チェコ代表公式Twitterより
佳境を迎えている野球の世界大会「2023 WORLD BASEBALL CLASSIC(以下、WBC)」。大谷翔平らの活躍で、これまで全勝で準決勝まで駒を進めた日本代表「侍ジャパン」は、3月21日に決勝進出をかけてメキシコ代表と対戦する。投打にわたってチームを引っ張る大谷だが、移動の際に着用していたチェコ代表のナショナルキャップが全サイズ完売するなど人気を見せている。
大谷がチェコ代表のキャップを着用するきっかけとなったのは3月11日に行われたチェコ代表との1次ラウンド。タイムリーヒットを放った大谷の活躍もあり、侍ジャパンは10対2という大差でチェコを下したが、試合終了後にチェコ代表はベンチ前から日本代表に向かって拍手を贈った。大谷はこれを受け、試合後に自身のインスタグラムを更新。「Respect」という文言とともにチェコ代表の写真をストーリーズに掲載した。
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その後、敗退が決まったチェコ代表は3月14日に準々決勝に向けて東京ドームで練習していた侍ジャパンを訪問。大谷にチーム全員がサインしたチェコ代表ユニフォームを手渡し、引き換えにバットにサインをもらうなど親交を深めた。大谷を三球三振に仕留めたチェコ代表のオンジェイ・サトリア(Ondrej Satoria)は、この様子を写真付きでTwitterに投稿し大きな反響を呼んだ。
準々決勝でイタリア代表を破った侍ジャパンは、決勝ラウンドが行われるアメリカ・マイアミに向かって移動。現地に到着した際、大谷はチェコ代表のナショナルキャップを被って登場した。チェコ代表のナショナルキャップは、側面に国旗、フロントに国名「Czech Republic」を表す「CR」の刺繍をあしらったデザインだ。
チェコ代表チーム公式Twitterはキャップを着用する大谷の写真を引用し「Any chance he’s got some Czech heritage…? Someone pls check, we could find a spot for him at the European championship in fall.」(彼はチェコの血を受け継いでいるのかもしれません。秋の欧州選手権に出場するかも)とジョークを交えて喜びを表現した。
大谷が着用したことで、国内正規取扱店でチェコ代表のキャップは完売。WBCの公式グッズを取り扱うセレクション・インターナショナルの担当者は「大谷選手が着用するまでチェコ代表のキャップは各サイズ在庫があったので、この売れ行きの伸びは“大谷効果”だと思う。現在は在庫分だけでなく取り寄せ分まで品切れとなっている」とコメント。3月20日現在、国内でチェコ代表のキャップを購入することはできなくなっている。
チェコ国内で野球は、いわゆる「マイナースポーツ」に属し、今回のWBCが開催されるまで知名度はほとんどなかった。国内にプロリーグが存在しないため選手たちも普段は別の仕事を兼任し、WBCには有給休暇を取得して参加したという。しかし、WBC日本戦でチェコ国内野球中継の歴代最高視聴者数を記録するなど国内の人気は加熱。チェコ代表の監督を務めたパベル・ハジム監督は、日本の報道陣の取材に対し「次回のWBCでどれだけ上達したかをお見せしたい」と語った。3年後、2026年のWBCでチェコ代表がどんなプレーを見せるのか、期待が高まる。
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