Image by: FILME FILLED
デザイナー田畑大地が手掛ける「フィルム フィルド(FILME FILLED)」が、2023年秋冬コレクションで本格デビューする。
デザイナーの田畑は1989年、沖縄県生まれ。高校卒業後、衛生兵として陸上自衛隊に2年間所属。除隊後に上京し、東京フィルムセンター映画俳優専門学校 監督専攻へ進学した。卒業後、テレビCMの制作会社に勤務する傍ら、独学でファッションを学び、ファッションスクール「ここのがっこう(coconogacco)」に入学。その後「me school」に入学し、2020年にフィルム フィルドの前身となるブランド「エンティティ フィールド(entity field)」を立ち上げ、ポップアップストアのみで展開していた。
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本格デビューとなる今シーズンから、自身初となる展示会を開催。パタンナーや生産工場など、量産体制を整え、卸も始める予定だという。本格デビューにあたって、ブランド名をエンティティ フィールドから「フィルム フィルド」に改名。ブランド名は、映画監督を志していた田畑の「映画の世界をそのまま現実世界に反映することは難しいけど、ファッションは現実世界に介入することができ、それがファッションの良さである」という考えから「映画の空気感や僕自身が日常で感じたものを、ファッションの現実世界に介入する役割を借りることで昇華させたい」という気持ちが込められている。田畑の映画愛は細部にも反映されており、映画に用いられるワイドスクリーン技術「シネマスコープ」の比率をタグと下げ札に採用。田畑は「シネマスコープという映画で用いられている画角のように、人間を周りの世界と共ともに捉えること。人間が単独で存在するのではなく、周りの環境や事柄によって影響を受けることを表現したい」とコメントした。
田畑は現在もme schoolに在籍しており、me schoolではデザイナーの青木明子と坂部三樹郎が講師を務めるクラスに属している。授業内で田畑の作品が青木の目に留まり、「アキコアオキ(AKIKOAOKI)」が5年ぶりに開催した「Rakuten Fashion Week TOKYO 2023 A/W」でのランウェイショーでは、ヴィンテージTシャツをリメイクしたアキコアオキとフィルム フィルドのコラボレーションアイテムが披露された。
「身体の構築性(Constructive Body)」をテーマにした今回のデビューコレクションでも、古着を用いたトップス(2色展開、4万8000円)とワンピース(1色展開、8万9000円)を用意。古着を用いたアイテムを製作した経緯について、田畑自身が生まれ育った沖縄がアメリカの統治下であったことを挙げ「上京してから久々に実家に帰ったら、小さい頃に慣れ親しんでいたアニメやピザ屋さんなど、統治下時代の名残が失くなっていた。だから、戦前のアメリカを感じることができる古着のアイテムを作りたくなった」と説明した。なお、ワンピースは、ボディ(マネキン)を先に仕立ててから、型紙を取る製作方法を採用。「服が体の形をしていても、着用すると必ず着用者の身体に合わせてズレが生まれる。そこに神秘性を生み出せないか」と模索し、胸のダーツ位置などを通常よりも少し落としてデザインしたという。
このほか、立体的なダーツが特徴的なシャツ(2色展開、4万200円)やスカート(2色展開、3万7000円)、パンツ(2色展開、3万5000円)のほか、アメリカの狩猟者が着用している服が着想源の身丈や袖にスチールボーンが入ったドレス(1色展開、20万8000円)、ショートとロングの2way仕様を楽しめるトレンチコート(2色展開、14万6000円/全て税込)の全8型をラインナップする。
■FILME FILLED
公式インスタグラム
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