新井泰顕
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Fashionセールスの仕事

【セールスの仕事】vol.3:フリーランスセールス 新井泰顕

 国内外の百貨店やセレクトショップといった店舗のバイヤーに営業を行い、ブランドのビジネス拡大の一旦を担うセールス(営業)という職種。ブランド規模が大きければ、社内で営業担当者を雇うことができるが、中小規模のデザイナーズブランドは外部のセールスエージェントに委託することが一般的だ。

 本企画ではそんなブランドの実売に繋げる重要な役割を果たす、セールスエージェンシー・フリーランスセールスを紹介。卸から直売(D2C)へ、ファッションのビジネスモデルが移行していく中、国内のトップセールス達は今何を思うのか?第3回はフリーランスセールスの新井泰顕。

新井泰顕
大手セレクトショップ、インポート代理店、外資ブランド、国内ブランドなどに勤務したのち、2014年に独立。いくつかのブランドの国内・海外のセールス&コンサルティングに携わる。

一般的なセールスの業務とは?
百貨店やセレクトショップなど、小売業者に商品を取り扱ってもらうために営業活動を行うことが主なミッション。具体的な業務にはセレクトショップなどに向けた商品提案、受発注業務、納期管理、展示会での営業活動、取扱店舗の新規開拓などがある。

新井泰顕 Image by FASHIONSNAP
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新井さんのセールス担当ブランド

 学生時代からアルバイトで得た収入の大半は服代に充てていたほど大のファッション好きだという新井さん。「当時は所謂"裏原系"が人気を集めていたが、私自身はデザイナーズブランドが好きで『ジョー ケイスリー ヘイフォード(Joe Casely Hayford)』や『キャロル クリスチャン ポエル(CAROL CHRISTIAN POELL)』などを好んで着ていた」と当時を振り返る。大学時代はイギリスへの留学も経験。語学が堪能であることを活かして国内だけではなく海外営業も請け負い、ヨーロッパ、北米、アジア全般など世界各国のバイヤーと交渉を行う。現在セールス業務に携わっているのは、

ディガウェル(DIGAWEL)」※海外営業
エムエーエスユー(M A S U)
ウル(URU)」※海外営業
エフシーイー(F/CE.®)」※海外営業

 などで、割合としてはメンズブランドが多い。ドメスティックブランドはブランド規模が拡大するとアジア圏をはじめとする海外からの問い合わせが増加するが、そうしたタイミングで新井さんの元に依頼が来るケースが多いのだという。また、これまでのコネクションが活きて仕事に繋がることも多い。

 セールスとしての業務内容は、単に営業を行うだけではない。継続性のある取引を目指し、ポップアップをはじめとするイベントやコラボレーションの企画など、"売るための準備"を行うため幅広いカテゴリーの業務を担当する。

ストレートなコミュニケーションを意識

 セールス依頼を受けるブランドについて新井さんは「そのブランドの商品を自分が実際に好きかどうかはもちろんだが、デザイナーやブランドのチームが何を大切にしているか、どういう人たちなのかを重要視している。チューニングが合う人だと一緒に働きやすい」と説明。セールス費用は月額制で請求することもあるが、基本的には売上に対して一定のパーセンテージをセールスフィーとして請求するケースが多いという。

Image by FASHIONSNAP.COM
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 セールスを行う上で大切にしていることについては「その時々のマーケットや売上の状況に対して、合理的かつ客観的な判断・提案をしなければいけないのが我々の仕事。ブランドが目指している場所に行くために、変に空気を読まずストレートに伝えることを心掛けている。また、簡単なことだがなんでも"即レス"することを徹底している。ブランドとバイヤーの間に入って仕事をするのがセールスで、自分の所で流れを止めてしまうと、色々なことがスムースじゃなくなってしまう」と話す。

今後の展開について

「M A S U」ショールームの一角 Image by FASHIONSNAP.COM
「M A S U」ショールームの一角 Image by FASHIONSNAP.COM

 今後の展開について新井さんは「若手で、日本のマーケットに対して親和性が高い海外ブランドと取り組みができると良いかもしれない。新型コロナウイルスの影響で出張に行けなくなったことが理由で、海外の知人から『このブランドどう思う?』と相談を受ける機会が増えている。欧米のブランドにとっても、日本やアジアが主要なマーケットであるのに変わりなく、縁があるブランドには力になりたいと思っている」と語る。

 また、ビジネスパートナーを増やすことも今後の目標。「服が好きで、英語がある程度理解でき、ファッション業界で働いた経験がある若い世代の方で、自分の仕事に興味をもってくれる人がいれば一緒に働いてみたい。若い世代と距離感が近い人が自分の周りにいて、温度感を私にアドバイスしてくれる人がいればもっと良い仕事ができるのではないかと思う」と話す。

<デザイナーコメント>
誠実であること、この世界の地図をしっかりと持っていること。私たちは、彼を含めて「DIGAWEL」だと思っています。
(DIGAWELデザイナー 西村浩平)

僕と同じ年の彼は、デザイナーズブランドで積まれてきた経験値を持って、僕たちが向かいたい方向性を真摯に向かい合って理解して形にしてくれる大事な相棒です。アンテナが高く、繊細かつロジカルな姿勢、僕たちも沢山学ばせてもらっています。
(F/CE.®デザイナー山根敏史・麻美)

■新井泰顕
メールアドレス:hi@lowst.ltd

■セールスの仕事 バックナンバー
vol.1:ハルミショールーム松本智人
vol.2:フリーランスセールス平田典之

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