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コロナ禍で出店を希望するブランドが急増、成長をし続ける「ファーフェッチ」の魅力と強み 

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世界中のラグジュアリーファッションを取り揃えた「ファーフェッチ(Farfetch)」では、ECサイトとしてだけではなく様々な独自のサービスを展開。創業以降、英国のセレクトショップ「ブラウンズ」やオフ-ホワイト擁する「ニューガーズグループ」の買収、「シャネル」や「トム・ブラウン」との業務提携などを行い、2018年にはニューヨーク証券取引所に上場するなど勢いを増している。成長をし続けるファーフェッチ社で、日本支社のマネージングディレクターを務める岩原尋にファーフェッチの魅力について聞いた。

ファーフェッチとは?

ポルトガル出身でデザイナー業やセレクトショップの運営の経験をもつ現CEOのジョゼ・ネヴェス(José Neves)によって2008年に創業。世界中のブティック、ラグジュアリーブランドや百貨店と、カスタマーを繋げるデジタルマーケットプレイスとして運営し、ビジネスパートナー(パートナーブティックやブランド、百貨店など)は1200以上、取り扱いブランド数は3400を超え、日本を含む190ヶ国にサービスを提供している。

―マーケットプレイスとは。

売り手と買い手が自由に参加できるインターネット上の取引市場のことで、ファーフェッチは世界中のブランドやセレクトショップ、百貨店と消費者を繋ぐ役割を担っています。

例えば、マーケットプレイスに出店しているセレクトショップやブランドの商品を集約しているので、より幅広いサイズや色のアイテムをお客様にご案内できますし、出店側には、ファーフェッチのロジスティックを提供し、より多くの国のお客様にお買い求め頂けるなど、快適なショッピング体験を提供するサービスの仕組みです。また、ファーフェッチではサイト上で注文を受けたパートナーブティックやブランド、百貨店の店舗が直接消費者に商品を発送するので、在庫を持たないビジネスモデルとなっています。

―類似するサービスを展開するECサイトと商品数やブランド数を比較するとどれくらいなのか。また、他のECサイトとのサービスの違い。

グローバルでは2番手だった競合ラグジュアリーECサイトの取扱高を去年ようやく超え、掲載商品数はSKUとユニットで見るとファーフェッチがそこの数倍から数十倍あります。やはり世界中のセレクトショップがバイイングしている商品を展開するので、その規模感が我々の強みです。また、ファーフェッチにはロイヤリティプログラム「ファーフェッチ・アクセス」というものがあります。年間購入額が75万円以上がプラチナ ステージ、150万円以上プログラムがプライベート クライアント ステージとなり、まさにマイレージプログラムと似ているもので、買っていただいたお客様にはそれだけベネフィットを提供するという非常に透明性の高いプログラムを展開しています。ベネフィットはステージ毎に異なりますが、送料無料や限定商品のプレオーダー、通常セールへの先行アクセス、返品期間の延長、オフラインで実施するパーソナルスタイリングなどがあります。

―消費者にとって、ファーフェッチで展開されている商品は店舗で購入するより安価で手に入る印象だが、それはどういった仕組みなのか。

物によっては為替の関係で安くなることもあるのですが、我々のスタンスとしては基本的に「価格競争には絶対に加担しない」という哲学を持っています。例えば出店いただいてるブランドから「日本の上代で売ってください」という風に言われたら、我々はそれに合わせて上代で売るようにビジネスパートナーを促します。一方で難しいのは、Farfetchの競合サービスにあたるラグジュアリー系ECサイトがヨーロッパ価格で売っている場合は、やはりそこに価格を合わせていかないと出店して頂いてるセレクトショップやブランドがオンラインの販売が難しくなってしまうので、価格優位性の観点から日本の上代をパートナーが維持することが難しい場合があります。しかしラグジュアリー業界は確実に供給過多で、特に2019年は競合のラグジュアリーECサイトや北米の百貨店が商品を低価格で売り、ラグジュアリーがコモディティ化してしまう現象が見られました。今はようやくそれが元に戻り、セールに参加をしないブランドやショップが業界で増えてきているので、ここからは価格で勝負をしないという我々の哲学を見ていただける局面なのではと信じています。

―ファーフェッチは注文してから発送までが早いのも特徴ですよね。

ファーフェッチでは、世界中の出店パートナーから、国内外の大手配送会社と提携し直送されるため、商品は最短で3-4日で届きます。

ファーフェッチ社について

―ジャパン社の規模。

従業員数はマーケティングやオペレーションチーム、国内のパートナーとのリレーションを統括するチームなど全60人くらいですね。Farfetch自体がファッションECなので、ファッション業界の経験者ばかりだと思われがちですが、バックグラウンドは様々です。ただ、「ファッションが好き」という想いは社員全員に共通している部分ですね。

―オンラインとオフラインを融合する「ストア・オブ・ザ・フューチャー」

実店舗在庫の可視化や即日配送など、今まで強化してきたオムニチャネル施策などの先を考えたプロジェクト「ストア・オブ・ザ・フューチャー」というものがあります。ブランドやブティックとは、普段からどうやったらデジタルの戦略をよりサポートできるかということをお話ししておりまして、その中で必ず出てくるテーマが「店舗でしかできないこと」。我々の考えとして、店舗で買うという体験はラグジュアリーファッションにおいて非常に大事な要素であり、それをより強調させるために我々が開発したテクノロジーで転用できる事がないのかと考えたのがプロジェクトの発端です。直近ですと、シャネルと協業で「未来のブティック(Boutique of Tomorrow)」というプロジェクトを始動させました。パリの旗艦店で販売員用アプリや顧客用アプリ、コネクテッドミラーを活用し、顧客ごとのパーソナル接客を行います。顧客用アプリでは、店舗に行く前にアプリ上で商品を見てウィッシュリストを事前に作成し、店舗で製品を探す時間を節約することができる。また、ココ・シャネルが住んでいたアパートのヴァーチャルツアーやランウェイショーに使用した音楽のプレイリストといったコンテンツなども用意しています。

