Nagisa Ichikawa

多様性が"東京らしさ"

市川渚

ファッション コンサルタント

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 20日(月・祝)からスタート、と考えると早くも折り返し地点に入ってきた2017-18年の東京コレクションウィーク。メインスポンサーがAmazonとなってから2シーズン目。告知の段階から、変化が感じられたシーズンになっているのではと思います。

 実質、東コレウィークのスタートを切ることとなった「ダイアン フォン ファステンバーグ(DIANE von FURSTENBERG)」やマッシュスタイルラボの「フレイアイディー(FRAY I.D)」が参加した「TOKYO BOX vol. ZERO」は東コレに参加している他ブランドとは確実に異なったアプローチの取り組みであり、Amazonによるサポートプロジェクト(と言っていいのでしょうか?)「AT TOKYO」のブランドセレクトもさることながら、スポンサー主導とみえるプロジェクトが始まったこともとても印象深いものでした。(数週間前から原宿・キャットストリートにポスターが並んで居たのを発見)。

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>>DIANE von FURSTENBERG2017春夏コレクション

>>FRAY I.D2017春夏コレクション

>>AULA2017秋冬コレクション

 そんな、東コレ運営/スポンサー側の意欲的な取り組みにも見られるとおり、個人的には画一的なファッションウィーク的取り組みだけでなく、色々な意味で「多様性」という言葉が今シーズンを象徴するキーワードになりそうだなと思っています。

 ショーや展示会を拝見していても、しっかり「誰に、何を届けたいのか」ということがわかるブランドは、売り方、プロモーション、PR等々、ブランドとしての姿勢が明確です。だからこそ、それらを集めていくと"ひとつのイベント"、つまり"ファッションウィーク"としてのまとまりは、失われていきます。方向性が明確なブランドが揃えば揃うほど、アプローチが必然的に異なっていくからです。

 もちろん、顧客に"だけ"届けば良い、と割り切るのも方法論としてはありでしょう。一方で、そのブランドに"心酔しているわけではない"ジャーナリストが見ても理解できないことがでてきてしまう。私は、それはそれで良いのでは、と考えています。こんな情報過多な時代だからこそ、別にわからないことは、わからない、で良い。ただ、見ることすらせず、目の前にあることに目をそむけることは、思考停止に繋がってしまう、そのことだけは忘れたくはないな、と思います。

 ポエムはさておき、ショーにおける多様性、ということでピックアップしたいのは、昨日/今日と拝見したベトナムインドネシアのブランドがショーを披露した「Asian Fashion Meets TOKYO」。当初は「何故、東京でショーをやるんだろう?」と思っていたのですが、実際拝見してみて、「これは完全に日本のファッション関係者に向けたプレゼンテーションの場だったのだな」と理解しました。

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 自分の立場で考えれば、行ったことのない国で支持されているファッションをランウェイという形で見ることができるなんて、なかなか出来ない体験ですし、個人的にはどういう文化/社会の背景でこういったブランドが構築され、かつ日本でプレゼンテーションをすることになったのか、非常に興味を持ちました(国や都市に対する自分の前知識が浅すぎたのが、残念すぎましたが)。

 イスラム圏で女性が身に付けるヒジャブとクリーンなストリートテイストのミックスが新鮮だった「RANI HATTA(上写真)」は自分も普段ファッションとして(それがもしかすると失礼に当たったりするのかもしれませんが)取り入れてみたいなと思わせるものでした。ファッションを軸に、自国や街に興味を沸かせる事ができた時点で、出展したブランド側は「うふふ。」って思っているのではないですかね?(笑)

>>Asian Fashion Meets TOKYO -Vietnam-2017秋冬コレクション

>>Asian Fashion Meets TOKYO -Indonesia-2017秋冬コレクション

 現時点でショーには思ったより足を運べていないのですが(ごめんなさい)、展示会で拝見しているブランドでも、これまでの成功の法則に則った方法論にとらわれず、ここまでのトライ&エラーから各々の方向性を見定め、それに必要な方法論を選び、実行していくブランドが昨今増えてきたと思います。山縣さんの「リトゥンアフターワーズ(writtenafterwards)」はとても良い例で、これまでは個人的なイメージでは奇をてらったショーのイメージが先行していましたが、先シーズンから「着たい!」と思わせてくれるリアルさもありながら、彼らがこれまで培ってきたクリエイションを失わないアイデンティティが感じられる服作りにとても好感を持っています。

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>>writtenafterwards2017年秋冬コレクション

 昨今個人的に、自分の趣味/趣向とは離れたようなブランドでも「まずは、見て、話を訊いて、出来れば着て、体験してみる」ということを心がけているのですが、「思っていた印象と違うなあ(良い意味で)」とか「いやあ、やっぱりわからなかったなあ(想定の範囲内)」とか、そのカオス感、つまり多様性が"東京らしさ"であり、いくつになっても"好奇心"がないと楽しめないのが、東京のファッションなのかなとも思ったりも。

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(初めて着てみた、"超東京的"ブランドの代表格「バルムング(BALMUNG)」のアイテム)

>>BALMUNG2017-18秋冬コレクション

 でも、純粋に、色々な服を着て、その服に気分を左右される自分を感じたり、他の人の心や表情の変わり様を見たりと、ファッションに揺られる人間の色々な側面を見られるのって、とっても面白いし、素敵なこと。

 ファッションウィーク、週末まで楽しみたいな、と思います!

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