未来ガ驚喜研究所の代表取締役社長 齋藤賢吾氏
ブランドアイテムの買取や販売を行う「リンカン(RINKAN)」を運営する未来ガ驚喜研究所が、真贋鑑定サービス「シーズ バイ リンカン(SEES BY RINKAN)」を10月10日にスタートする。リセール市場で偽造品・模倣品が多く出回っている現状を受けて、17年間営業してきた実績を持つリンカンのバイヤーが同社の基準で真贋鑑定を行う。代表取締役社長の齋藤賢吾氏は「世の中から偽造品が一掃されることがプロジェクトのミッションです。偽物で悲しむ人がいなくなることを願っています」と話す。
財務省によると、2021年の偽ブランド品の輸入差し止め点数は81万9411点で、前年比39.1%増となっている。未来ガ驚喜研究所では、こうした現状を「コロナ禍でフリマアプリなどの個人間のやり取りが増えたことで偽造品がさらに増加した」と分析。また税関で差し止めできなかった偽造品によってリセール市場に偽造品や模倣品が蔓延しており、現にリンカンでは毎日1点以上、月間で50〜100点程度の偽造品が持ち込まれているという。コロナ禍でさらにフリマアプリなど個人間での取り引きが増加する傾向にある中で、フリマアプリは「買ったものが正規品かどうかわからない」「買いたいものが正規品なのか不安」「売りたいものが正規品だと証明したい」といった信頼関係の構築が難しいことを課題として挙げる。リンカンは現在全国に12店舗展開しており、その中には「ゴローズ(goro’s)」や「クロムハーツ(CHROME HEARTS)」といったブランドの専門店があり、知識に長けたバイヤーがいるという強みがある。また、2018〜2021年の3年間の買取実績は約40万点に上り、買取りに至らなかったアイテムを含めると、リンカンのバイヤーが日々多くのアイテムに触れていることがわかる。こうした実績のあるバイヤーの鑑定技術を用いることで、安心できるリセール市場を構築できるのではと考えたそうだ。なお、日々ブランドアイテムの買取販売を行うリンカンだが、2021年は販売したアイテムに対して「偽造品」だと指摘するクレームは0件だったという。
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シーズ バイ リンカンでは、郵送や指定した店舗への持ち込みによって実物を手にとって鑑定する「オフライン鑑定」と、アイテムの指定箇所を撮影した画像で判断する「オンライン鑑定」の2種のサービスを用意。オフライン鑑定は、商品が鑑定場所に到着してから5日以内(ゴローズのみ特殊な鑑定方法のため7日以内)に鑑定結果が通知され、正規品(PASS)と判定されたものは、シーズ バイ リンカンの真空パックに入れられ、タグと鑑定した証明となるギャランティを付属品とともに返送される。ギャランティにはシリアルナンバーが記載されており、フリマサイトなどで販売した際にギャランティとセットで郵送。購入者はシーズ バイ リンカンの公式サイトでシリアルナンバーを検索することで、鑑定結果が確認できる仕組みとなっている。オンライン鑑定は2日以内、最短当日には鑑定結果が通知される。指定枚数はアイテムによって異なり、5〜10枚程度を予定。対象ジャンルは、リンカンで主に扱っている「シュプリーム(Supreme)」「オフ-ホワイト™(OFF-WHITE™)」「ヴェトモン(VETEMENTS)」などストリートブランドを中心としたアパレル、ゴローズやクロムハーツをはじめ、「エルメス(HERMÈS)」「ティファニー(Tiffany & Co.)」「カルティエ(Cartier)」といったアクセサリー、「ナイキ(NIKE)」「アディダス(adidas)」「イージー(YEEZY)」「バレンシアガ(BALENCIAGA)」などのスニーカーとなっている。価格はオフライン鑑定のアパレルとスニーカーはブランドを問わず1点3300円、アクセサリーは5500円でゴールドが少しでも含まれている場合はオプションで+4400円、ゴローズは一律7700円。オンライン鑑定は全カテゴリ550円でゴローズは鑑定不可としている。
齋藤氏は「50〜100万円など高額取り引きされている商品は、フリマアプリで売買するにはハードルが高いと思います。その中でシーズ バイ リンカンの真贋を通ったということでギャランティと共に販売することで安心して取り引きできる市場にしていきたい。幅広いターゲットではなく特にリスクがある高単価の商材に絞っているため、強気な価格設定となっています」とコメント。真贋鑑定サービスによりフリマアプリでの取り引きが増え、リンカン経由の売買が減少する懸念もあるが、「フリマアプリでの取り引きを手間だと感じている層も多くいると思うので大きな問題とは考えていません。また、鑑定したアイテムに対して店舗で買取をした場合の査定金額をお知らせするサービスも考えていて、手間を考えたり、即金で手に入ることを考えてリンカンで販売するという新規顧客の獲得にもつなげることができると思います」と話す。
短期的な売上目標は月間200万円を掲げており、長期的にはフリマアプリと提携して、担当ジャンルの取引が成立した際にシーズ バイ リンカンの鑑定を挟むといったBtoBサービスの展開も計画しているという。「これまで偽物だというクレームがあれば、本物であっても全額返金するなどリセール業界の中でも特に偽造品に対して真摯に向き合ってきました。そのおかげか、フリマアプリではアイテムと一緒にリンカンのレシートを載せている人が増えてきていて、努力が信用として形に現れ始めています。今後このサービスが広まり、フリマアプリでアイテムを検索した際にシーズ バイ リンカンの真空パックの画像がずらっと並んでいたら嬉しいです」。
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