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ミレニアル世代の新規顧客を獲得、都心百貨店の婦人特選売り場が好調

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都心百貨店の婦人特選衣料雑貨売り場が売り上げを伸ばしている。株価など景気に左右される特選ゾーンだが、18年は増収を確保し、引き続き19年春夏も売り上げが前年を上回った。インバウンド(訪日外国人)需要が増えているだけでなく、国内客の買い上げ増が下支えした。モデレート(中価格帯)の不振が続いているだけに、今後も成長領域として時計、宝飾を含めたプレステージ(高価格帯)を強化する動きが目立つ。

(松浦治)

伸びている要因① 8~9割占める国内上顧客の囲い込みに成功

特選衣料雑貨売り場が売り上げ増を続ける要因は、一つにラグジュアリーブランドが国内客を囲い込んでいることがある。各ブランドで上位買い上げ顧客の固定化が進んだ。代表的なのは「エルメス」「シャネル」「ディオール」などのスーパーブランドだ。衣料品、雑貨の限定・先行販売で、顧客の来店や購買の動機付けを促した。限定の色・型やカスタマイズによる希少性のある商品、特別感あるサービスを提供する。

伊勢丹新宿本店は今春夏物(18年12月~19年5月)の売り上げが5%増、阪急うめだ本店は18年度が2ケタの増収だった。売り上げを伸ばしたブランドに共通するのは、「国内客を中心に顧客作りにしっかり取り組んだブランドが堅調だった」(伊勢丹新宿本店)という。両店ともにインバウンドの伸びが続いているが、特選ゾーンの売り上げに占める国内客の比率が80~90%を占める。それだけに、国内客の固定化や広域からの集客が売り上げを増やす上で大きな課題になる。

阪急うめだ本店は9階や1階で実施しているイベントが広域からの集客と顧客化につながった。9階ではギャラリーやホールを活用したアーカイブ展と通常ブティックでは扱っていない商材の販売を兼ねたイベントを毎年2、3回行っている。18年度は「ルイ・ヴィトン」のタイムカプセル展、「アイ・ラブ・マックスマーラ」「ミキモト125周年アニバーサリー・エキシビション」を実施した。

伊勢丹新宿本店は1階ステージをはじめ、各拠点で期間限定店を開く。ブランドの歴史を伝える大型イベントや希少な製品、オブジェなどのアーカイブを展示して顧客への接点を深めている。

伸びている要因② シェアリング当たり前のミレニアム世代獲得

好調な要因のもう一つは若年層を中心とした新規顧客を獲得したこと。衣料品や雑貨のほか、ミレニアム世代向けにSLG(革小物)などのエントリーアイテムを拡充する動きが相次いでいる。

伊勢丹新宿本店のモード系ハイエンドフロアは今春夏売り上げが2ケタ増だったが、非自社カード会員の売り上げが20%増えた。特に洋服の売り上げが10%増で、コート、ジャケットなど高単価のアイテムがけん引した。雑貨は微増にとどまり、SLGの伸びによる単価ダウンやハンドバッグが苦戦した。「セリーヌ」「ジル・サンダー」「メゾン・マルジェラ」「バレンシアガ」などがウェア、雑貨ともに売り上げを伸ばした。

阪急うめだ本店は1階コトコトステージで、各ブランドがミレニアム世代向けの意外性のあるイベントを企画し、常設のブティックとは異なる表現で、広域からの集客に結び付ける。

百貨店の特選売り場でミレニアム世代の購入が増えているのは、シェアリングや2次流通が当たり前になった表れといえる。モノを持つこととシェアすることをうまく使い分けている世代であり「若年層でも欲しいものならば高額であっても購入するスタイルが広がっている」(杉江俊彦三越伊勢丹社長)、「店頭のデジタル化を通じて、ミレニアム世代向けの新しいロイヤルティーシステムを構築する必要がある」(荒木直也阪急阪神百貨店社長)という。

伊勢丹新宿本店は6月19日、時計売り場を改装した。従来の高級で入りにくいイメージを払拭し、ラウンド型のディスプレーを配置して明るく華やかな環境に一新した。ミレニアム世代に向けて多くのブランドを比較購買し、同時にブランドの世界を感じることができる空間作りが必要になった。

限定・先行品の販売やブランドの歴史を伝える大型イベントが相次ぐ(伊勢丹新宿本店の婦人特選ゾーン)

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