光山玲央奈
光山玲央奈
Image by: FASHIONSNAP.COM

Fashion 買ったモノ

【2019年ベストバイ】FASHIONSNAP.COM社長 光山玲央奈が今年買って良かったモノ

 今年のお買い物を振り返る「2019年ベストバイ」。ラストの7人目は、FASHIONSNAP.COMを運営するレコオーランド社長の光山玲央奈です。今まで買った中でもトップ5に入るという日本ブランドのコートや、2014年のベストバイ以来のTシャツなど光山が選ぶ2019年に買って良かったモノ8点を紹介します。

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BALENCIAGA コート

FASHIONSNAP.COM(以下、F):まずはバレンシアガの「インコグニト カーコート」です。

光山玲央奈(以下、光山):今年の秋冬物ですね。いつも暇な時に伊勢丹を巡回するんですけど、ウィメンズのコーナーで気になって試着したら、とても良かったので買いました。カラーはアントラシット。メンズはマロンカラーで展開されているんですが、こっちの方が落ち着いていて着やすいかなと思いました。

F:襟が結構大きいですが、立てるのがデフォルトなんですか?

光山:そうなんですよ。襟が特徴的で顔を隠せるデザインなんです。インコグニト(=incognito)は「身分を隠す、匿名」という意味でバレンシアガのシグネチャーのようなデザインなので、襟を立てるのが正解だそうで。コートって襟を立てて着て良いかどうか、迷いますよね。これは明確に「立てて着てください」と言われたので、ちょっと新鮮でした。

F:バレンシアガに求めるものってデザインですか?

光山:もともとピンチドシャツがすごく気に入ってバレンシアガをチェックするようになったので、ディテールにデムナ・ヴァザリア(Demna Gvasalia)の凄みを感じます。スイングシャツも大好きで。やっぱりバレンシアガのシグネチャーだなと実感しました。ロゴではなくデザインでシグネチャーを作っているところはさすがだと思います。

F:今日着ているニットもバレンシアガですもんね。それにしても、シルエットがかなり大きめなんですね。

光山:これウィメンズなんですけど、最初は34を試着したんですよね。ちょっと大きいなぁと思ったら、32もありますよと言われて。でも32でもちょっと大きいぐらいで、サイズ展開どうなっているんだと思いました(笑)。

F:バレンシアガはロゴアイテムが人気ですけど興味は?

光山:全く無いですね。個人的にデムナ・ヴァザリアが手掛けるバレンシアガに求めるものはそこじゃないんですよ。ロゴを剥ぎ取ってもわかるクリエイションというか。なので、インコグニトのようにデザインでバレンシアガを感じさせるものの方に目が行きますね。でも来年くらいからこのロゴ推しは変わるんじゃないかなと思っています。全体的な流れとして。

F:それは他のブランドも含めて?

光山:そうですね。そろそろみんな飽き始めてきたというか。神は細部に宿るというほど大袈裟じゃないですけど、仕上げでも縫製でもなんでもいいですが、細かい部分にブランドの姿勢を感じ取れるものじゃないと生き残れない気がします。なんとなくブランドのロゴだけで勝負するのは難しくなってくるんじゃないのかなとは思いますね。

F:そうなるとラグジュアリーブランドの圧倒的勝利になりそうですが。

光山:うーん、そうとも思わないですね。実際にラグジュアリーブランドが作るアイテムはすごくクオリティが高いです。でも全部のブランドがラグジュアリーと同じ領域で戦っているわけではないので。

F:なるほど。ちなみにまわりからのこのコートの評判は?

光山:冒険したねって言われます(笑)。着る側にも見る側にも、ファッション感度を問う作品だと善解しています(笑)。

 

LOUIS VUITTON スウェット

光山:ルイ・ヴィトンが今年からメンズで始めた「ステープルズ エディション」のスウェットです。

F:スウェットって珍しいですね。

光山:かなり久しぶりに買いました。ストリートとラグジュアリーの融合って言われて久しいですが、良くも悪くもトゥーマッチだなぁと思っていた時にこのエディションが出て「さ、さすがアブロー・・・」と思いました(笑)。クラシックなアイテムにちょっとアブロー的な解釈を入れて、というシリーズで。

F:これもデザインで買ったんですか?

