Toru Ogawa

交差点から新たなものは生まれる「ファッション進化の芽を探せ!~東コレ取材日記⑥~」

小川徹

放送局プロデューサー

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ファッションウィーク後半、2つのブランドのショーが心に響いた。

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 3月18日に2回目のショーを行った「プラスチックトウキョウ(PLASTIC TOKYO)」。デザイナーの今崎契助が生み出すサイケデリックなグラフィックをプリントしたアイテムは、以前展示会で見た時から気になっていた。前シーズンのファーストショーもその持ち味を活かし、鮮烈な印象を残した。

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しかし、今回のショーでは、グラフィックの平面的な面白さだけに頼らず、立体としての服に様々な工夫が凝らされ、大きな進化を遂げたと感じた。

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ショーのテーマは「交差点」。渋谷のスクランブル交差点に、国籍も年齢も違う人々が集っていることからインスパイヤされたという。会場もジグザグに構成され、見る人の前をモデルが行き交う姿が爽快だった。

>>PLASTIC TOKYO 2016-17年秋冬コレクション

 最終日の19日にショーを行った「エトセンス(ETHOSENSE)」。今回が初めてのショーだが、前身のブランドから数えると10年以上のキャリアを持ち、既に評価も高いメンズブランドだ。

ショーのテーマは「交わる線」。異なる要素が交わることで、新しい感覚が生まれることを表現したかったという。服にはラインが描かれ、スタイリングにも、襟の形の異なる2着のコートをレイヤードさせたりして、「交わる線」を表現した。

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残念だったのは、せっかくテーマにそって、グリッド上に構成した会場だったにも関わらず、造作が悪かったのか、つまづくモデルが続出し、せっかくのストイックなショーの雰囲気が台無しになったことだ。

デザイナーの橋本唯は、「交わる線」というテーマを選んだ理由として、「ブランドを作ってから8年間、これまで自分の世界観の中でだけやってきたが、そこに新たな要素を加えたかった。」と語る。

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それは「着る人」という要素。あえて、身長も体系も性別もバラバラなモデルをそろえ、着る人の違いによって生じる新たな美しさを表現したかったという。

>>ETHOSENSE 2016-17年秋冬コレクション

 「交差すること」に着目し、新たなチャンレジを行った2つのブランドは、奇しくも、これから海外での展開を本格化させる。「エトセンス」は、先シーズン、東京ファッションアワードに選ばれ、1月のパリでの合同展示会に参加。「プラスティックトウキョウ」は、今季のDHLデザイナーアワードに選ばれ、海外での発表を目指す。

今季の東コレ取材日記は、ファッションの「進化の芽」を探してきた。 「テクノロジー」「越境」「マスカスタマイゼーション」「ベテランの挑戦」「民族文化の深層」、そして「交差点」。

まだまだ伝えたいテーマは山ほどあるが、様々なものが「交差」するところに、文化が栄え、新しいものが生まれる。東コレがそうした場所であってほしいと願わずにはいられない。

【放送局プロデューサー小川徹の東コレ取材日記】
ファッション×テクノロジーのうねりが始まった
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ネオ・オートクチュールの時代がやってくる!?
ベテラン新人の挑戦
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