Fumitoshi Goto

進むショッピングセンターの空洞化

激しくウォルマートなアメリカ小売業ブログ

在米28年のアメリカン流通コンサルタント

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■デパートメントストア等の核テナントの撤退でショッピングセンターの空洞化が進んでいる。全米77都市のショッピングセンターをモニターしている不動産調査会社レイス社によると、第3四半期(7月~9月期)のモール空室率は9.1%となった。

9.1%の空室率は2011年第4四半期以来、約7年ぶりの高さ。前期の8.6%から0.5ポイント上昇し、増加幅もリーマンショック時の2008年第1四半期の7.9%から同年第2四半期の8.4%に増加した以来だ。また前年同期の8.3%からは0.8ポイントの上昇となっている。

モール空室率はリーマンショック後、2011年第3四半期(7月~9月期)にピークとなる9.4%を記録し、それ以降は緩慢な回復基調にあった。これが店舗閉鎖が相次いでいることで2016年から反転し、空室が増えているのだ。

今回の急増はモールの核テナントとなっていた老舗デパートメントストアのボントン・ストアズが4月、チャプター7(連邦倒産法第7章)で清算し256店舗をスクラップしたことや、シアーズが不振を理由に相次いで店舗閉鎖に踏み切っていることがある。シアーズは今年だけでも傘下のKマートを含め200店近くを閉鎖した。

70年前に創業したトイザラスと傘下のベビーザラスが今年6月、全735店の清算手続きを完了したことも影響している。さらにJクルーやアバークロンビー&フィッチ、ロード&テイラー等も一部閉鎖が伝えられている。

モールからデパートメントストアなどの大型店が撤退することで集客が妨げられ、小スペースのテナントも埋まりにくくなっている。さらにモール集客の低迷でアパレルチェーンも閉店や倒産が余儀なくされている悪循環に陥っているのだ。

アマゾンなどのオンラインストアで買い物する消費者が増え、またそれを助長するようにモールから大型店が撤退することで、「小売の地殻変動」がショッピングセンターの空室率を悪化させている。

一方、ネイバーフッドSCとコミュニティSCなどを含めたストリップセンターの空室率は10.2%だった。前期から横ばいとなっており、10.0%だった前年同期から0.2ポイントの増加だった。

アメリカの失業率は9月、3.7%と8月の3.9%を下回り、1969年12月以来の低水準となった。ダウ工業株30種平均は3日、過去最高値を更新した。アメリカの景気は好調さを保っているが、ショッピングセンターは「アマゾンエフェクト」で引き続き低迷している。

スイス金融大手のクレディ・スイスのレポートによると、2022年には現在の1,100ヶ所あるショッピングセンターのうち、およそ25%が閉鎖するとの見込みだ。

「小売の地殻変動」は当分、終わりそうもない。

トップ画像:ショッピングセンター空室率の推移グラフ(2007年~)。第3四半期(7月~9月期)のモール空室率は9.1%となった。9.1%の空室率は2011年第4四半期以来、約7年ぶりの高さ。前期の8.6%から0.5ポイント上昇し、増加幅もリーマンショック時の2008年第1四半期の7.9%から同年第2四半期の8.4%に増加以来だ。また前年同期の8.3%からは0.8ポイントの上昇となっている。アマゾンエフェクトによりボントン、シアーズ、トイザらスなど大型店が相次ぐ閉鎖した。「小売の地殻変動」でモールの空洞化が進んでいることを浮き彫りにしている。
⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。先日、小籠包が看板メニューの点心料理レストラン「ディンタイフォン(鼎泰豊)」に行ってきました。場所はロサンゼルス郊外でディズニーランドにも近いサウス・コースト・プラザSCです。ディンタイフォンはいつも行列なのでオープン前に行き、10分程度並んで入店しました。やけどしないように小籠包をおいしくいただきまし。午後になってもディンタイフォンは行列が絶えず長居はできない感じでした。一方、通路を挟んだシアーズは相変わらず閑散としていました。サウス・コースト・プラザSCのシアーズは昨年、SCオーナーによって買い戻されました。今のところ、このシアーズは撤退することはありません。が、いずれはスクラップということになるはず。で、全米でもトップクラスとなるショッピングセンターのサウス・コースト・プラザの一等地であるシアーズの跡地をどうするか?ということが地元紙のOCレジスターで話題になっていました。

⇒読者から「アウトレット」やヨーロッパなど高級車「カーショールーム」、ハーレーダビッドなどの「バイクショールームとアクセサリー販売」、犬猫の「里親探しスペース」、バスプロショップ・アウトドアワールドやREI等の「大型アウトドア用品店」、「高級ホテル」、「フードホール」、建物を潰してファーマーズマーケットなどの「アウトドアショッピングスペース」、アマゾンなど「Eコマース・リアルストア」、「スポーツジム」、映画を観ながら本格的な食事も楽しむ新スタイルの「ハイサービス映画館」、「パーキングスペース」の意見がありました。いろいろと提案されていますが、今のシアーズより絶対にいい。特に場所柄、フードホールや高級ホテルはサウス・コースト・プラザにとって大きな付加価値になると思います。個人的にはフードホール。もっと個人的な意見をいえばラーメン博物館を希望(笑)。モバイルオーダーを導入することで行列を解消し、待ち時間は買い物に使えるということにすればいい。
有名ラーメン店が一堂に会するラーメン博物館を夢想しながら「シアーズが早く撤退しないかなぁ~」と考えてしまいました...

後藤文俊

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