光山:いや、全然(笑)。海外出張に行く前に着ていてラクなやつを買おうと思って。でもちゃんと縫い目の部分にインサイドアウトというシグネチャーを取り入れていて、細かいところで哲学を感じさせるのはすごいなと思いました。ただ背中のタグのところに畳み方が描いてあるんですけど、流石にこの畳み方はわかるかなって(笑)。

F:ですね(笑)。ルイ・ヴィトンのTシャツで背中に鏡文字のブランドタグがついているものもあります。本来は裏側につけるものを表に。

光山:確か昨年のベストバイだった「オークリー(OAKLEY)」も表にタグがありました。これが"今"なのかもしれないですね。

F:ひっくり返すという着方はストリートで流行っていたとか。

光山:そうですね。「コム デ ギャルソン(COMME des GARÇONS)」を裏返しで着ている人もいましたし。ディテールやデザインだけでなく歴史や文化などの文脈をちゃんと理解していないと出てこない部分ですよね。こういうところを見るとブランドがクリエイティブディレクターを置く意味が見えてきますね。

F:ルイ・ヴィトンは他にも買いましたか?

光山:今年はこれだけかな。やっぱり売り切れるのが早くなった気がします。

F:普段はニットが多いようですけど、これはガシガシ着られそうです。

光山:ボロボロになるまで着てみようかなぁと。多分ラグジュアリーで買ったスウェットの最初はエディ・スリマン(Hedi Slimane)の時の「ディオール(DIOR)」で、それが良かったんですよ。それまで着ていたスウェットって色とロゴ以外はアメカジベースのほぼ同じ方向性で作られていて、単純にブランドロゴを楽しむものだったんですよね。でもエディ・スリマンのデザインはとにかくシルエットにこだわっていて「これがラグジュアリーのスウェットか」って感動して。でもアジが出るものではないなとも思いました。なのでこのルイ・ヴィトンのスウェットがどうなるかは、個人的には楽しみですね。

F:ちなみにそのディオールのスウェットの着心地はどうだったんですか?

光山:細身なのにストレッチが入っていないから脱ぐのがめちゃくちゃ大変で。「あぁ、着心地とかは無視なんだろうな」って思いました(笑)。

 

BOTTEGA VENETA Tシャツ

F:Tシャツは、このベストバイ企画では初回の2014年以来です。

光山:まぁ正直、夏は「ヴァレンティノ(VALENTINO)」のTシャツしか着てないですからね。本当にそればっかり。今年新しく買ったTシャツはこれと、あとロンドンのバーで買った店員用のTシャツだけかな。ただヴァレンティノのTシャツが廃盤になっちゃって、そろそろ次を探さなきゃと。それでボッテガ ヴェネタで見つけました。ダニエル・リー(Daniel Lee)に変わって、ボッテガは本当に良くなりましたよね。

F:すごく売れているらしいです。

光山:ですよね。さすがフィービー・ファイロ(Phoebe Philo)の元にいただけあって、フィービーファンを根こそぎ持っていった気もします(笑)。このシャツは前と後ろで首元のデザインが違ったり、細かいところがデザインされていて。あとこの脇についているタブも好きで買いました。

F:どちらかというと面白みがあるデザインが好きなんですか?

光山:シンプルだけど遊びがあるものが好きなんですよね。それとこの素材の肉厚感。どことなくアメリカのザラッとしたヘビーさを思わせて、ヨーロッパとアメリカのいいとこ取りみたいなところ。昔みたいな透けるくらい薄いTシャツが減ったなぁって思います。さっきのルイ・ヴィトンのスウェットもそうですが、肉厚感が今の気分なんでしょうね。

