2006年に西村浩平が祐天寺にセレクトショップ「ディガウェル(DIGAWEL)」を出店し、2007年秋冬シーズンからブランドとしての活動を開始。2018年にはブランド初のショーを開催した。コンセプトには「素敵なものを作り続けること」「楽しいかどうか」の2点を掲げている。
DIGAWELのコレクション
大学卒業後、雑貨屋で販売・企画などを経験。2006年に独立し、セレクトショップ「ディガウェル(DIGAWEL)」を設立。2007年秋冬シーズンから展示会でコレクションを発表している。
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目次
- START -
始まりは祐天寺のショップ
2006年に設立した「ディガウェル(DIGAWEL)」は、西村浩平が祐天寺にショップをオープンした際に、オリジナルアイテムとして3種類の白シャツと数点の革小物を作ったのが始まり。その後はアイテムがバイヤーからの注目を集め、型数を増やしてファッションブランドとしての活動がスタートした。
シンプルで洗練されたリラックス感のあるシルエットバランス、ユニークなシルエットなどが特徴で、着用者を選ばず、日常に溶け込むデザインは幅広い年齢層からの支持を得ている。メンズを中心としながらも、ウィメンズサイズで展開するアイテムも揃えているのも特徴のひとつだ。
メインラインに加えて、コレクションのテーマから外れているものや瞬発的に作りたいものを発表するレーベル「ディガウェル4(digawel4)」を展開していたが、現在は「コレクションの中で全て盛り込もうとしている」ため、発表をストップしている。同レーベルについてブランドは「そもそも継続的に発表していたレーベルではないので、そのうち作るかもしれません」と説明している。
- BRAND NAME -
「dig a well(井戸を掘る)」に由来
「Dから始まる名前にしたくて、辞書に例文で載っていた」ことから、ブランド名は「dig a well(井戸を掘る)」に由来。バランスを考えて「L」を1つに集約させたという。
ブランドコンセプトには「素敵なものを作り続けること」「楽しいかどうか」の2点を掲げている。「洋服ブランドは素敵なものを作り続ける、かっこいいものを作り続けること以外に何があるんだろう。そのシーズン、時代によって、気分によって、素敵なものやかっこいいものは絶えず変化していきます。そこを僕らなりの解釈でキャプチャーして作っていくことです。字面にしたらアホっぽいですが、とても難しいことだと思っています。そして洋服というものは、無理して作るものではないと思います。ブランドを継続するための努力みたいなものに興味がありません。作って発表することが楽しくなくなったら、それは辞める時です。僕らは作って売ることが楽しい。お客さんはそれを買うことが楽しい。この関係性がとても重要なことだと思っています」。
- CHARACTERISTIC ITEM -
「スタンダードシャツ」と「ギャルソンパース」が代表的なアイテム
Image by: FASHIONSNAP
ブランド開始時から作っているアイテムということもあり、毎シーズン様々な形や種類のシャツを展開するディガウェル。なかでもシンプルかつクリーンな印象なのが「スタンダードシャツ(STANDARD SHIRT)」。素材は品の良いオリジナルのブロード生地を使用しており、ウォッシュ加工を施すことで程よいカジュアル感を演出する。ディテールの特徴としては、小さめの襟や胸の玉縁ポケット、短めのカフスなどがある。カラーはホワイトとサックスの2色展開で、メンズとウィメンズのサイズをラインナップしている。
名品として様々な媒体で紹介されている革小物「ギャルソンパース(GARSON PURSE)」もブランドを代表するアイテム。イメージソースは、パリのギャルソン(ウェイター)がカフェやレストランで会計の際に使用していた革小物。そのためポケットが多く、小銭入れが大きめのデザインとなっている。素材はロウを染み込ませたブライドルレザー。使い込むうちにロウが馴染むため、箔加工を施したriri製ファスナーと共に、独特の経年変化を楽しめるのも魅力だ。
Image by: FASHIONSNAP
- RECOMMEND SHOP -
オススメの店舗は唯一の直営店「DIGAWEL 1」
ディガウェル 1は祐天寺と中目黒の間に位置する直営店。店舗デザインからはブランドの哲学が垣間見えるため、ファンであればまず訪れたい場所だ。実際に「私たちが祐天寺の小さなお店から始まり、海を渡って海外にまで届くようになったこと」がブランドの歴史で印象に残っていることだと西村は振り返る。
なお、2010年にオープンした2号店のディガウェル 2は、2019年からショールームとオフィスに特化したディガウェル オフィスに変更している(店舗機能はディガウェルの公式オンラインストアへ移管)。
