿駅前にも旗艦店を構える。東京発祥かつカルチャーが育つ街に縁のあるアイウェアブランドとして、「何か新しいカルチャーを生み出せないか」という想いをきっかけにゾリータ トウキョウは始動した。バッグにぬいぐるみをつけるなど、「カスタム」によって自身のスタイルを表現する文化が社会的にトレンドとなっている現在、カスタム人気はアイウェア業界にも波及している。同店が展開するカスタムチャームの中に見られるフリルやリボンといった要素は近年トレンドが続く韓国発の「バレエコア」や「ウィッシュコア」といったテイストも感じさせるが、ゾリータ トウキョウでは、原宿発ロリータのファッションに対する“精神性”に着目。これまでロリータはアイウェアとは縁遠い存在ではあったもが、自身の好きなファッションを貫くという揺るぎない精神を持つロリータたちにも手に取ってもらえるようなアイウェアを展開することで、視力矯正のためではなくファッションアイテムや自己表現ツールの一つとしてアイウェアを取り入れるカルチャーの創出を目指す。

 同店で取り扱う全てのアイウェアのレンズには100%UVカット機能が搭載されており、サングラスとして着用することができる。視力矯正機能レンズを取り扱わない店舗にすること(ゾフ各店で度ありレンズに交換可能)で、伊達メガネ or 日常的に着用するサングラスの打ち出しを強化する。

原宿から発信する新たな「ロリータ」の形

 国内のロリータショップは減少し、ロリータ人口も減りつつある一方で、海外でのロリータ人気は伸び続けている。観光地として外国人観光客が多く訪れる竹下通りという立地から、日本発祥のカルチャーであるロリータカルチャーを発信することでインバウンド客の取り込みも狙う。

店舗スタッフの制服はピンクと黒を基調としたスタイル。

 ロココスタイルやフランス人形から着想を得たクラシカルな装いで知られるロリータスタイルだが、ゾリータ トウキョウのキーヴィジュアルでは、スケートボードといったストリートのエッセンスを取り入れた新しいイメージで表現。敷居を下げ、竹下通りを訪れる幅広い客層が来店しやすい雰囲気を演出している。

スタイリングは相澤樹が担当。チャームデザインの選定にも相澤が関わっている。

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 店頭では「Kawaii(カワイイ)」「Kakkoii(カッコイイ)」「Yabai(ヤバイ)」の3つのコンセプトからデザインしたグラスコードとカスタムチャームを展開。カワイイは、ロリータの甘い世界観を、カッコイイはゴシックロリータの黒を基調としたイメージを、ヤバイは原宿カルチャーのポップさをイメージした。いずれも海外でも知られている原宿発のワードであり、ワールドワイドで意味の伝わる言葉として採用している。

 同店限定で展開するアイウェアはテンプルの部分にチャームのカニカンをつけることができるデザインが配されているほか、チャームに付属するゴムバンドをテンプルやグラスコードに通すことで好きなだけチャームを重ねることができる。

ハートの部分にカニカンを通すことができる

グラスコードにチャームを取り付けた例

ドレスを着ていても歩ける幅の通路

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ロリータはなぜ眼鏡をかけなかったのか?

 「ロリータに眼鏡は御法度」という主義のロリータ愛好者も存在する。なぜロリータは眼鏡をかけてこなかったのだろうか。

 オープンに先駆けて店頭を訪れた日本ロリータ協会会長であり日本のロリータカルチャーをけん引する青木美沙子氏は、以前は“眼鏡=ダサい”というイメージが強かったことが理由に挙げられると話す。「ロリータは、『ドールになりたい』という願望に基づくドーリーなファッションなので、“生活感”や“人間味”が出てしまう眼鏡は相応しくないという考えがあったと思います。でも最近はおしゃれなデザインのフレームも多いですし、ゾリータ トウキョウのアイウェアはアクセサリー感覚で身につけることができるので、私もこれからはロリータに眼鏡を取り入れていきたいと思いました」と青木氏。

