決算説明会に登壇した大江伸治社長
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ファーストリテイリングとアダストリアに続いて、三陽商会も業績連動に伴うベースアップ(給与水準の引き上げ)を公表した。4月14日に開かれた決算説明会で大江伸治社長が労働組合と2%アップで合意したと明らかにした。
三陽商会は6期にわたり営業赤字が継続していたが、2023年2月期に黒字化を達成。2025年2月期を最終年度とする中期経営計画で当初掲げていた計画値を大幅に上回った。
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この好成績を受け、社員還元の一環としてベースアップを決定。今回は給与水準を2%引き上げることで合意に至ったが、大江社長はさらに引き上げる可能性あると示唆した。また、賞与も「相当思い切って上げた」(大江社長)といい、今後も業績連動で社員のモチベーション向上に努めるとした。
◆「三陽商会の強み」7つのブランドを収益の柱に
中期経営計画の2年目となる2024年2月期も、商品力の向上や在庫コントロール、MDの集約と期中対応力の強化などに取り組み、売上のトップラインを確保しながら、前期の重要業績評価指標で唯一未達となっていた粗利率の改善をすすめる。「これまでの方針を大きく変えるわけではない。手を緩めずに推進していく」と大江社長。
2021年2月期から2年かけて実行した「再生プラン」では、百貨店チャネルで約250の不採算売場の撤退に取り組んだが、コロナが収束し市況が活性したことから、今期は13売場の新規出店を計画し、撤退エリアへの再出店も視野に入れる。このほか、50売場の改装や、都心の百貨店でのポップアップ展開を予定している。直営店やアウトレットも出店を継続。ECに関してはブランドサイトとECサイトを統合し、今年9月のオープンを計画している。
ブランドポートフォリオでは「ブルーレーベル/ブラックレーベル・クレストブリッジ(BLUE LABEL/BLACK LABEL CRESTBRIDGE)」の2つをはじめ、「マッキントッシュ ロンドン(MACKINTOSH LONDON)」「マッキントッシュ フィロソフィー(MACKINTOSH PHILOSOPHY)」「ポール・スチュアート(Paul Stuart)」「エポカ(EPOCA)」のほか、「トゥー ビー シック(TO BE CHIC)」などを含む婦人服を合わせた計7つを基幹ブランドと改めて位置付け、収益の柱にしていく。この7つの柱は前期に全ブランドで黒字を達成し、売上もそれぞれ70〜90億円の規模だという。大江社長は「他のアパレルで7つの収益の柱を持つ企業はあまりない。当社の強みだ」と評価し、全てのブランドを並行して強化していく方針。各ブランドで早期に売上100億円に成長させ、収益基盤の確立を目指す。
一方で「サンヨーコート(SANYOCOAT)」や「エコアルフ(ECOALF)」や「キャストコロン(CAST:)」「ラブレス(LOVELESS)」といった6つのブランドはチャレンジ領域とし、次期中期経営計画の成長エンジンにするために収支均衡の確保を急ぐ。
■三陽商会 2024年2月期通期連結業績予想
売上高:595億円(前期比2.1%増)
営業利益:24億円(同7.3%増)
当期純利益:22億円(同2.1%増)
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