- officeware -
オフィスに着想したライン「オフィスウエア」
2018年にはオフィスに着想したライン「オフィスウエア(officeware)」をスタート。ディガウェルの実験的な試みとしてスタートし、ファーストコレクションでは吉田カバンとコラボレーションしたバッグやポーチなどを製作。これまでにsuppose design officeやヒビヤ セントラル マーケット(HIBIYA CENTRAL MARKET)内のギャラリー「Tent gallery」、ザ・コンランショップ 丸の内店などに限定出店してきた。
- CRST -
J.PRESS ORIGINALSとの共同レーベル「クレスト(CRST)」
「クレスト(CRST)」は2020年秋冬シーズンにスタート。「時代感は無所属ながら、微かな懐かしさと、ギークなエッセンス、垢抜けない未完成の魅力が内在したカプセルコレクション」として展開している。「ジェイプレス オリジナルス(J.PRESS ORIGINALS)」に古くから存在するクレストモチーフを、ディガウェルがリファインしてプロダクトにアウトプットしており、新たなユニフォームの在り方を提案している。
- new collection -
最新 2022年春夏コレクションの特徴
「COACH」をテーマに展開された2022年春夏コレクション。スポーツウェアとクロージングウェアのバランスを考える中で、今回はスポーツウェアの要素を多く取り入れて製作したという。「最新の軽くて丈夫な機能性の良いスポーツウェアではなく、厚くて丈夫そうでどことなく懐かしさを感じる質感の生地やカラーリングで表現しています」とデザイナーはコメントしている。
また少し昔を振り返るという意図から、今回初めて「ウル トウキョウ(URU TOKYO)」との協業で4型を製作。 昔のディガウェルが得意としていたデザインを「COACH」という大きなフレームの中、今ならではの取り組み方で再現。 パターン、生産をウル トウキョウが担当している。
- FAVORITE ITEM -
2022年春夏 デザイナー 西村のお気に入りアイテム
デザイナーが一押しアイテムとして挙げるのは、ソックスブランドの「クルールン(Kleuren)」と一緒に製作したセミロングのホーズだ。ディガウェルではここ数シーズンの中でスラックスに力を入れており、スラックスに合うホーズをクルールンが展開していることを聞き、協業の依頼をしたという。
今回製作したリブセミロングソックスは、リブの長さを倍にしてフィット感を強めにしており、折り返して履くことも可能だという。「クルールンでは革靴に合わせる提案をしていますが、ディガウェルではクラシックなスニーカーに合わせるつもりで製作しました」と西村はコメント。クルークンの展開にはないホワイトカラーなど、今回コラボレーションならではのホーズが完成した。
DIGAWEL×Kleuren
Image by: DIGAWEL
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主要年表
【2021年】
クレストのシーズン2のルックブックを公開。
【2020年】
ディガウェルと「ジェイプレス オリジナルス(J.PRESS ORIGINALS)」による共同レーベル「クレスト(CRST)」がローンチ。
【2019年】
ディガウェル2をショールームとオフィスに特化したディガウェル オフィスに変更(店舗機能はディガウェルの公式オンラインストアへ移管)。
【2018年】
西村が「TOKYO FASHION AWARD」の第4回受賞デザイナーに選出。
ブランド初のショーを開催。
オフィスに着想したライン「オフィスウエア(officeware)」を発表。
【2015年】
「ファセッタズム(FACETASM)」との合体企画をドーバー ストリート マーケット ギンザ(DOVER STREET MARKET GINZA)で開催。
【2012年】
ブランド初のテンポラリーショップを広島市中区の「レフ.(ref.)」にオープン。
【2010年】
2号店「ディガウェル 2(DIGAWEL 2)」を祐天寺にオープン。
2010年秋冬シーズンに新レーベル「ディガウェル 4(digawel 4)」がデビュー。
【2007年】
2007年秋冬シーズンから展示会でコレクションを発表。
【2006年】
デザイナーの西村浩平が、2006年に祐天寺にショップをオープンし、「ディガウェル(DIGAWEL)」をスタート。企画やデザイン、販売などを西村自身で行う。
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