Fumitoshi Goto

アマゾン、ドライブスルー専用スーパーの店名は「アマゾンフレッシュ・ピックアップ」か?

激しくウォルマートなアメリカ小売業ブログ

在米28年のアメリカン流通コンサルタント

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■ネット通販最大手のアマゾンがドライブスルー専用スーパーを近日中にもオープン予定とギークワイアなど一部メディアが伝えている。ドライブスルー専用スーパーは「ドライブアップ・ストア(drive-up store)」「クリック&コレクト(click & Collect)」とも呼ばれ、利用者がネットで注文した生鮮食品などを、車から降りずに商品を受け取るサービスストア。店の中で買い物ができるインストア・ショッピングではなく、倉庫となる300坪弱の「ダークストア(dark store)」に専用の駐車スペースがついた生鮮品など食料品の受け渡し専用拠点となる。アマゾン社内で「プロジェクトX」と呼ばれていたドライブスルー専用スーパーはワシントン市内にあるバラード地区(5100 15th Ave NW, Seattle, WA 98107)とソードー地区となるスターバックス本社近くのシアーズ跡地(2401 Utah Ave S, Seattle, WA 98134)にオープン予定と伝えられている。
アマゾンが新たに提出した建築許可申請書(permit#:6585049)によると店名は「アマゾンフレッシュ・ピックアップ(AmazonFresh Pickup)」。書類の添付図には店のウィンドウに「こんにちは、バラード(HELLO, BALLARD」「こんにちは、ソードー(HELLO, SODO)」の文字が描かれ、外壁には「オンラインで買い物、ここではピックアップ(Shop online. Pick up here)」「食品を車に載せる間は、ごゆっくりして下さい(Relax while we load your groceries)」のメッセージが掲げられている。ソードー地区にある出店予定地にギークワイアが13日の朝、取材に訪れると撮影チームが作業していたという。彼らから回答はなかったものの、同社は過去にアマゾン・ゴーなど新たなコンセプトストアを発表する際、プロモーション動画を公開していたことからアマゾンフレッシュ・ピックアップのオープンが近いとみている。なおレジ不要のコンビニエンスストアのアマゾン・ゴーは従業員向けのみのテスト展開で営業している。書類にはアマゾンフレッシュ・ピックアップの専用サイトのアドレス(www.amazon.com/pickup)も記載しているが、現時点ではアクセスしても何も表示されない。またギークワイアは取材中、駐車パーキングの屋根の支柱にある案内「ご注文をお持ちします(Your order is on the way)」の下に動作センサーのようなものを見つけたという。ギークワイアが昨年入手した資料ではアマゾンフレッシュ・ピックアップの営業時間は午前7時~午後10時となっており、ピーク時の従業員数は15人前後だった。ローディング(車への注文品積み込み)専用スタッフは3~5人としている。待ち時間の平均5分程度で、客数の4分の1は午後5時~7時30分に集中するとみている。
アマゾンはアマゾン・ゴーの他、ボストンに2月末に4号店目がオープンしたリアル書店「アマゾン・ブックス(Amazon Books)」や10坪前後で大規模SC内に展開する「アマゾン・ポップアップストア(Amazon Pop-Up store)」などマルチフォーマット展開を行っている。

トップ画像:アマゾンが新たに提出した建築許可申請書にある「アマゾンフレッシュ・ピックアップ(AmazonFresh Pickup)」の添付図。「こんにちは、バラード(HELLO, BALLARD」「こんにちは、ソードー(HELLO, SODO)」の文字が描かれ、外壁には「オンラインで買い物、ここではピックアップ(Shop online. Pick up here)」「食品を車に載せる間は、ごゆっくりして下さい(Relax while we load your groceries)」のメッセージが掲げられている。

16年12月7日 - 【アマゾン】、アマゾンゴーにマルチフォーマット展開!レジなしもハッキングを考えろ?

⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。後藤は「ダークストアとなるドライブスルー専用スーパーは難しい」と仮説しています。根拠は3つ。エビデンスとして2014年9月に全米初となるドライブスルー専用スーパーの「ズーミン・マーケット(Zoomin Market)」がオープンしたものの2年で閉店に追い込まれたこと。ウォルマートも2013年9月、アーカンソー州ベントンビルにドライブスルー専用スーパー「ウォルマート・ピックアップ・グローサリー(Walmart Pickup Grocery)」をオープンしたものの1か所のみです。スーパーセンターにあるカーブサイド・ピックアップは600店以上に拡大しコンビニエンスストア型のピックアップ拠点もテストしていますが、4年前にオープンしたダークストアは拡大していません。二つ目の根拠としてクローガーCEOロドニー・マクマレン氏が直近の四半期声明で同社のカーブサイド・ピックアップであるクリックリスト展開について語ったことです。以下に彼の言葉をあげておきます。

"One of the things - probably the biggest learning that at least been a surprise to me, may probably not for others, is customers continue to shop inside the store even when they become a ClickList customer. And they will buy certain products via ClickList, but they still come into the store"

⇒訳すと「(クリックリストを640ヵ所以上に拡大して)最大の学びであり少なくとも私が驚いたことに、クリックリストを使うようになっても顧客はお店で引き続き買い物をしているということです。特定の商品はクリックリスト経由で買っていますが、お店でもまだ買い物をしているのです」となります。つまりオプションとしてカーブサイド・ピックアップであるクリックリストを利用しているということ。カーブサイド・ピックアップを利用するも、お店でも買い物をしたいニーズもしくはウォンツがあるということです。それを裏付けるのが三番目の根拠です。後藤は実際にクローガー傘下スーパーのラルフスでクリックリスト経由で買い物をしました。その時に感じたのが「便利だけれど生鮮品は選びたい」という消費者心理です。生鮮品は一つ一つ、異なります。普段、自分の目で生鮮品を選んでいる主婦は特に「たまには他人に選んでもらうのはいいけれど、やっぱり自分で選んで買い物をしたい」と思うはず。

⇒いつも行くお店で、たまにカーブサイド・ピックアップを利用するのはいいのですが、ドライブスルー専用スーパーのようなダークストアでは(無意識に不満を感じて)いずれ利用しなくなるのでは、との仮説です。ダークストアでは目で見て選ぶ楽しさがありませんから。したがってクローガーのクリックリストのヘビーユーザーも、一部に生鮮品を店内で買っているのではと推測しています。したがってアマゾンフレッシュ・ピックアップが全くのダークストアであれば多店舗展開は難しい、と結論づけています。またプライム会員しか買い物できないのであれば(現段階は未定です)、限定されたマーケットからさらに難しいと感じます。でも、ミレニアル層など若い人の消費者意識は少し異なるかもしれません。アパレルをネットで購入するように消費者意識も大きく変わっていくかもしれません。いずれにしてもアマゾンは常にテストを行って市場を開拓する企業体質ですから仮説を立てつつ推移を見守る必要がありますね。
アマゾンフレッシュ・ピックアップのオープンまで45分!シアトル地区の視察依頼もいくつか入っており、今年は例年以上にシアトル系コーヒーでお茶をしそうです。

後藤文俊

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