新型コロナウイルスを受けて

―新型コロナウイルスで出店を希望するブランドは増加したのか。

増えましたね。外資系のブランドは元々グローバル規模で取引があるところが多いのですが、これまで取引がないブティックやブランドから、特に4月から5月にかけて問い合わせが殺到しました。とにかく店舗に在庫が滞留していますし、今後消費者の動きも変わってくるので、これを機にデジタルへのシフトを進めて行くということで出店依頼を頂いています。

―最近はカートサービスなどを利用し、自社のECサイトを立ち上げることが簡単にできるようになったが、ブティックやブランドがあえてファーフェッチに出品したいと思う理由は何か。

たしかに、今の時代にECを立ち上げること自体はそんなに難しいことではないと思います。ECを運営する上でブランドが苦労している点は特に在庫管理です。1箇所にある在庫をオンラインに載せて販売できる会社は星の数ほどありますが、ブランドが特に苦労しているのは複数の店舗間の在庫を共有し、ECの倉庫とも連動させる事。しかもそれをワールドワイドレベルで連携するのはさらに難易度が高くなり、それができている企業はなかなか無いのではないでしょうか。しかしファーフェッチは、世界に点在する在庫から、数百万というお客様に届けるためのロジスティックと、それを管理するテクノロジーを持っているからこそ、効率的にオンラインで販売することができます。加えて、ラグジュアリーの商品をオンラインで販売することに長けているという点も、ファーフェッチに出店するメリットではないでしょうか。ラグジュアリーの購買体験とはどういうものなのか、ラグジュアリーの商品を買うお客様のマインドはどういう状態なのかを理解できているECは世界でも我々だけだと思います。

ファーフェッチ社の魅力

―「be human」と「todos juntos」なカルチャー、スーパースターはいらない社風

グローバルで掲げている会社のバリューの中で、ジャパン社で大事にしているものに「be human」と、チームワークを意味するポルトガル語「todos juntos」の2つのバリューがあります。デジタルの会社の印象として、「冷たい」とか「血が通ってない」というふうに思われがちなのですが、ファッションを扱っている以上はエモーションの部分をすごく大事な部分としていますね。また、このビジネスはとても複雑性が高く、何か1つのことをやろうとしても、日本国内で完結するものでもなく、1人でできるものでもない。なので、スーパースターよりも、チームで勝つために貢献できる人をタレントという風に定義しています。

―活躍している方の特徴は?

やはり問題解決能力が高い方ですね。多くのものに関してはやったことがなかったり、誰もやったことがないことをやろうとするということが我々にとって、日々の仕事です。例えば「VIPのお客様にこうしたコロナの状況下でヴァーチャル スタイリング アドバイスはどう行うか」といった問題を投げかけた時に、問題を解決したいと思える方はすごく活躍します。「どうやってやるんですか」と聞くのではなく、「こうやったらできそうですね、ああいう風にやったらできそうですね」と問題解決をしていく。デジタルのフロンティアを切り開いていくという意味で、そういった問題解決能力が高い方が働きやすい環境だと思いますね。

―岩原さん自身の経歴について。

生まれてから高校を卒業するまでニューヨーク州に住んでいました。また、小学校5年生から高校1年生までマーク・ザッカーバーグと同級生だったんですよ。僕が小学校の時って、AOL(アメリカンオンライン)の全盛期で、家に帰ったらみんなでチャットをすることを小学校5年生ぐらいの時からずっとやっていたんですね。自作のPCを作るというのがその友達の輪の中では流行っていまして、割と身近なところにオンラインがありました。高校に入った時にはビジネスをやりたい、将来的には起業もしたいと思っていたので、慶應のニューヨーク学院に入った後に慶應義塾大学の湘南藤沢キャンパスに身を置きました。ベンチャー企業が生まれやすい校風というのもあり学生時代にも色々やっていたのですが、戦略を立てたり資金を使って企業運営するとはどういうことかをきとんと学ぶ必要があると思い、新卒では銀行のモルガン・スタンレーに入社しました。

6年間修行した上で、第一のチャレンジとしてラグジュアリーブランドのリセールサイト「ザ・リアルリアル」が日本進出をする際の立ち上げメンバーとしてCFOに着任し、実際に会社をやることの難しさを知り苦労しました。しかし最終的には力不足で、ザ・リアルリアルが日本撤退してサービスを閉じました。ファッションの面白さを体感しつつ、やり切れなかったという悔しい思いもあったのでリベンジとしてファーフェッチに入社をしました。

―岩原さんのミッションとは。

私のミッションは2つありまして、1つ目は新しいテクノロジーの共通基盤を日本に導入することです。日本はテクノロジーの導入が極めて遅れています。テクノロジーの導入が必要不可欠になってくるなかで「世界で普及しているテクノロジーが日本では使われていない」ということになってしまいますと、中国にも溝を空けられている中で日本のラグジュアリープライオリティーが下がってしまいます。2つ目は、日本のブランドおよびセレクトショップが世界に販売できるという仕組みをきちんと作っていくこと。より効率的に、日本のブランドがもっと簡単に海外のお客さんが販売できるインフラを提供していきたいです。

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