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「居場所を作ると心が救われる」 映画初主演、5ヶ国のマルチルーツを持つ嵐莉菜

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「居場所を作ると心が救われる」 映画初主演、5ヶ国のマルチルーツを持つ嵐莉菜

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嵐莉菜 – 心を救う居場所

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私は何者なんだろう。

日本に住むクルド人高校生の成長を描いた映画『マイスモールランド』で、主人公の高校生、チョーラク・サーリャを演じた嵐莉菜。日本、ドイツ、イラン、イラク、ロシア、5ヶ国のマルチルーツを持つ嵐のコンプレックスが誇りに変わるまで。

家族にとって宝物のような作品になった

― 映画『マイスモールランド』、素晴らしかったです。現実に即した物語として深く考えさせられましたし、その中で嵐さんが紛れもないサーリャとして生きていて心動かされました。本作が映画初出演とのことですが、どういった経緯で?

オーディションです。演技はいつかやってみたいとは思っていたんですけど、こんなに早く、しかも主演で叶うとは思いませんでした。

サーリャは日本人として生活したいけど、見た目で外国人と判断されてしまうこともあって。私もサーリャと状況はぜんぜん違うんですけど、幼少期からそういう葛藤がありました。共通点が感じられたことで、サーリャを演じたい気持ちがより大きくなっていったので、決まったときはすごくうれしかったです。

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― 出演が決まってからはどのような準備をされましたか?

台本をいただいてから、空いている時間はずっと台本を読んでいました。その後、ワークショップで実際にクルド人のご家族にお会いしたんです。ご飯をいただいてすごく美味しくて素敵な文化だなと思ったんですけど、インターネットでは出てこないような「本当はこういう状況です」という不自由な生活についても教えていただいて。それでサーリャのイメージがすごくわいたし、最後までしっかり演じ切ろうという決意も新たにしました。

あとはトルコ語がまったくしゃべれなかったので、トルコ語の先生のリスニングをずっと聞いたり、台本を見て発声練習をしたり。父がトルコの高校に通っていたので、トルコ語を話せるんですよ。それで発音のチェックをしてもらったり。本番はトルコ語の先生がいらしたんですけどNGもなく、父からも本当にしゃべれる人みたいって言われて、頑張って練習した甲斐がありました。

― 完成した作品、クルド人の方たちにも観て欲しいですよね。

そうですね。クルド人のご家族に1歳上の女子高校生の子がいて、その子も「すごく楽しみにしてる」と応援してくれて。この作品への思いがより強くなりました。

女性の手

― それでさっき気づいたんですけど、もしかして(劇中の家族は)本当のご家族?

そうなんです。

― やっぱり。映画を観たときは、掛け合いも自然で顔も似てるし、キャスティングの妙だなって思っていましたが、いま資料を読み返してたら「あれ?」と。

名前が一緒だぞって(笑)。

― 衝撃でした。

それも狙いだったので嬉しいです。観たあとに気づいて「もう1回観たい」って思ってくれる方がいるんじゃないかなって。

― ご家族と一緒に出演するというのはどういう感覚でしたか?

家族全員がオーディションを経ての出演だったのですが、やっぱり恥ずかしくて。自分がお仕事をしている姿を家族に見せたことがなかったので。

だけど完成した作品を観たときに、たとえば家族でラーメンを食べるシーンとか、実際の家族じゃないと出せない演技もあったんじゃないかなって思いました。そのシーンを褒めてくださる方も多いので良かったなって。わたしたち家族にとって宝物のような作品になったと、いまはすごく思います。

― 川和田恵真監督が脚本も担当されていますが、嵐さんのご家族を想定して書かれたところもあるのでしょうか?

最初の脚本では2人姉妹だったんですけど、弟も追加されました。役の年齢も実際の年齢にできるだけ近づけて、性格も妹は映画のまんまです(笑)。

― 嵐さん演じるサーリャの妹、アーリンですね。あとから追加された弟のロビンも物語の中で欠かせない役割を担っていました。

弟はすごくて。本番が始まる前は走り回っていても、本番になるとスッとスイッチが入るんです。セリフもすぐ覚えて、ちゃんと言えてて感動しました。

― 弟の成長にぐっときたみたいですね。

10歳差なので、赤ちゃんの頃から見てるから「あぁ…」みたいな。

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居場所を見つけるといろんなものが見えてくる

― 先程、嵐さんご自身もミックスだということで葛藤があるとおっしゃっていましたが、その葛藤というのはどういった意味合いでしょうか?

これはミックス共通だと思うんですけど、よく「どこから来たの?」って聞かれるんですね。日本で生まれて、日本で育ってきたはずなのに、そう聞かれたときにやっぱり自分は外国人なんだって思ったり、母国がどこかわからなくなってしまったり。あとはレストランに行って外国語のメニューを出されたりすると、これは観光客にとってはすごくいいことなんですけど、やっぱり見た目で外国人だと思われてしまうよなぁって。

悪気がないことはもちろん知っていて、興味を持ってくださっていることはすごく嬉しいんですけど、些細なことでちょっと傷ついちゃったり。幼稚園のころから自分は他の人と違うんだっていうのは気づいていたので、そのころからずっとコンプレックスはありました。

― 接する方も悪気はないんですよね。劇中でもサーリャに対して「お人形さんみたいね」というセリフがあって、それはむしろ褒めているんですけれども、やっぱり自分は他の人と容姿が違うと気づかせる言葉でもあって。

そうなんです。

― 難しいですよね、すごく。そういった葛藤をご自身の中で少しは乗り越えてきたと感じられることはありますか?

