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古着人気で広がる輸入古着店 輸入量は過去最高に

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21年にオープン、売れ行き好調な「古着屋JAM」福岡店
21年にオープン、売れ行き好調な「古着屋JAM」福岡店
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 古着の人気が続いている。古着店がファッションストリートに広がり、最近はファッションビルに出るケースも見られるなど、その勢いを象徴する動きが目立つ。海外古着の輸入量は21年に過去最高を更新し、22年上期もそれを上回るペースだ。古着が人気の状況や背景、海外古着を扱う店の今後を考えてみた。

女性にも広がる

 古着店が集まる大阪のアメリカ村、東京の下北沢や高円寺では、多くの若者が古着を楽しんでいる。若年層にとっては、手頃な価格で個性のある服が見つけられ、様々なおしゃれができる点が魅力だ。

 SNSが広がった中、「他の人と服が被りたくないから古着を求める人が増えたのでは」と、古着の広がりをとらえる声もある。インスタグラムで「#古着」を入力して検索してみると数多くの投稿がある。今回はこれまでのブームよりも、女性の間で広がっているようだ。ビッグシルエットのトレンドが続いていることも後押しになっている。

 店の動きや、海外古着の輸入量の推移からも昨今の古着の勢いがうかがえる。例えば「古着屋JAM」主力のJAMトレーディングは、アメリカ村や堀江など関西圏だけでなく、21年に原宿、広島、福岡、22年に入って仙台、名古屋・大須と店舗を増やし、コロナ下も成長を続けている。

 財務省の貿易統計によると、「中古の衣類その他の物品」の輸入量は、21年に最高の8701トンになった。それまでで年間輸入量が最も多かったのは05年の8082トン。22年は1~6月の速報値が前年比12.3%増の4995トンで、金額は52億4600万円(46.4%増)だった。円安が続き、1キログラム当たりの輸入単価は3月から1000円超が続いている。22年は年間で1キログラム当たり約896円。輸入単価は、過去に何度も1キログラム当たり1000円を超えた年がある。1000円超となった年は07年以来。07年は08年に1000円を割り、輸入量も減少に転じたが、その前の90~06年はずっと1000円以上が続き、92~98年は2000円以上を記録している。これまで輸入量が大きかった95年と05年の二つのピーク時の為替は、22年よりも円高。過去最高を更新した21年は05年と変わらない相場だった。22年から急激に進む円安で、後半の輸入がどうなるか気になる。

古着屋ならでは

 今後も古着の人気がどれだけ広がり続けるのか分からないが、はっきりしているのは、古着店も時代の変化に対応し、新しい提案が欠かせないことだ。かつて古着が流行した時は、ECも定着しておらず、マーケットへのアプローチ方法も限られていた。

 古着屋JAMは、ECから創業したこともあり元々EC化率が高いが、最近はライブコマースにも着手した。大阪・堀江店ではECの店舗受け取りサービスを始め、年内には越境ECも計画する。初進出を含め全国の大都市に出店も進め、意欲的に消費者との接点を拡大している。

 提案で新鮮なのは、ヒューマンフォーラムの「森」が手掛ける古着リメイクだ。古着を仕入れて売るだけでなく、併設するリサークルマーケットで古着をリメイクやアップサイクルしたオリジナル商品を打ち出している。この商品が東京をはじめ大都市で好評で、「ザ・タイニー・ショップ・バイ・モリ」で提案するECは、売り上げの50%以上になっている。7月には東京で単独の期間限定店を路面で初開催し、好感触だった。

 リユースショップやフリマアプリによるCtoC(消費者間取引)の広がりなど、海外古着店と同じ2次流通の中で競合は増えた。サステイナビリティー(持続可能性)の意識の高まりが、古着にとって追い風になるとの声もあるが、海外古着店の現状を見聞きする限りでは、そこまでには至っていない。

 今後の海外古着店については競合する2次流通などは気にせず、独自の切り口を重視する構えでいいと思う。マーケティングについては、時代に沿って新しい挑戦をし、女性はじめ消費者との接点を広げることは欠かせない。一方で古着ショップ本来の強みも磨き続けるべきだ。

 一点物であり、目利き力を生かしてお客をワクワクさせる品揃えはもちろん、その魅力や奥深さを伝えるスタッフ、雰囲気を盛り上げる店舗空間。ネットや新規出店で提案は広げても、古着屋が持つ原点の魅力を大事にし続ければ、ブームを超えて支持は続くだろう。いつまでも〝古着屋ならでは〟の楽しさ、カッコよさを実現し続けることが肝心だと思う。

小畔能貴=大阪編集部メンズ担当

(繊研新聞本紙22年8月15日付)

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