各々のロリータスタイルにゾリータ トウキョウのアイウェアを合わせたロリータたち。

 コンタクトが苦手なロリータも少なくないことから、近年はSNS上でも眼鏡スタイルのロリータたちの姿も見られ、そこに共通するのは丸みのあるレンズを選んでいるということ。日本を拠点に活動するアメリカ人モデルでロリータスタイルを発信するインフルエンサーでもあるRinRinDoll氏は、「フォックス型のようなキツイ印象を与えるフレームはあまりロリータスタイルとはマッチしないかもしれません。お人形の目の形に似た丸いフレームはドーリーなスタイルにも似合うし、柔らかい雰囲気があるのでロリータに合わせやすいです」と話す。

 こういったロリータたちのニーズを受け、ゾリータ トウキョウでは「真円」レンズのアイウェアを同店限定商品として打ち出す。視力矯正目的で着用する際にニーズが大きいジャストサイズから、あえて大きめにかけることを好む客層のための中・大サイズまで3サイズを用意。眼鏡は瞳孔の位置に合わせてレンズを調整することから、回転しても同じ形をしている正円のレンズは製造の難易度が高く、これまでゾフでは取り扱いをしてこなかった。「“真円の丸眼鏡の聖地”のような存在になれれば嬉しいです」と中寺部長。

 近年は「懐古ロリータ」と呼ばれる2000年代に流行したロリータスタイルがリバイバルし、海外でもロリータ旋風が巻き起こっている。青木氏は、「竹下通りという若者が集まる場所で、ロリータファッションをコンセプトにした新しいお店ができるのはとても嬉しいです。そして、世界ではますます人気が拡大しているロリータファッションをあらためて原宿から世界の方々に知っていただくことができれば嬉しいです」とし、「ロリータはリボンやレース、フリルなどをたくさんつける文化なので、アクセサリーとして取り入れることができるこのアイウェアはロリータにも浸透するのではないでしょうか。ロリータにもいろいろなスタイルがありますが、ゾリータ トウキョウにはそれぞれのスタイルにあったさまざまなデザインのチャームがあるので、身につけることでロリータスタイルの幅も広がるのではないかと思います」とコメントした。

 平成を象徴するカルチャーの一つでもあるロリータ。敷居が高く、装いのルールが厳しいイメージもあるスタイルのひとつだが、気候や時代の変化に伴いそのスタイルも寛容になりつつある。ロリータスタイルを追求しながらも身につけられるクリアサングラスが浸透すれば、紫外線から目を守りながら長くロリータスタイルを楽しむことができる人も増えるだろう。ドレスを着るのはハードルが高くても、小物からロリータスタイルを取り入れるきっかけにもなるかもしれない。時代の変化とともに失われていくのではなく、時代に合わせて変容し、新しい形で次の時代へ受け継がれつつあるロリータカルチャーの今後に注目したい。

ロリータたちが選んだ“ロリータアイウェア”を紹介

各々のスタイルに合わせてアイウェアをカスタム

青木美沙子氏「今日は姫ロリファッションなので、ピンクを中心にリボンをたくさんつけて、ロリータファッションに合うようにたくさんデコりました」

最終更新日:

■Zolita TOKYO
開業日:2025年12月5日(金)
所在地:東京都渋谷区神宮前1-6-8 井口ビル1階
営業時間:11:00~20:00(定休日無し)
電話番号:03-6447-0678
公式サイト

FASHIONSNAP 編集記者

橋本知佳子

Chikako Hashimoto

東京都出身。映画「下妻物語」、雑誌「装苑」「Zipper」の影響でファッションやものづくりに関心を持ち、美術大学でテキスタイルを専攻。大手印刷会社の企画職を経て、2023年に株式会社レコオーランドに入社。ファッション雑貨、アクセサリー、繊維企業を中心に取材。

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フォトスポットも用意

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