高校に入ってから、「その髪色良いな」とか「目の色良いな」って言われることが多くなって。でもちょっと前まで、私は「良いな」って言われるのがすごく嫌だったんですよ。私は嫌なのにって。

でも、高校に入ってモデルのお仕事を始めてから、この見た目やアイデンティティを必要としてくださる方もいて。そういう方々に出会ってからは自分を大事にしなきゃなって思えて、私がコンプレックスだと思っていたことが自分の誇りに変わりました。

― コンプレックスが誇りに。発想の転換ですね。

はい。自分だけのものは大事にしようって、いまはプラスの方向に考えています。

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― 『マイスモールランド』という映画は、いま日本にある社会問題を知ることができる物語ですが、理不尽な現実に立ち向かう1人の女性の葛藤を描いた物語でもあります。サーリャの状況は特殊ですけど、そうでなくても10代って自分は何者だろうとか、自分は何者にもなれないとか、自分が周りからどう見られてるか、どう生きていくか、そんなことがすごく気になる年頃ですよね。だから、だれもがサーリャに自分自身を投影して観ることもできる映画だなと感じました。

ほんとうに。その通りですよね。

― たとえば嵐さんの周りにそういう悩みや生きづらさを抱えている人がいたら、どんな言葉をかけてあげたいですか?

私の友達にも、将来の夢がなくて進路をどうしたらいいかわからないっていう子もいます。国籍関係なく、みんなが抱えている問題ですよね。私がすごく大事だなって思うのは「息抜き」すること。自分の好きなものと向き合う時間がすごく大事だと思っているんです。でも、そういう時間をあんまり作らない子が多くて。私自身も勉強しなきゃとか焦ってばかりで、それがストレスになっていました。

友だちとの会話でも映画でもアニメでも、好きなものは何でも良いんですが、自分の居場所を作ると心が救われると思うんです。私にとっての居場所は音楽で、何度も救われてきました。そういった居場所を見つけると、いろんなものが見えてくるんじゃないかな。

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― いいですね。思いつめ過ぎず、視野を広く。嵐さんはどんな音楽が好きなんですか?

いろんな曲を聴くんです。ヒップホップも、洋楽も、邦楽も、アニソンも。

― 幅広く。

自分の気持ちに合わせて聴く音楽を選んでて。後悔して落ち込んだときには悲しいメロディを聴いたり、気分が良いときはアップテンポな曲や強気な曲を聴いたり。音楽はいつも私に寄り添ってくれてきた存在です。

― 悲しいときには気分を上げる明るい曲じゃなくて…

悲しいときには、悲しい曲を。その方が、音楽が寄り添って味方になってくれている気がして。変な感情ですけど。

― 音楽が友達ですね。

音楽はすごく楽しい友達で、大好きです。一生大事にしたい。

― 自分で音楽活動をやろうとは思わないんですか?

どうだろう……。音楽を作ってる人に強い憧れはあるので、現場は見てみたいです。見ると自分もやりたくなっちゃうかもしれないですね。

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― では最後の質問です。嵐さんはモデル、俳優として、今後の活動のビジョンはありますか?

モデルはこれからもどんどん進化していきたいです。

― 進化?

進化っていうか、完成したくなくて。完成すると終わっちゃうから。まだまだ体を絞ることはできるし、筋肉を鍛えることもできる。もっと表情やポージングのレパートリーも増やせるし、どんどん吸収していきたいんです。

それで機会をいただけるのであれば、いろんなジャンルのお芝居にも挑戦してみたいです。映画の撮影が終わってからもっとお芝居がしたいって思うようになって。テレビとかドラマを観ていても「私もやりたいな」と。いまは撮影前より何百倍も興味があります。

― 今後はモデルと俳優の両軸で。

あとはバラエティもやってみたいです。

― タレント活動も?

そうですね。自分にルーツがたくさんあるので、将来的には世界と日本の懸け橋になれるような存在になりたいなと思っています。

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Profile _ 嵐莉菜(あらし・りな)
2004年5月3日生まれ、埼玉県出身。「ミスiD2020」でグランプリ&ViVi賞のW受賞。2020年よりViViで専属モデルとして活躍中。日本とドイツにルーツを持つ母親とイラン、イラク、ロシアのミックスで日本国籍を取得している父親がいる。本作が映画初出演にして初主演となる。
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tops ¥22,000・skirt ¥22,000 / PAMEO POSE、 Others Stylist’s Own.

Information

嵐莉菜さん主演映画『マイスモールランド』

2022年5月6日(金)より、新宿ピカデリーほか全国ロードショー

出演:嵐莉菜、奥平大兼、平泉成、藤井隆、池脇千鶴、韓英恵、サヘル・ローズほか
監督・脚本:川和田恵真
主題歌:ROTH BART BARON 「N e w M o r n i n g」

『マイスモールランド』公式サイト
©︎2022「マイスモールランド」製作委員会

Photography : Madoka Shibazaki
Styling : Rina Uchida
Hair&Make-up : Tsukushi Tomita(TRON)
Text&Edit : Yusuke Takayama(QUI / STUDIO UNI)

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