Fumitoshi Goto

アメリカでリアル店舗アプリの利用が増加

激しくウォルマートなアメリカ小売業ブログ

在米28年のアメリカン流通コンサルタント

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■アメリカ小売業はアプリ販促に忙しい。スーパーマーケットでさえ自社アプリを店内で宣伝しているのだ。例えばニューヨークを中心に94店舗を展開しているウェグマンズは店内を無料Wi-Fiにしているだけでなくウェグマンズ・アプリを訴求している。ウェグマンズ・アプリではショッピングリストの「マイリスト(My List)」やデジタル・クーポンの「クーポン(Coupon)」、レシピ集の「レシピ箱(Recipe Box)」などの機能を持ち、アプリ検索で同社が発行するオールカラー情報誌「ウェグマンズ・メニュー(Wegmans Menu)」をスキャンするとレシピ動画にアクセスする便利な機能まで搭載している。100年以上の歴史を持つ食品スーパーも、買い物体験の向上のためアプリのアップデートに余念がない。今年6月、アメリカに進出を果たしたドイツのディスカウント・スーパーマーケット・チェーンのリドルもポップやリーフレットを使ってアプリを訴求している。リドルは1号店オープン当初から月曜日と木曜日に生鮮品5品目がディスカウントになる「フレッシュ5スペシャル(Fresh 5 Specials)」を行っている。その告知にアプリを使っているのだ。
スマートフォンを誰もが持つような時代となり、消費者が小売業アプリを便利に使う機会が増えているのだ。アプリに関する市場データと分析ツールを提供している調査会社のアップ・アニー(App Annie)が行った最近の調査によると、アメリカの消費者はショッピングアプリを毎月平均で50分近くも使用している。特にアマゾンを中心にしたデジタル・ファースト・ショッピング・アプリ(Digital-first shopping app)と呼ばれるアプリの利用が盛んだ。今年前半だけでも前年同期比で60%の利用増加だった。アマゾン・アプリの毎月の利用回数は19回にも及んでいる。ウォルマートやターゲットのアプリの12回に比べればやはり利用回数はダントツだ。ただ、リアル店舗系のアプリも、利用時間の伸長率は50%の増加となり、デジタル・ファースト・ショッピング・アプリにキャッチアップしている状況だ。リアル店舗のアプリで利用時間が長いのはウォルマート、カートウィール(ターゲット・アプリに統合中)、コールズ、ホームデポ、クローガーだ。リアル店舗系のアプリは店内での利用が多い傾向にあるのが特徴となっている。
リアル店舗系のアプリが増えることでアプリ利用者が増え、買い物に便利な機能も増えている。小さな店舗となるアプリも開発競争が激しくなっていくのだ。

トップ画像:今年6月、アメリカに進出を果たしたドイツのディスカウント・スーパーマーケット・チェーンのリドルもポップやリーフレットを使って自社アプリを訴求している。リドルは1号店オープン当初から月曜日と木曜日に生鮮品5品目がディスカウントになる「フレッシュ5スペシャル(Fresh 5 Specials)」を行っている。広告費を削減するため、告知はアプリでも行っているのだ。

⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。後藤は日本の大手コンサルタント企業や外資系コンサルタント企業、独立系コンサルタントにコンサルティングを行っています。ただ当社に、ちゃんとコンサルティング依頼してくれるところは実は稀です。依頼で最も多いのが「情報交換」「意見交換」という題目で、コンサルティングを受けようとする「ちゃっかりタイプ」。こういった場合、こちらから「後藤のコンサルティングと等価交換可能な御社の情報は何ですか?」と具体的に尋ねると返答に窮するみたいで連絡がなくなります。次に多いのは「忍者タイプ」。当社にコンサルティング依頼したクライアントと一緒に、後藤には身分を明かさず(密旨をおびて)偵察に従事する人たちです。ビジネス間者(カンジャ)は少なくなくありません。ただ、名刺を切らしたと「名刺交換しない」、(後藤への質問から)優秀に見えるのに「名簿に役職名がない」、同じ会社なのに「他の社員と空気がまるで違う」等の特徴からすぐに分かります(笑)。
⇒クライアント社員のなりすましと見抜いても、後藤は最後まで知らないふりをします。見て見ぬふりをしているのは、後藤の優しさに加えて(笑)、彼らがとても優秀だからです。彼らも頭が良いので同業他社といはいえ、後藤と張り合うようなことはしません。なぜなら、彼らがコンサルティングで後藤に勝てないことがすぐに判断できるからです。例えばオムニチャネル。オムニチャネル・リテーリングで最重要なのは、カスタマー・エクスペリエンス(顧客体験)です。顧客体験は実際に買い物しなければ得られない一次情報です。後藤はオムニチャネルを駆使して様々なショッピング(返品)を行っています。その一つがアプリを使ったショッピングです。当社のコンサルティングセミナーでは、オムニチャネル成功事例としてウォルマートやホームデポのアプリを使ったワークショップ(実演講習)を行っています。アプリ機能の拡大・充実に触れて、日本からたまにやってくるコンサルタントには手に負えないことがわかるのですね。

⇒ウォルマート・アプリだけでも「ショッピングリスト」「ウォルマートペイ」「セービングキャッチャー」「リオーダーナウ」「モバイル・エクスプレス・マネー」「モバイル・エクスプレス・」に、最近も「モバイル・エクスプレス・リターン」が加わっています。とてもじゃないが、たまに日本からくるコンサルタントが、クライアントに(事例を含めて)説明しきれるものではありません。アプリ実演もなく、説明さえスルーして「ウォルマートでは1時間の視察です。それまで各自で視察。解散!」なんて言えません。アメリカ小売業について何も知らないクライアントは、「これが最新のプレゼンテーションです」などと売り場を見せ、店長インタビューだけでも騙せます。が、洞察力に優れたコンサルタントにはそれはできません。したがって「餅は餅屋」で、後藤に正式にコンサルティング依頼してくるのです。言い換えれば、それだけアメリカ小売業のアプリ進化は目覚ましいということです。
ところで「アプリ演習のないアメリカ流通視察なんて」に続くフレーズを考えています。例えば「豊胸してない叶姉妹」のような、これをとっちゃえば存在意義を問われるほどのもの、他に何かありませんかね。

後藤文俊

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