Mariko Nishitani

視点:ドレスドアンドレスドとセクシー -vol1-

西谷真理子

"黒の衝撃"を見た編集者

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 ジェンダーを骨抜きにするような、あるいは曖昧にするような形で、身体や性を描き出してきたのがドレスドアンドレスドだと思う。それは単なるユニセックスとは違って、性は強く意識されているのだけど、みんなが見ているようなあり方に異議を唱えている。性を描く極北みたいなところがあって、毎回難しいところに挑戦しているなと感心させられる。彼らの経歴からすると、フェティッシュなど、いわゆるセクシーな表現はお手の物だろうに、そこへは向かわない。そしてミニマルで禁欲的な表現を貫いているのだが、今シーズンはあろうことか、テーマは「I'm sexy」である。思わず笑ってしまうのは、「ボクハ禁欲的ダト思ワレテイマスガソウデハアリマセン。本当ハセクシーナンデス」と言ってるみたいだったから。

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 ドレスドアンドレスドの今シーズンのコレクションは、hiding/showing/aloneという3つの切り口で、「I'm sexy」を表現している。とても日本的な隠微な性表現のようでもあるが、意外や表現は静かで過激。密会する男女の「その直後」のようなスタイリングでショーは始まる。脱ぎかけの服、ショーツやブリーフ、ブラジャーなど表に出た下着。ボンデージを思わせるデザインもある。フォンタナの絵のように、引き裂かれた裂け目があるシャツやジャケット。背中のパネルが開口部になっていて中の秘密のイラストを見せたり隠したりできるという凝ったジャケット。そして、見せるためでもあり、隠すためでもある、オレンジとブルーのオーガンディーのジャケット。オーガンディという素材は、確かにhide/showというモチーフにぴったりだ。

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 この「隠す/見せる」と書いたところで、3月3日に「駒込倉庫」というギャラリースペースで見たPUGMENTの2018AWのコレクションを思い出した。ラストで、ファッション史のいくつかのトピックをプリントしたオーガンディのかぶりものを白い防護服の上に着用してモデルが登場した時に、隠しながら見せる、さらに、記憶のレイヤーをオーガンディで表現するおもしろさを感じた。PUGMENTについて詳しく書くことはしないが、服を使ってアートや演劇に切り込んでいる若い表現ユニットである。ショーには、ファッション関係者も数多く観に来ていた。その後、展示会やインスタレーションをNID/NID A DEUX、ユトレヒト、駒込倉庫の3箇所で行うなど、従来のファッションブランドとは全く異なる展開を模索している。

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PUGMENTのショーとNID A DEUXでの展示会(3/16~23)

>>DRESSEDUNDRESSED 18年秋冬コレクション

【ファッションエディター西谷真理子の東コレポスト】
視点:メミューズの"姫ドレス"が気になる -vol2-
視点:ミナ ペルホネンの展示会に行って感じたこと -vol.3-

西谷真理子

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