F:一枚で着られるTシャツが多くなった気がしますが、シンプルなので差別化が難しくなりそうです。

光山:ミクスチャーやドッキングとか見た目の重層さは増えたけど、重ね着はあまり好まれなくなった気も。一枚でサラッとラフにというのがトレンドなんですかね。昔からTシャツはプリント命と言われていますけど、正直ロゴ以外のデザインで「このブランドじゃないとダメ」とハッキリとした差別化が出来ているブランドは少ない気もします。

F:あとはシルエットくらいでしょうか。

光山:陳列されている状態で判断できない、試着するっていう体験をしないといけないものなら記憶に残ると思いますね。

TEÄTORA セットアップ

F:以前、光山さんはテアトラを買うのを避けていた気もしますが。

光山:FASHIONSNAP.COM内でテアトラ率が高かったので、僕は着なくてもいいかなぁと。でも、着てみたらすごく良かった。

F:やっぱり良かったんですね(笑)。

光山:すみません(笑)。海外出張のときに"ビジネスドレスダウン(カジュアルアップOK)"って意味不明なドレスコードがあったので「もうよくわかんないからテアトラにするか」というのがキッカケでしたね。最初は必要に駆られて買ったのが、ハマってしまいました。

F:これ以外にも買ったんですか?

光山:素材違いでセットアップをもう2つ。それとデバイスコート、デバイスクルーザー、ウォレットショーツを。

F:爆買ですね。どれも人気の定番品です。

光山:一度買っちゃうと良さがわかって、レギュラー品を色々と試したくなっちゃいました。シルエットが良いし着心地も良い、そして機能的。よく考えられているところが素晴らしいです。袖丈とかも長めにしてあっても「そもそも切って調整する必要あるのか」ということで、捲くって調整してくださいと言われました。空港で売っているのを見かけた時にナルホドと思いました。捲くればジャケットもパンツも調整終了で買ってその場で着ても大丈夫ですしね。

F:テアトラが成功したことで、似たようなコンセプトも多くなった気がします。

光山:パッと見は似ていても、似て非なるものですね。機能性系のセットアップは色々と試着したんですけど、クラフトマンシップは皆無でした。やっぱりパイオニアはクリエイティブとクラフトマンシップの両面を持っているんだなと感じて。このポケットはなぜあるのか、ここになぜボタンが無いのか、そんな細かいところまで考えられてしっかり作られているのが痺れます。

F:コットンのような風合いのナイロン素材が特徴ですが、どのように着ていますか?

光山:Tシャツの上に着ることも多いですが、少しフォーマルな時はハリのあるシャツにニットタイなどを合わせますね。どこか一つでもフォーマルなものを入れるとまとまるので。靴は革靴かブーツ。スニーカーは長距離の移動の時に履くくらいです。

F:最近はスーツ不要論などもありますけど、実際はどうでしょう。

光山:正直、どっちでもいいですね。今年はよくその話を振られたんですけど、その議論必要?っていつも思います。スーツを着なくても同じクオリティの仕事ができるんだったら良いし、まわりも気にしないと思うんですけどね。

F:光山さんのスーツ姿は割と多い気がします。

光山:着てこいとは言われないですけど、礼儀というか場の雰囲気を感じる時は着ます。まぁ、実際は自分が着たいだけなんですけど。この間チェコに行った時に、スーツの人たちがバーのカウンターでズラっと並んでお酒を飲んでいたんですよ。それを見てカッコいいなぁって素直に思いましたし。世の中の流れでスーツがだんだんコスプレ化している感じですが、僕は着続けたいですね。

F:コスプレ化(笑)。夏も着ますか?

光山:着ますよ。スーツを着ている年上の人たちに挨拶をする時は、暑くてもできるだけ着ますね。テアトラのスーツ地を買ったのはそれも理由かな。夏は週に何日かは着ていたかも。中にヴァレンティノのTシャツ、足元は「ハーレー(Hurley)」か無印良品のサンダル。お前はちゃんとしたいのかしたくないのかハッキリしろってよく言われました。シャレが通じる人ばかりなので助かりましたが(笑)。

F:メチャクチャですね(笑)。でも、袖や裾を捲って調整できるのは着やすそうです。

光山:いや、なんだかんだで丈は切ってしっかり揃えました(笑)。

 

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