ANREALAGE 2019-20秋冬コレクション

Mariko Nishitani

メンズ追加でいい結果を生んだANREALAGE -違和感が新しい?vol.3-

西谷真理子

ファッションエディター

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ANREALAGE 2019-20秋冬コレクション

 リアルとアンリアルをブランド名に潜らせたアンリアレイジは、デビュー当初から、非現実的な違和感を内包しているとも言える。発表の場をパリに移して5年、今年はLVMHプライズのファイナリストに選定されるなど、海外での評価は上昇中。2月から5月まで開催中の森美術館「六本木クロッシング2019――つないでみる」展では、ファッションブランドとして初めて参加するという快挙の中、昨秋に続いて今回も東京でコレクションを披露した。ここ5年間、光をテーマにハイテクを取り入れたコレクションを発表してきたが、今シーズンからは「服」に注力するという。

ANREALAGE 2019-20秋冬コレクション

 巨大なボディが樹木のように林立する中でのショーは、モデルが小人のようだ。巨人の服の一部をクローズアップして別の衣服に仕立て上げるという手法は、マルジェラが94年に発表したバービー人形の服を拡大したコレクションの逆発想とも言えるが、形としては断然こちらの方がおもしろい。オーバーサイズで一世を風靡したヴェトモンにもない極端な拡大で、それはブランド創立当初に「神は細部に宿る」をコンセプトに記したデザイナーが、変わらず持ち続けている顕微鏡を覗き込むような探究心の賜物かもしれない。

ANREALAGE 2019-20秋冬コレクション

これは、シャツのカフス付きの袖を拡大したスカートで、カフスの真ん中のボタンも袖口のタックもそのままデザインとして使われている。

ANREALAGE 2019-20秋冬コレクション

千鳥格子のコートの袖がパンツになったりもする。

ANREALAGE 2019-20秋冬コレクション

タグが拡大されてストールに。 今シーズンのアンリアレイジ全体で感じるのは、かつてのコレクションではむき出しになっていた「違和感」が、咀嚼されて、モード=着たくなる商品へと昇華していることだ。これは、以前からアンリアレイジを見てきた人間としては、うれしい驚きである。

ANREALAGE 2019-20秋冬コレクション

 そしてパリにはなかった要素として、今回メンズをたくさん追加制作したようだ。これが明らかにいい結果を生んだ。男性モデルたちの癖のある風貌もコレクションを盛り上げ、完成させた。違和感を驚きで終わらせないで、魅力にするのは、一夜ではできないのだ。

【ファッションエディター西谷真理子の東コレポスト】
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西谷真理子

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