ワコールが導入を開始したアバター遠隔接客システム「アバカウンセリング」
Image by: FASHIONSNAP
ワコールが、アバターを活用した新しい接客システム「アバカウンセリング(Ava.COUNSELING) パルレ」の導入を開始した。アバターを介することで来店客がBA(ビューティーアドバイザー)と気軽に対話できる環境を目指したほか、店頭だけではなく在宅からの遠隔接客を可能にすることでBAの働き方改革にもつなげる。
アバカウンセリングは、HEROESのアバターコミュニケーション技術「Ava Talk」を応用した非対面型のカウンセリングシステムで、BAがアバターを介して来店客に遠隔カウンセリングを行う。アバターは2種類を用意し、BAの表情に合わせてアバターが動く仕様になっている。AIではなく専門知識を持つBAが接客を行うことがカウンセリングシステムの強みだという。
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10月29日から導入している「ワコール3D スマート アンド トライ(3D smart & try)東急プラザ表参道原宿店」では、約5秒で全身採寸できる3Dボディスキャナーで得た身体データをもとに接客し、タブレットを活用しながら顧客の体型の解説や下着選びのアドバイス、体型やバストサイズに合う商品の提案などを行っている。顧客からは「アバターだからこそ話しやすい」といった声が寄せられているという。カウンセリングの利用は事前予約制で、1日2組程度の予約枠を設けている。現在は東急プラザ表参道原宿店限定で導入しているが、他店舗への展開も検討している。顧客の採寸データやレコメンド商品のデータをワコールのECと連動させることも視野に入れる。
遠隔接客の取り組み自体は新型コロナウイルスの感染拡大以前から構想していた施策で、産後の仕事復帰を希望する販売員の労働環境整備が当初の目的の一つだったという。BAの育児と仕事の両立をアバター遠隔接客サービスにより実現させることで、BAの可能性を広げていく考えだ。BAのリモートワークは来期に導入を計画している。
ワコールは近年デジタルトランスフォーメーション(DX)に取り組んでおり、3D スマート アンド トライの店舗は現在12店舗を展開している。これまで約3万人が利用し、そのうち購入につながったのは約3割と想定の水準だという。先月29日にZOZOが新型の3D計測用ボディースーツ「ゾゾスーツ 2(ZOZOSUIT 2)」を発表し、インナーウェアなどの開発にも意欲を示したが、ワコールの広報担当者は「インナーウェアはS・M・L以外の細かなサイズ展開をするには高い縫製技術が必要なので、市場参入の障壁は意外と高い。ワコールには専門知識を持つBAがいることも強み」と見解を述べた。
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