ユニクロのロゴ
Image by: FASHIONSNAP
ファーストリテイリングが、2021年8月期の通期連結業績予想を下方修正した。第3四半期(2021年3月〜5月)において増収増益を達成したが、計画値を下回ったこと踏まえて決定されたものだという。計画未達の要因とは何だったのか。グループ上席執行役員CFOの岡崎健氏が7月15日開催の決算会見で語った。
同社は第2四半期決算で国内や中国での販売好調を背景に、今年4月に通期予想の上方修正を発表。売上収益を2兆2100億円(期初予想から100億円増、前期比10.0%増)、営業利益を2550億円(期初予想から100億円増、前期比70.7%増)に引き上げていた。
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第3四半期の累計実績では売上収益1兆6980億円(前年同期比9.9%増)、営業利益2278億円(同72.1%増)、親会社の所有者に帰属する四半期利益1513億円を計上。前年同期を大きく上回ったが、計画値に対しては大幅に下回ったという。新型コロナウイルス感染拡大に伴う臨時休業が想定以上だったことも要因の一つだが、岡崎氏は「ユニクロ(UNIQLO)」における商品の新しさやニュースが不足していたと説明する。
ユニクロでは6月に発売した「マメ クロゴウチ(Mame Kurogouchi)」をはじめ、人気作品「呪術廻戦」や「あつまれ どうぶつの森」などのコラボレーションが話題を集めた。しかし、岡崎氏は今四半期の国内ユニクロ事業について「ラウンジウェアやエアリズムマスクなど、昨年需要が高かった商材に引きずられすぎた。お客様にとってみると代わり映えがない。工夫していたつもりだったが、新商品が埋もれてしまって(全体としての)印象が大きく変わらなかったのではないか」とコメント。海外ユニクロ事業に関しても、グレーターチャイナで大幅な増収増益を記録するも、中国では国内旅行に消費がシフトしたほか、これまで売上をけん引してきたUTのニュース性や消費者への訴求が弱く、想定よりも売上が伸びなかったとしている。
「ジーユー(GU)」も「品番数をコントロールしながら商品構成を入れ替えていかなくてはいけないが、いろんなトレンドを取り込もうとしてしまい、"トレンドのど真ん中"を捉えきれなかった。率直に言うと、売れ筋ではない品番をたくさん作ってしまった」とコメント。値引きによる在庫消化を図る悪循環に陥ったことを課題に挙げ、2021年秋冬シーズンは品番数を絞り、「本来のジーユーの強さを取り戻したい」と語った。
下方修正後の通期業績予想は、売上収益2兆1500億円、営業利益2450億円とし、当期利益は期初予想の1650億円に据え置いた。今月12日から都で発出された4度目の緊急事態宣言による消費への影響も織り込んでいる。
コロナは依然収束していないが、岡崎氏は今後の見通しについて「生活様式や行動様式はどんどん変わっていくのではないか。その中で、いかに先読みしていくか。商品構成を準備し、需要が出てきたときに応えていく工夫をしたい」と前向きな姿勢を示した。
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